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データを可視化することで各企業が抱える課題を解決する手助けに

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事業やブランド成長へのヒントを得られる場として開催された宣伝会議主催の「宣伝会議リージョナルサミット2023 in 大阪」。ノバセル株式会社のマーケティングDX事業部セールスGマネージャーの楠勇真氏は、テレビCM配信におけるデータ活用を行う独自のサービスを、株式会社「Speee」のマーケティング・インテリジェンス事業本部バントナー事業部事業部長の大宮拓氏はCDPを円滑に活用するためのサービス「バントナー」を紹介した。

広告業界の不透明さやガバナンス問題の課題

楠氏はテレビCMのデータ活用において重要なポイントは透明性と客観性だと述べる。近年話題にあがる広告業界の不透明さやガバナンス問題について、広告主が向き合わなければいけない課題として「タレントを起用しなくても十分な効果がでるにも関わらず、タレント起用を強く望むスポンサー企業の広告実行におけるガバナンス問題」や「人材やノウハウ不足が原因で多くの広告主が代理店依存を脱却できない関係性の問題」「制作費・媒体費の原価非開示により原価+営業収益で請求され代理店利益が最大化する日本独特の構造のコミッション制」「広告実行におけるメディアバイイングに関する問題として一世帯あたりの人数が減少しているにもかかわらず従来通りのGRP1%あたりいくらという取引」などをあげた。


写真 人物 ノバセルの楠氏。
ノバセルの楠氏。近年話題にあがる広告業界の不透明さやガバナンス問題について重要なポイントは透明性と客観性だと述べる。

課題解決にはデータの可視化とプロの力が必要

これらの課題に対してノバセルはデータ(指標)とリソース、ノウハウの提供を通じて広告主主導でマーケティングが実行できる体制を支援するために「ノバセルトレンド」を提供。ノバセルトレンドとは日本全国すべてのCMの検索効果を、大手検索エンジンと共同開発した独自のシステムを利用し、1本単位で可視化できるサービス。これまで把握しづらかった他社の施策やCM効果などがデータとして見ることができる。また、全業界で指名検索スコアが高かったクリエイティブを発見することができ、全てのスポンサーのクリエイティブごとの効果を把握できると楠氏は語る。


写真 イメージ ノバセルトレンド
ノバセルトレンドとは日本全国すべてのCMの検索効果を、大手検索エンジンと共同開発した独自のシステムを利用し、1本単位で可視化できるサービス。

このサービスを利用し、データの可視化に成功しても、使いこなせるリソースとノウハウがないという企業も少なくないだろう。そこで、楠氏は「ノバセルプロフェッショナル」のサービスも同時に提案。ノバセルプロフェッショナルでは代理店へのメディアディレクションをノバセルのプロフェッショナル人材が実行、内製化までを支援し、評価、プランニングルールの設計、これらを代理店が実行したときにどのくらいクオリティが上がったのかを評価し改善をしていく。初期はプロフェッショナルが入って統制を行うが、新人でも回せるような仕組みを構築し、内製化するところまでを伴走し支援する。


お問い合わせ
ノバセル株式会社
住所:〒141-0021 東京都品川区上大崎2-24-9 アイケイビル 5F
TEL:03-6629-7093
URL:https://novasell.com/
アドレス :adpla_is-uc@raksul.com


CDPの活用が停滞している理由

Speeeで取り扱うサービス「バントナー」は、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を導入し収集した情報を分析、利活用するまでのサポートを行うもので、最終的には伴走型からバトンを渡し、単独で運用していけるような環境構築を目指す。CDPは2016年頃から日本でも普及していたが、今なお使いこなせていない企業がほとんどだと大宮氏は話す。

CDPを使いこなせていない理由として、まず組織の課題が挙げられる。CDPを導入したことにより経営層からの期待値があがり、大きな成果を望まれるが、成果を出すには費用や時間など総合的なコストが大きくかかる。このことから、プロジェクトメンバーと経営層の間にギャップが生じ、導入してもうまく活用できずに停滞してしまうという。また「プロジェクト推進メンバーが現場にCDPを利用してどんなことをしていきたいかヒアリングをしても、現場は具体的なイメージが沸かず、施策案がなかなかでない」や「現場の人にどういったことを分析していきたいか聞いても、CDPで何ができるかを理解していないのでアイデアが沸かない」といったことが課題としてあげられる。


写真 人物 Speeeの大宮氏。
Speeeの大宮氏。CDPを使いこなせない理由として、プロジェクトメンバーと経営層の間にギャップが生じ、導入してもうまく活用できずに停滞してしまうという。

これらの課題は経営層やプロジェクトメンバー、現場の人が同じ目線に立てていないことが要因であり、これらの課題を解決するには、CDPを活用し関係者間で顧客のデータ解像度を合わせることが重要になる。一人の顧客データを可視化することで現実的なマーケティングの施策について話し合うことができ、関係者全員が同じ目線で議論できるようになる。共通の目線をもつことで、意思疎通がとれるためプロジェクトを円滑に進めることができるのだ。

顧客データの可視化がCDP活用の糸口に

二つ目は進め方の課題だ。一般的なCDP活用法である「ウォーターフォール型」は、構想・計画→CDP構築→分析・顧客理解→利活用という流れで進んでいく。しかしほとんどの場合、第一段階の構想・計画で足を踏み外してしまい、CDPを構築する段階に届かない。構想・計画の段階から進めない要因は、投資対効果の算出が難しいことと具体的なイメージが沸かないことが大きな要因であると述べている。

大宮氏が提案する「DWH(データ・ウェア・ハウス)型」では、構想・計画のステップをカットし、CDP構築から着手することで、データが見える状態を早く作り、顧客の可視化までを最短ルートにすることが可能になる。


写真 人物 「DWH(データ・ウェア・ハウス)型」を提案する大宮氏。
大宮氏が提案する「DWH(データ・ウェア・ハウス)型」では、構想・計画のステップをカットし、CDP構築から着手することで、データが見える状態を早く作り、顧客の可視化までを最短ルートにすることが可能になる。

またCDP構築にかかるコストを下げることもCDP活用に大きくつながるポイントであり、高機能であるが故に高額で開発に時間のかかる従来の「パッケージ型」を使うのではなく、安価なシステムや既存のシステムを組み合わせ、少額でスピーディーに開発できるDWH型を導入したほうがより実現に近づくと大宮氏は語る。

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お問い合わせ
株式会社Speee
住所:〒106-0032 東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー 39階
URL:https://bantner.speee.jp/
アドレス:kitamura@speee.jp