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コラム

マーケティングからイノベーションを起こすために

経営目線でリスティング広告を考える~広告効果の優劣を決めるのは何か?

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リスティング広告の成功の鍵は何か?

広告費も伸長しており、その重要性も認識されているリスティング広告ですが、ひとたび取り組みをはじめると、その奥深さと、運用作業の煩雑さを嘆く担当者も多いのではないでしょうか。

例えば、人材紹介業の広告であれば、「転職」というキーワードに「希望職種」や「地域」を掛け合わせて検索が行われますので、企業が登録するキーワード数は数十万単位になります。人材、不動産、旅行、ネット通販などの企業では、購入するキーワードは多いところでは百万キーワードを超える企業もあると言われています。こうした企業では、年間数億から数十億の予算を投じていますが、それだけの費用を使っても、最適な体制を組めているのはごくわずかの企業と言われています。

リスティング広告で成果を上げるためには、リスティング広告の購買体制も大事ですが、合わせて社内の周辺業務を効率化する必要があります。ニーズや心理状態が異なる消費者に対して、どのようなアプローチ方法やメッセージが効果的なのか、改善していくべきポイントは下記の図の通りです。参考にしてみてください。

リスティングを強化するためのポイント

リスティング業務を、外注するか、内製化するか。

どうすれば効果を出せるかが分かったとしても、キーワードの選別や管理に人と時間をあてがうことは、事業会社にとって大きな負担となり事業課題となっています。一方、支援する広告会社にとっても、一定の品質で業務を行うためには、人件費が大きな負担です。そうしたことから、リスティング広告の収益性の低さは業界の問題になっています。簡単に言ってしまうと、本音は儲からないし、割に合わないのです。

米国のマーケッターへ質問しました。

リスティング業務をコア業務と考え自社ですべてをまかなうべきか、専門的な知見を持つ広告会社に外注したほうがよいか、経営者はただ現場や広告会社に任せるのではなく、積極的な関与と判断が求められています。

経営目線で考える

リスティング広告効率化のための判断ポイント

効率化するための判断には、「業務工数の見立て」をする必要があります。見立てがあれば、自社で何名の社員や契約社員が必要なのか見積ることができます。また、広告会社に外注する場合にも、いきなり相談してしまわずに、自社で業務工数を予測することが大切です。自分たちで一定の工数見積もりができるようになれば、リスティング予算と取引マージン率を踏まえ、どの程度の条件が妥当か、逆に提示することが可能です。広告会社もビジネスですから、一定の利益が確保できないと、体制を維持し運用することは困難です。受注時だけ頼もしくて、あとは手抜きをしないと儲からない、こうした取引では、よい関係が築けず、自社にとっても広告会社にとっても不幸になるだけです。注意しましょう。

広告に限ったことではありませんが、継続して一つのパートナーと取引をしていると、いい意味でも悪い意味でも、お互い馴れ合いになってしまうこともあります。ブラックボックス化しやすい業務については、業務設計の見直しもかねて、第三者に客観的な視点で業務診断を依頼している企業もあります。企業にとっては、新しい知見も得られますし、多くのケースで成果の改善が見られています。

ネット広告の大部分を占めるリスティング広告。まかせっきりにしたり、なんとなく運用する、ということでは大きな成果は期待できません。

まとめ~「運用を制する者はデジタル広告を制す。」

外注であっても、内製化であっても、効率的な運用するためには、よいチームを作ることが最も重要です。今後、多くのデジタル広告は細かな設定を必要とし、運用することが必要不可欠となります。今後、デジタル広告の効果優劣は運用によって決まるようになるでしょう。運用を制するものはデジタル広告を制す。運用も、競合優位や差別化のポイントになることをお忘れなく。

<用語解説>
リスティング広告費内訳
PC2,194億円、モバイル463億円(2011年電通調べ)

AIDMA理論
マーケティングにおける消費行動のプロセス。消費者がある商品を知って購入に至るまでの段階。
Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(購買)

AISAS
インターネットが登場してからのマーケティングにおける消費行動のプロセス。
Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(購買)→Share(情報共有)

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