自分の頭で考えて、オリジナルなものを生もうとする気運が、この国にはないのか問題(倉成英俊)

「AdverTimes.(アドバタイムズ/アドタイ)」は2024年6月に20周年を迎えました。2004年に新聞として創刊、2010年からオンラインがスタートし現在に至ります。
20周年の節目に際し、これまでのコラム執筆者の皆さんから寄せられた、それぞれの領域における「これまでの20年とこれからの20年」を紹介します。

倉成 英俊氏

(Creative Project Base 代表取締役)

――これまでの20年間で、ご自身のお仕事の領域や関心領域において、エポックメイキングだったと思われることはなんですか

2015年6月、39歳にして直腸がんの宣告を受けた。言われたステージは3。5年生存率は60%台、つまり1/3の確率で死ぬ可能性がある。ああ…死って本当にあるんだ、と。患部を取って検査しないと正確なステージは断定できない、もっと低いかも、と仰るけれど、そこから10日間、病院のベットの上で考えさせられた。自分は何をしてきたか。お金とか賞とかはあの世には関係なさそうだな。あの仕事はやって良かった、とか。結果、ステージ1だったので救われたが、それからは、自分の時間も、仲間の時間も大切にすると固く思うなど、人生観や仕事観が全く転換。AIの出現とか、そういうことより(健康診断や検便は忙しくても受けましょう!)。

――現在のご自身のお仕事の領域において、最も関心を寄せる/寄せられるべき課題は何だとお考えですか

(1の答えに続けて)いつ死ぬのかわからない&せっかく生まれてきたのに、自分の頭で考えて、オリジナルなものを生もうとする気運が、なんと、この国にはないのか問題。人がいいということの、鵜呑み国家。どこかでうまく行ったことを持ってくる、二匹目のドジョウ狙い国家。海外と比べてばかりの、追いつけ追い越せ国家。企業は誰かが、海外で成功していると持ってきたものに食いつき、政府は海外をコピーした「日本版〇〇」の政策の連発。そんなコピーバンドみたいな国に住みたくはない。自分たちがいいと思う社会に自分たちで変えていく。それが仕事ってものでしょう?大事なもの、求められているものは独創。それに必要な知恵と勇気と仲間たち。


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