なぜ今「POEプランニング」なのか? 強固なファンベースで持続可能な広告運用を

人々が生活の中で接するデジタルメディアが多岐にわたるいま、企業にとって、より効果的なメディアプランニングのあり方が求められている。あらゆる顧客接点におけるソリューション提供を行うADKマーケティング・ソリューションズ(MS)が掲げるのは、「POEプランニング」の考え方。なぜ今POEなのか、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを務める小林慎一氏に話を聞いた。
写真 人物 個人 ADKマーケティング・ソリューションズ 執行役員 エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター 小林慎一氏

ADKマーケティング・ソリューションズ
執行役員 エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター
小林慎一氏

旭通信社、電通、電通デジタル出向を経て現職。人と世の中を動かす顧客体験デザインにより、クライアントの事業成長に貢献することを主務としている。

POEすべてのメディアがコントローラブルになっている

ADKグループでは今期、注力テーマのひとつとして「POEプランニング」を掲げている。

企業がメディア戦略を考える際、日本では2010年頃から、ペイドメディア(Paid media)、オウンドメディア(Owned media)、そしてアーンドメディア(Earned media)の3つを連携させた「トリプルメディア戦略」のフレームワークが用いられてきた。なぜ今、「POEプランニング」なのか。

本取り組みの中心となるのが、同社ECDの小林慎一氏。同氏は旭通信社から電通に転職、電通デジタルへの出向を経て2022年に就任した現職に至るまで、一貫してマスとデジタルを統合した顧客体験設計の立案を主務とし、長年、POEをミックスさせた提案を行ってきた。

「プランニングの最後のアウトプットとしてメディアが選定されますが、当時はペイド、オウンド、アーンドのすべてが採用となることは多くはありませんでした。ひとつ、当時と大きく違うのは、POEすべての施策のデータが取れるようになったこと。各データが突合され、互いにどのように影響を及ぼしているかが分かるようになったんです」。

かつて追求していたのは、個別のKPIである動画広告の視聴完了率やCTR。しかしデータが出揃ったことで、経営指標に紐づくKSF(KeySuccess Factor)と連関した最適化が可能に。より事業戦略に寄与する、大きなPDCAを回せるようになったのだという。

さらに近年、大きく変化したのが従来、難しいといわれてきたアーンドメディアのコントロールが可能になりつつあることだ。独自のクリエイティブやアルゴリズムなどSNS運用に関する知見が蓄積されてきたことに加え、広告運用のためのプラットフォームやツールが充実。アーンドメディアにおける情報拡散を目的とした情報発信においてはいまや、狙い通りの運用が可能だ。また、生活者のメディア接触行動の変化も大きい。生活者の口コミやSNSがますます重要になると言えるだろう【図1】。

図 ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディアの構成比の変化と予測
同社の予測によると、認知につながるタッチポイントについて、2027年にはペイドメディアの占める比率が4ポイント程度落ちる一方、アーンドメディアの比率が5ポイント程度上がる予測結果となった。

「マス広告が全盛の頃は、自社の製品やサービスの独自性『USP(Unique Selling Proposition)』を示すことが広告の主流でした。しかし、その考え方は、スキップが可能で、かつ大量の情報が存在するデジタルの世界ではあまり効果的ではありません。いま大切なのは、顧客にとってどのような価値があるのかという『UVP(Unique Value Proposition)』を明確にすることにあります」と小林氏は話す。

「今まさに、スマートフォン上で行うコミュニケーションは次の段階に進んでいます」と強調する小林氏。着目するのは、ファンコミュニティを基点としたコンテンツだ。

「現在、主流なのは例えばXにおけるリポストなどの拡散手法です。しかしこれを目的にすると、インセンティブが重要になり、ターゲットではない方向に広がり、本来の目標であるファンづくりにつながらない場合も多い。大切なのは、既存のコミュニティの文脈に溶け込んだ、ファンとの結びつきが強いコンテンツを提供することです」と小林氏。どんなクリエイティブでどのくらいの拡散力が得られるのか、作曲家や振付師といったクリエイターや、インフルエンサーの特性・人数を掛け合わせた「黄金比」も算出されており、より精緻なプランニングが可能になっているという。

フロー型からストック型へ広告のエコシステムを形成

ここで同社が提案するのが、POEの各メディアを循環する広告のエコシステムだ【図2】。

図 ADKが提唱する広告のエコシステム
「例えば10億円の広告予算のうち、2億円をアーンドメディアに投下する、ということは従来であれば大冒険かもしれない。しかし今後は、そうした提案もし続けていきたいと考えています」(小林氏)。

例えばオウンドのYouTubeチャンネルにファン化コンテンツをつくり登録者数を増やす。そこで得られた収益を、ペイドメディアに投下し、さらにユーザーが真似したくなるUGCの創出をはかり、拡散させるという形だ。

「広告活動のデジタル化は効果の可視化という恩恵をもたらしましたが、細分化されたメディアにクリエイティブを出し分けたり、高いリテラシーが求められたりと、運用側に大きな負担がかかるようになりました。だからこそこれからの広告は、出稿して終わりではない、ストック形の財産として積み重なっていくものであるべきだと考えます」。

ADK MSでは、POE推進プロジェクトとして、マーケティングインテリジェンス本部、統合チャネル戦略本部、そして各クリエイティブユニットが連携。各スペシャリストが組織横断で、統合的にソリューション全体をディレクションする「統合ソリューションディレクタールーム」の知見も組み込みながら、プランニングや実行、KPIマネジメントまでフルファネルで提案する。「日用消費財や嗜好品だけでなく、自動車メーカーやハウジングメーカー、BtoB企業のリクルーティングまで、強固なファンベースが必要な業界は多岐にわたります。特にZ世代を中心にペイドメディアの広告が効きにくくなっているなかで、新たなアプローチを模索している企業の皆さんに、相談いただけたら」と今後の展望を語った。



お問い合わせ
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
URL:https://www.adkms.jp/

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