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大学の魅力を高校生に伝える秘策とは?――志願者アップを狙う東洋学園大学がSNS施策に初挑戦

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タレント考告ラボはタレントとブランドが一体となって企画を共創するという実験的ラボ企画。企画にはコンテンツマーケティング会社FIREBUGが参画。この記事ではタレントとブランド担当とともにブレインストーミングを行なう様子をレポートします。

第1回目のブランドは東洋学園大学。文京区という都心に立地し、経済やマーケティング、スポーツなど多彩な領域の学びが揃っているキャンパスです。

ブレインストーミングに参加したブランド担当役の学生たちは、現代経営学部3年生で安藤ゼミに所属する皆さん。そして、司会進行役は同大学で広報に従事する広報室の相川徹人さんが務めました。広報やPRを熟知し、東洋学園大学の顔として、さまざまなプロモーションを手掛けてきた広報のプロです。

そして今回起用するタレントは、動画クリエイターのほのぴすさん。SNSでは30万以上のフォロワー数を誇り、中でもTikTokでは約77万ものフォロワーを誇る人気のクリエイター。特に高校生や主婦層にコアなファンが多いほのぴすさんとともに、高校生をターゲットにしたプロモーション施策について、学びの視点も取り入れる理由からブランド担当役を担う学生たちと意見を交換しました。このブレインストーミングの前に、学生さんからはFIREBUGの皆さんにブリーフィングをしています。

いかに「自分ごと化」できるかが施策成功の分かれ道

写真 人物 個人 ほのぴす
東洋学園大学の学生からの質問にほのぴすさんが答える場面も

相川:本日はコンテンツマーケティング会社のFIREBUGさんにお越しいただきました。先日行ったブリーフィングの内容を踏まえ、FIREBUGさんよりプレゼンテーションをしていただきます。皆さんにはこれからプレゼンいただく内容をしっかり吟味してもらい、授業後半でいろいろとディスカッションしていきたいと思います。私は本日進行役を務める東洋学園大学の広報室相川です。堀さん、ほのぴすさん、よろしくお願いします。

:FIREBUGのプランナー、堀と申します。先日のブリーフィング内容を踏まえて、これからプレゼンさせていただきます。また今日は、動画クリエイターのほのぴすさんにもゲスト参加いただき、私たちの提案にほのぴすさんの視点も交えたアイデアもご紹介します。

今回の施策の最終ゴールは「東洋学園大学」という学校名の認知獲得です。東洋学園大学を知っている人の割合が少ないのではないかという仮説を立てました。ターゲットは高校生の男女。具体的な内容を説明しますと、志願者を獲得するためには、まず認知がないと始まらないんですね。なので、認知獲得を最優先でがんばりたい。次に興味関心、利用意向の向上に進み、最終的に志願者獲得に至るという流れを想定しています。

相川:われわれの課題は段階的にあって、最初の壁は認知。そして次に興味関心を持ってもらわないといけないわけですね。

:そうです。認知獲得から最終的に志願してもらえるかどうかは、ターゲットにいかに「自分ごと化」してもらえるか。これが最大のキーポイントになると考えています。そして、利用意向の段階で生じる可能性として「不安感」を挙げています。例えば学費はいくらなのかとか、一人暮らしすることになれば部屋はどうするとか、就職先のこととか。いろいろあると思いますが、それを取り除いてあげることも大事です。

ロードマップとしては、第一に「大学名の認知獲得」。第二にターゲットの「自分ごと化」で態度変容を促し、不安を取り除いて利用意向へとつなげていく施策を考えました。

相川:なるほど。確かに知りたいことがわからないと不安になりますよね。ちなみに、ほのぴすさんは当学の学生と近い世代ですが、大学進学を考えていた際、何か不安なことはありましたか?

写真 人物 プロフィール ほのぴす

ほのぴす

1998年10月生まれ、札幌出身。
一度聞いたら忘れられない特徴的な話し方とあざと可愛いキャラクターでZ世代の女性たちを魅了するショート動画クリエイター。過去のタイアップ動画制作総数は200件以上。TikTok80万人、Instagram11.9万人フォロワー。

ほのぴす:私は北海道出身なので、東京の大学に進学するとなると、学費や生活費といったお金の面が気になりました。奨学金はあるのかとか、アルバイト事情はどうなのかとか。親との相談も必要でしたし、金銭面の情報は興味関心が高かったですね。

広告のメリットを生かして「見たくなる」コンテンツ発信を目指す

:ロードマップを提示させていただいたところで、次に具体的なメディア選定の話に移ります。認知獲得には、テレビやOOHといったマス媒体も有効です。コストはかかりますが、実際に某専門学校のクライアントで志願者を増やした実績があります。

興味関心や利用意向のための施策にはSNSを活用して、学校のアカウントとつながりを作る。そこからコンテンツを配信し、継続的に学生と大学側がコミュニケーションを取れるような設計にするとよいのではないかと考えています。

ほのぴす:私はオープンキャンパスに来てもらいたいと思ったんですね。進路相談会なら親御さんも一緒に来校しやすい。なので、これをきっかけとしてSNSにアカウント登録してもらうのは有効ではないかと思いました。

相川:皆は、SNSだと、効果がありそうなのはどれだと思う?

