企業のマーケティング施策が効果の最適化に向かい、明確な成果が求められるようになる中で、それぞれのクリエイターの仕事と役割はどのように変化していくのでしょうか。それはまた、キャリアや仕事のスタイルにもどのように影響を与えていくのか――。実際のプロジェクト例なども交えながら、考えていきます。
※本記事はブレーン6月号「広告」多様化の時代 クリエイターの仕事と役割はどう変わる?に掲載している内容から転載しています。
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製薬会社を経て東急エージェンシーに入社した植木沙織さん。営業として4年経験を積んだのち、現在のプランナー職に就いた。志望する職種に近付くために、どのように歩みを進めていったのか。
![写真 人物 植木沙織さん(東急エージェンシー プランナー)](https://cdn.advertimes.com/wp-content/uploads/2024/05/ueki01-1.jpg)
東急エージェンシー プランナー
植木沙織(うえき・さおり)
東急エージェンシー 第3ビジネスデザイン本部 関西支社 ソリューション部 クリエイティブユニット プランナー。兵庫県養父市出身。大阪市立大学卒業。製薬会社勤務を経て、東急エージェンシーへ入社。営業職ののち、現職。
熱意を保ち、少しずつ夢に近付く
もともとコピーライターに憧れていました。学生の時は広告を見るのが好きで、業界のことを何も知らなかったので「広告といえばコピーライターだ」と。とにかくクリエイティブの仕事に就きたくて、たくさんの広告会社に応募しました。
結局ひとつも引っかからず、並行して受けていた製薬会社に入社。営業として病院を訪問して、多忙なお医者さんを相手にどんどん提案していく。私の積極的な性格が活かせて楽しくはあったのですが、働きながらもずっと広告業界のことが気になっていました。
3年務めたタイミングで、夢を諦めきれずに転職活動に挑戦しました。未経験でクリエイティブ職を探していましたが、なかなか見つからず。結果、まずは営業職の派遣社員として東急エージェンシーに入りました。「いつかはクリエイティブの仕事を」という熱意を持ち、面接でも意向を伝えていましたね。未経験でやる気だけがある状態でしたが、そんな私を面白がって受け入れてくれた方たちにも感謝しています。
広告業界に入ると、前職とのギャップに驚きました。どの仕事も関わる人が多く、それぞれが持ち場をもって大所帯で制作していく。クライアントワークは売上や効果への具体的な数値もしっかりと求められますし、炎上などのリスクヘッジも必要。「広告とは何か」ということから学び、これほどこだわりが詰まった仕事だったのかと驚きました。実際にコピーライターの方と関わると、言葉の巧みさ、知識の深さに圧倒され、簡単に「なりたい」と言えなくなってしまうぐらい。何でも飛び込んでみないとわからない部分があります。
派遣社員として1年半が経ったタイミングで社員となり、そのまま計4年間営業として働きました。業務にはクリエイターとの打ち合わせもあり、怖がらずに自分のアイデアも出しましたね。営業でありながら積極的に企画にも関わる経験を通して自信を重ねていきました。
その後、社内のクリエイティブ職に欠員が出たことで異動するチャンスが巡ってきました。当初望んでいたコピーライターとは異なりますが、プランナーとして仕事ができるようになりました。企画から戦略、PRなど多方面から関わることができるこの仕事を気に入っています。企画だけでなく、進行管理や作業の立ち合いなども含め現場の感覚も持てるこのバランスが、好奇心の強い自分に合っていますね。
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