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選手からスポーツチームの広報担当に転身! 他競技や他チームの発信の仕方をリサーチし、経験ゼロから広報業務を確立させる

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広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。人事異動も多い日本企業の場合、専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、企業のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のキャリアプランを考えてきたのでしょうか。横のつながりも多い広報の世界。本コラムではリレー形式で、「広報の仕事とキャリア」をテーマにバトンをつないでいただきます。
Osaka Metroの弓家田広司さんからの紹介で今回、登場するのはサントリーホールディングスの松崎 廣光さんです。
写真 人物 プロフィール 松崎 廣光氏

サントリーホールディングス
スポーツ事業推進部 サントリーサンバーズ 
普及活動 アカデミー担当
松崎 廣光氏

2009年にサントリーホールディングスに入社、サントリーサンバーズに入団、7年間選手としてプレーをし、2016年に選手引退。2022年から現在のチーム広報、普及アカデミー担当になり、社内外に対する発信や窓口として活動をする。


Q1:現在の仕事の内容とは?

サントリーホールディングスが保有する、サントリーサンバーズというバレーボールチームの広報、普及活動、アカデミーの担当をしています。チームの所属部署は社会貢献をメインとするCSR推進部所属しておりましたが、2022年よりスポーツ事業推進部が立ち上がり、スポーツで稼ぐ事業化を見据えて日々活動をしています。

主な広報業務はチームの情報を発信するホームページ掲載、SNS運用、メディアの方々にリリースを出し広く情報が届くようにスケジューリングなどを行っています。特に昨年10月から始まっているV.LEAGUEにてホームゲームを開催する際の集客のため、試合情報やアクセス情報、イベント情報など来場するために必要な情報を発信したり、SNSで新規の来場者を増やすキャンペーンを打つなどを行っています。

その他にも大学や中学校に出向いてサンバーズやスポーツ事業に関しての講演を行ったり、地域でバレーボール教室を行ったり、箕面市でアカデミーを運営しており現在120名の会員が所属しジュニアチームの指導を行ったりと様々な角度からチームの認知とバレーボールの普及のため活動をしています。

Q2:これまでの職歴は?

2009年にサントリーホールディングスに入社、サントリーサンバーズに入団、7年間選手としてプレーをし、2016年に選手引退。引退後は試合データの分析や戦術・戦略を考えるアナリストを経験、2018年からチームマネージャー(主務)を務め、チームの窓口として取材対応、チームの遠征の手配や試合に挑むための手続き、選手のウェアー手配や外国籍選手の対応(ビザ、住居や生活周り)、SNSの発信などを担当し、2022年に現在のチーム広報、普及アカデミー担当になり、社内外に対する発信や窓口として活動をしています。

Q3:転職や社内異動などに際して、強く意識したこととは?

元々選手であったこともあり、すべてが初めての仕事でした。選手を引退してからスタッフになるまでどのような業務になるのかも分からず事前準備などは難しかったため、まずはどのようにスポーツチームの運営が行われているのか、どの様な仕事が必要なのかを理解し、ただ業務をこなすだけではなく、それぞれの仕事の役割や必要性を理解した上で仕事に取り組むことを意識しました。

特に広報という部分では、SNSなどが確立していたわけではなく、知識がある人がチーム内にもいませんでした。選手OBがスタッフになっていたので新しい知識などを取り入れることもなく、これまでの業務をこなしているだけだったので、他競技や他チームの発信の仕方をリサーチしてまずは“ものまね”をし、新しいことに挑戦することを意識していました。

Q4:国内において広報としてのキャリア形成で悩みとなることは何?

スポーツチームは特になのですが、広報を他業務と兼務している人が多いと感じます。特に昔からあるチームであればあるほど、これまでのやり方が定着しており、広告の出し方や発信の仕方などがアナログだったり、コストがかかる割に反応が悪い情報の出し方(チラシ配布など)をしていたりと、広報業務自体をあまり重要視していないことが多いと感じます。すでに改善傾向にあるのですが、外部の知見のある方にチームに入っていただき広告の出し方やスケジューリングのやり方などアドバイスをもらいながら運用をしだしました。

SNSでもただ発信するだけではなく、どの様な投稿が効果的だったのか、どの様なタイミングが一番反応が良いのかなど、効果測定をしながらより効率的な発信をするようになりました。エンゲージメントを意識しだしてからはただ発信したいものを発信するのではなく、お客さん(ファン)が求めている情報を出すことを意識しだし、インプレッションもそれに応じて徐々に増えてきました。発信する媒体によって投稿の種類を分けたり、ホームページとリンクさせたりと、各媒体とリンクさせながら運用することでより効果的な発信をすることができました。

人材の出入りが少ないと変化を恐れたり、新しいものを取り入れることを躊躇したりと現状維持になりがちなので、人材も流動的に入れ替わり、常に情報をアップデートしながら時代に合った、ニーズに合った情報の出し方をしていくことが大事だと感じています。広告の出し方が上手くいけば商品も売れるし、周知にも広がります。広報の重要性をチームが理解して、人材をそろえていくことが大事だと感じました。

Q5:広報職の経験を活かして、今後チャレンジしたいことは?

広報の業務はどんな仕事にとっても重要な役割を担います。今後はスポーツチームで培ったニーズへの対応や周知の広げ方を活かし、我々がそうだったように広報に重要性をまだ感じていない部署や団体でゼロからSNSを立ち上げフォロワーを増やしていったり、商品や普及したいものを広げていったりと、社内外でこれまでの広報としての経験を活かしていきたいと思っています。

【次回のコラムの担当は?】

次に紹介するのはフリーランスで広報業務を担当する和田真智子さんです。和田さんは2013年にbjリーグ(現Bリーグ)に新規参入したプロバスケットボールチーム「バンビシャス奈良」に入社。マスメディア関連業務、ソーシャルメディアなど自社メディア関連業務など、新規参入チームの広報全般業務を行われていました。

2021年にはTokyo2020組織委員会デジタルメディアコミュニケーションチームで勤務、主に東京オリンピックの大会期間中、ソーシャルメディアのコンテンツを制作、投稿。

現在はフリーランスとして、IOCのソーシャルメディア・日本語アカウントの運用を行っています。

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