Aさん:情報をたくさん得たいならTikTokが一番簡単に見られるのでいいと思います。情報を絞るならXかなと。

Bさん:InstagramもXも検索しないと公式アカウントにたどり着かないので、公式アカウントで発信するだけではなく、広告を出せば検索しなくても表示されるのでいいと思います。

相川:ではコミュニケーションはSNSメインで、公式アカウントの情報発信と並行して広告も出すのがいいのではないかと。反対意見はある?

Cさん:SNSで広告が表示されても、僕は正直ほとんど見ないです。YouTubeの動画広告も見ない人が多いんじゃないかと思います。そこに広告を出すのは疑問です。

相川:じゃあ逆に、広告なのに気になって見てしまったという経験があるという人はいる? 誰もいないんですね。では広告出しても意味がない? 私は広告も見せ方によって変わってくると思うんですけど。

ほのぴす:私にもタイアップ動画の依頼をいただくことがありますが、オファーしたクライアントの狙いは、いかに自然発生的な動画コンテンツを作れるかどうかなんです。そんな動画なら、広告として出すのは有効なんじゃないかなと思います。

東洋学園大学 広報室 相川徹人氏
東洋学園大学で広報に従事する広報室の相川徹人さん

互いの意見に誘発されてアイデアが膨らむ

相川:うちの大学の動画を作るなら、どんな内容がいいでしょうか?

ほのぴす:大学で過ごす1日を動画にするのがいいんじゃないかと思います。私が大学生に扮して、授業を受けたり、部活に出たりと東洋学園大学で丸1日過ごした体験動画はどうでしょうか。単に体験するだけではなく、動画表現のディテールにはほのぴす流の演出も加えて、興味関心を持ってもらえるように作りたいですね。

Dさん(W):大学の1日体験動画は興味あります。よく知らない大学でも、自分が知っているユーチューバーが出演していたら、見てみようかなという気にさせられます。特にほのぴすさんは、高校生のファンが多いということなので、そこも期待できるんじゃないでしょうか。

ほのぴす:SNSを目的別に使い分けるとさらにいいのではと思います。まず認知獲得のための動画として、東洋学園大学という名前をちょっと入れたもの。この動画をフックに、次の動画で大学紹介の動画を配信することでフォロワー獲得を狙うという構造がいいんじゃないかと。視聴者の興味を引きそうなワードも合わせて入れるとさらに再生回数がぐんと伸びると思います。

:ほのぴすさんの提案は、認知獲得(トップファネル)と態度変容(ミドルファネル)を動画コンテンツでまるっと獲得してしまおうという内容ですね。こういうやり方もあるんだと、聞いていてすごく新鮮でした!

ほのぴす:TikTokで認知拡大を図り、インスタグラムでフォローしてもらって情報発信をするという使い分けをおすすめします。インスタグラムではライブができるので、先ほどの進路相談会をやってみるなんて使い方もいいかもしれません。

Eさん(W):TikTokは画像を残すことができないけど、インスタグラムならTikTok動画の冒頭数秒間を載せることができるので、インスタグラムは結構活用できるんじゃないですか?

ほのぴす:リール動画も90秒まで載せられるんですよ。リールは保存されればされるほどエンゲージが伸びやすいので、情報発信にはかなり向いているプラットフォームだと思います。

Fさん(M):TIkTokで懸念なのは、暇つぶしの要素が大きいので、大学という現実味のある言葉が表示されるだけでスルーされるんじゃないかという点です。なので僕が思うのは、大学の立地の優位性を訴求するリール動画がいいんじゃないかと。都心にあって、学校周辺のカフェなどのグルメとか遊ぶところなどのスポットと東洋学園大学を紐づけることで認知が広がるのではと思いました。

ほのぴす:確かに、TikTokは全てエンタメコンテンツなので、大学など堅い内容と相性が悪いんです。大学周りの情報発信は、その周辺にいる人にもリーチするので、効果あると思いますよ。

相川:皆さん、いろんな意見を出してくれてありがとうございました。そろそろゼミの時間も終了に近づいてきました。本日ご提案いただいた内容は、非常に有効性があり、実施する価値の高いものばかりだったと感じています。FIREBUGさん、ほのぴすさん、本日はどうもありがとうございました。

学生全員:ありがとうございました!

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