ソーシャルがわからない企業に明日はない(2)

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【ソーシャルがわからない企業に明日はない(1)】はこちら

AQUAで200km走ったCO2は節電でオフセットできる

ここ数年、環境専門誌では、電気自動車(EV)に目が向きがちで、足元のカーライフを見逃しがちだった。試乗会の案内がくるのはEVばかりだったので、ついつい目が向いてしまうが、取材で試乗するクルマと実際に乗ろうと思うクルマは別。充電ステーションが増えないことにはEVはまだまだ「マニア」専用車だ。加えて、原発が停止して深夜電力が安くなくなると、EVの経済性も下がる。

そこで、いつ来るかわからないEVから現実に立ち戻り、注文から納車まで半年以上かかるものの、とにかくいま手に入るなかで世界一の低燃費(しかも200万円以下!)のクルマAQUAについて考える。 

AQUAの燃費性能35.4km/L(JC08モード)を、環境目線で考えると、どういう意味をもつのか。

たとえば、週末に東京23区内から箱根などの行楽地に出かけて200kmほど走ったとすると、平均30km/Lで運転できたら、使うガソリンはわずか6.7リットル。レギュラーガソリン156円/Lなら1040円。CO2の排出量に換算すると、15.7kgのCO2を環境に排出することになる。これは、盛夏や真冬の冷暖房の温度設定を1℃変えて省エネすることで減らせるCO2の量と同じくらいの量だと言われている(正確には電源構成によって異なる)。

CO2排出量の少ない電車やバスや自転車もいいが、カーライフを楽しんで、節電努力でCO2排出をカバーできそうな範疇にあるクルマというのは、エコ人間にはうれしい。もちろん、加速性能や走行感、小さなボディにゆとりのある居住性や広い荷室スペース、デザイン性などなど、エコ以外の多くの魅力、そして価格の割安感があってこその人気車なのだが。

沢内銀河高原ホテルにキラリ「復興の星」

トヨタマーケティングジャパンの折戸弘一氏

トヨタマーケティングジャパンの折戸弘一氏(マーケティング局マーケティングディレクター)は、「おりとん」のニックネームで参加する。

AQUA SOCIAL FES!!2012(アクアフェス)のレポートに戻ろう。

沢内銀河高原ホテルの入り口にちょこんと止っているAQUAを横目に、1日の活動のオリエンテーションが始まった。

まず、フェスの柱(または土台)となる3人からの挨拶があった。全体の監修的な立場でアクアフェスをオーガナイズするのが、「流域思考」を展開する岸由二・慶應義塾大学教授と、一般社団法人Think the Earthの理事、上田壮一氏だ。そして、トヨタからは、トヨタマーケティングジャパン(MJ)の折戸弘一氏(マーケティング局マーケティングディレクター)が参加する。

そして、和賀川のプログラムを現場で支えるのが、いわて流域ネットワーキングの代表で、岩手県の環境アドバイザーの内田尚宏氏だ。岩手県の環境審議会の委員でもあり、流域と環境の保全に関するさまざまな活動を推進している。

午前中2時間かけて雪に包まれた「星めぐりの森」を歩く。そこで早春の植物の観察や動物の足あとや雪の断面を観察するという。

かんじき説明

地元NPOのメンバーから植物や動物の足跡、かんじきの説明がある。

「植物の観察って、全部雪まみれなんですけど…」と、心のなかでぼやいているうちに「雪のなかでもさまざまな植物の芽が見えます。冬芽(とうが)といって…」と説明が続く。樹木の芽はみんな同じに見えるが、近くでみるとかたちが違うとのこと。イラスト入りの資料が配られて「芽鱗(がりん)」や「裸芽(らが)」といった説明を聞きながら、「素人に見てわかるのだろうか」とも思う。

そして、動物の足跡の説明に続いていよいよ“かんじき”の説明に。かんじきとは、雪上や氷上での走破性を高めるために、靴・わらじなどの下から着用する日本の伝統的なはきもののこと。これを着用すると積もった雪にズボッともぐらずに歩行できるという。しかし、竹でつくられた楕円形の輪にひもがついているだけだ。

「かんじき」初体験

お隣の秋田県から参加したAQUAオーナーの参加者。東京生まれで「かんじき」初体験

本当にこれだけで1メートルも積もった雪の上を歩けるのだろうか。参加者は地元の方が多いはずだが、若い世代はかんじき初体験の人も多いようで、NPOの方につけ方を教えてもらうがうまくつけられない。

AQUAの生産地からスタートするのは、ストーリーとしては確かにドラマチックだが、雪のなかでのフェスは本当にうまくいくのだろうか。

『ソーシャルがわからない企業に明日はない(3)』に続く。


【連載】

人間会議2011年冬号
『環境会議2012年春号』
エネルギー問題や自然環境保護など、環境問題への対策や社会貢献活動は、いまや広告・広報、ステークホルダー・コミュニケーションに欠かせないものとなっています。そこで、宣伝会議では、社会環境や地球環境など、外部との関わり方を考える『環境会議』と組織の啓蒙や、人の生き方など、内部と向き合う『人間会議』を両輪に、企業のCSRコミュニケーションに欠かせない情報をお届けします。 発行:年4回(3月、6月、9月、12月の5日発売)

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