博報堂は7月1日付で、Facebookなどオープンな場を活用したコミュニティ運営を支援する新会社「VoiceVision」を設立した。主に企業のR&Dや経営企画部門、事業部向けに提供するもので、生活者の声をもとにした「共創型」コミュニティを通じてリサーチや商品開発、プロモーションまでを一貫して提供する。新会社には博報堂のほか、メンバーズも10%出資している。
同社では2011年10月から一部クライアント向けに同様のサービスを提供。集英社をクライアントとするプロジェクトでヒット書籍を生み出すなど、一定の成果とニーズが確認できたことから事業化に至った。同社研究開発局の大高香世氏が代表取締役社長を務めており、「プロパーの女性社員がグループ会社のトップに就くのは初」(広報室)。
従来のコミュニティサービスと異なる点としては、博報堂が持つ「ファシリテーション」の技術を活用している点があげられる。コミュニティにおいては、博報堂出身でマーケティング経験を持つプランナーらがファシリテーターとして参加する仕組みで、他のコミュニティ運営支援サービスにはない独自の強みとして売り出す。
例えば集英社をクライアントとするプロジェクト「未来に残すエンディングノート編集委員会」ではFacebookページに集まった約1400人の女性のほか、運営サイドからファシリテーターがコミュニティ内に参画。参加者のコメントに対する返信やテーマの投げかけなど約2カ月にわたり議論を進行させた。
またオフラインでも参加者を集めたミーティングを実施した結果、「万が一入院してもすぐ連絡できるリストが欲しい」「プロポーズの言葉も想い出として残しておきたい」「想い出の写真をCDに焼いてノートに収納しておきたい」など、得られた声をもとに商品を設計した。
その成果として、本プロジェクトをもとにした書籍『Never Ending Note』を昨秋に発行。シニア向け商材とされてきた「エンディングノート」を、「死ぬまでの人生を豊かにするノート」として若い女性向けに提案し直したもので、メディアにも多数取り上げられ、これまでに5刷となっている。
新会社ではFacebookページだけでなく、同様のスキームで企業の自社コミュニティや著名人のファンコミュニティ内でのファシリテーションの受託も想定している。また、特定クライアントを持たない独自のFacebook上のプラットフォーム「はたらくママの声を届けようプロジェクト」も運営しており、今後は、ここで得られた知見も企業向けに提供していきたい考え。
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