オイルシールメーカーのNOKは3日、グループ会社92社で新たに統一したコーポレートアイデンティティ(CI)を発表した。佐藤可士和氏がクリエイティブディレクションを務め、企業ロゴやグループロゴ、タグラインを刷新。3日には本社で国内外の従業員約3万8000人と報道関係者に向けた発表イベントを開催し、策定の目的やデザインに込めた想いを説明した。
タグラインは、「Essential Core Manufacturingー社会に不可欠な中心領域を担うモノづくり」と策定。コピーライターの斉藤賢司氏(ホンシツ)が携わった。また、より視覚的に伝えるモーションロゴも制作しており、中村勇吾氏(tha)が手がけている。今後同社サイトで公開する予定。
NOKは1941年創業で、自動車部品、電子部品などの開発・製造を手がける会社。気体や液体を密封するための部品「オイルシール」のメーカーとして、自動車向けに国内約7割のシェアを獲得、世界でも高いシェアを誇っている。グループとしては国内33社、海外58社を展開。それぞれが独自のコーポレートアイデンティティを展開していて、国内外のステークホルダーからグループとしての認知を得られにくいことが課題だった。
同社の鶴正雄社長は「真のグローバルカンパニーになるべく、『Global One NOK』を合言葉に変革を進めています。グループ初となる統一したCIを策定することで、一体感の醸成、従業員エンゲージメントの向上、ステークホルダーの認知拡大などを期待しています」と話した。
佐藤氏は「toCもtoBも、社会に対してあらゆるコミュニケーションが必要なことは同じ。アイデンティティを正確に伝えることを意識し、日本の製造業の技術の高さ、グループ全体のアイデンティティの統一を意識して取り組みました」と説明した。
CIは企業ロゴとグループロゴ、タグラインから成る。CI策定に当たり、多くの企業のロゴデザインやブランド戦略を手がける佐藤氏に協力を依頼し、2年弱の期間を経て制作した。企業ロゴはNOKの文字をビジュアライズしたもの。直線的で、鋭さと安定さを両立したタイプフェイスで同社のテクノロジーの精度と信頼性を象徴した。
コーポレートカラーは「ソリッドネイビー」。佐藤氏は「ネイビーの中でも、混じりけのない、基準になるような色合いを使用しました。従来のロゴは2色でしたが、世界で使うには単色の方がぶれず、汎用性があります。また以前のロゴに比べると触ったら切れてしまいそうな鋭い直線で、角の丸みも取れています。重要保安部品も扱うNOKの、緻密で甘い部分がないという業務の特徴も表しました」と話した。
グループロゴはNOK、日本メクトロン、NOKクリューバー、ユニマテック、シンジーテックの主要5社を表したもの。それぞれの企業名を表す3文字のアルファベットを基に制作した。鶴社長は「グループ全ての企業が5社のいずれかのセグメントに属しています。グループ内で親会社・子会社という意味合いはなく、フラットな関係だということを、社員をはじめとする多くの方に再認識してもらうことが狙いでした」と話す。
タグラインの「社会に不可欠な中心領域を担うモノづくり」には、幅広い分野の製品を扱う同社の、世の中の安全や快適に貢献するものづくりへの志や、社会に必要不可欠な存在でありたいという想いを込めている。英語版は「The manufacture of pivotal products that shape society.」とした。
スタッフリスト
- 企画制作
- SAMURAI、tha ltd.、東北新社SIGHT
- CD
- 佐藤可士和
- AD
- 石川耕
- AD+D(ロゴ)
- 奥瀬義樹
- C
- 斉藤賢司
- ムービー
- 中村勇吾
- D(モーションロゴ)
- 佐藤明日野
- Pr
- 日下部亮、井澤成彦
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