マイナビが運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』は、俳優 池松壮亮さんと一ノ瀬ワタルさんを起用した新テレビCM「出会い」篇の放映を1月15日より開始。公式YouTubeでは、長尺の50秒バージョンも公開した。
オフィスビルの屋上で、池松さん演じる会社員の主人公がため息をつきながら空を眺めていると、隣に現れた人物(一ノ瀬さん)が突然「働くってなんだろう…って思ってない?」と話しかけてきます。その男性が差し出した名刺に書かれていた名前は「AI」。彼は主人公のノートパソコンを手に取ると、人間離れした超高速のキーボードさばきで作業の途中だった資料を完成させてしまう。そんなAIの優秀さを見せつけられた主人公は「オレいらないじゃん」と自信を喪失するが、AIは「ボクに合う仕事があるように、君に合う仕事がきっとある」と励まし、 “人間とAIの共存”について語る。
「今回は、マイナビ転職のスローガン策定からのお手伝いから始まりました。今後、世の中がどんどん変化していく中で、働くすべての人に寄り添い、転職を含めた働き方のすべてをサポートしていく思いを込めて『すべての「働く」を、もっとひらく』というコピーになりました」と、クリエイティブディレクター 奥野圭亮氏。
スローガン策定の一方で、マイナビからは「CMではこのコピーの説明をしていく、というものでなく、これからの働き方の多様性と可能性を世の中に問いかけていくようなものを」というオリエンがあったという。そこで、多くの人が注目するAIの存在を擬人化することで、これから未来で起こっていくだろう働き方の多様化や可能性をテーマにストーリー化していった。
今回のCMは、「会社員とAI」というユニークなキャラクター設定になっている。キャスティングはどのように考えていったのだろうか。
「転職を考えている30歳前後のビジネスマンを池松さんにお願いしたいなと、真っ先に考えました。これまでも何度かお仕事をさせていただいたことがあるのですが、役者として演技力があることはもちろん、最近独立されたので、この転職する気持ちに近い部分もあるだろうな、と考えてキャスティングしました。結果非常にピッタリとはまったなと思ってます」
ビジネスマンはすぐに決まったものの、AI役のキャストは大いに悩んだ。
「いわゆるロボットっぽい人を選択すると、どこかで見たような表現になりますし、あまりにもAIっぽくない人を選ぶとストーリーが分かりにくくなる。いろんな選択肢で悩んだ結果、ネットフリックスで話題となった一ノ瀬ワタルさんが、面白くなるのではないかと考えました。ある意味、人間離れをしている部分(失礼!)も持ち合わせながら、独特な世界観を持った愛されキャラ。一ノ瀬さんなら、今までにみたことのないAI像を表現できるのではないか、と考えました」
実はこの二人、映画「宮本から君へ」(2019年)で共演しており、そのときに敵同士を演じていた。そんな二人が、仲のいい関係で出演してもらえるところも世の中に面白く受け止めてもらえるのではないかと考えたことも、キャスティングを決める際の決定打になったという。
このCMを通して「人間とAIが敵対しない、新しい良い関係を提示したい」と考え、佐藤渉監督と話しあった。
「『働く』という視点から見ると、今AIは脅威である、と語られがちだったりします。人間の仕事を奪うんじゃないか、と。でも、きっとAIと人間は、仲良く共存していける存在と思うのです。もちろん、人間に代わってAIが代替される部分もあると思いますが、特に0から1を生み出していく部分などは、やはり人間が得意なんじゃないかなと。なので、人間とAIは、双方の強みと弱みを補完しながら生きていけると、とても幸せな世界になるんじゃないかと考えました。ちょうど、ドラえもんとのび太の関係と言いますか。マイナビさんは、就職活動のブランディングをずっとドラえもんを起用し続けているので、そう言った意味でも裏テーマとして、一ノ瀬さんをドラえもん、池松さんをのび太として考えると、とてもいいのではないか、と思って作っていきました」
放映後、「『宮本から君へ』で敵対していた二人が笑顔で話している!」「サンクチュアリの人だ!」など、キャストへの反響が大きいという。また、CM放映に合わせて1月15日からJR新宿駅をはじめとした各駅構内や電車の中吊りなどの交通広告も展開した。
「交通広告でも『人間とAIとの新しい良い関係』を写真で表現したいと思い、写真家の横浪修さんに依頼しました。横浪さんの独特な演出によってユニークなポーズが生まれ、2人の新しくも楽しい関係性を表現することができました。またそれぞれの人物のそばに働く人の共感を呼ぶようなコピーを添え、転職を考えている人はもちろんそうでない人にも響く内容にしています。『すべての「働く」を、もっとひらく』というマイナビの姿勢にふさわしい多様な働き方を応援するビジュアルになったと思います」(アートディレクター 安達翼氏)
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通、GMO ENGINE
- CD、企画、C
- 奥野圭亮
- AD、企画
- 安達翼、萬田翠
- D
- 遠藤寛昭、森野航平
- C
- 渡邊千佳
- Ag-Pr
- 尾島理紗
- Pr
- 岡島淳、中村紅花
- PM
- 駒井瑠公、長澤和音
- 演出
- 佐藤渉
- 撮影
- 今村圭佑
- 照明
- 田部元樹
- DIT
- 池谷太克
- 美術
- 杉本亮
- SFX
- 坂本孝宏
- ST
- Babymix(池松壮亮)、皆川bon美絵(一ノ瀬ワタル)
- HM
- 内藤歩(池松壮亮)、星野加奈子(一ノ瀬ワタル)
- Co
- 細谷法彦
- Cas
- 村瀬耕平、吉田亮
- SE
- 小松徹
- カラリスト
- Toshiki Kamei
- 編集
- 前田憲彦(オフライン)、田端俊朗(オンライン)
- 録音
- 中沢博幸
- MA
- 小松徹
- MPr
- 山田勝也
- BP
- 宮崎裕之、阿部祐介、大高彩子
- Na
- 池松壮亮
- T
- 池松壮亮、一ノ瀬ワタル
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