「ねらい通りの制作物が上がってこない」のはなぜか?

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この記事は、「編集物ディレクション基礎講座」の開講に合わせて掲載します。講師の一人、志賀隆生氏は、書籍、雑誌、広報誌、フリーペーパー、パンフレット、ホームページの企画・編集・制作を手がけており、本講座では「冊子編集の基礎知識」や「デザイナーをディレクションする上で必要なスキル」などをテーマに講義を行います。

志賀隆生(オブスキュアインク 代表取締役)

企業のための編集物ディレクション基礎講座の目指すもの

志賀隆生 氏(オブスキュアインク 代表取締役)

社内報や広報誌、情報誌、会社案内、カタログなどの担当を突然任命されて戸惑っている方、あるいはずっと担当しているのだけれど、どうも思い通りのものができない、効果が上がっている気配がないと悩んでいる方。本講座ではそうした方々のために、冊子づくりの基本から、より効果の上がる冊子づくりまで、さまざまな編集制作のセオリーを紹介する基礎講座です。

基本から応用まで、何事にもセオリーがあります。そうしたセオリーを修得すれば、制作の効率も上がり、効果や反響も期待できる制作物を作成できるようになります。本講座はこれまでのさまざまな企業制作物を編集制作した経験、ノウハウを皆さんにわかりやすく、すぐに応用可能なかたちでお伝えしたいと思います。

最初にやらなければならないこと

企業制作物に限らず、雑誌や広告、書籍、ポスターに至るまで、まず最初にやらなければならないことがあります。それは、目的の明確化とターゲットの明確化です。

なんだ当たり前のことじゃないかと思われるかも知れませんが、私のこれまでの経験では、これができていない担当の方が多い。とくに、ターゲットの明確化です。目的はだいたいはっきりしている場合が多いのですが(それでも長期化やルーチン化してくると不明確になる場合も多く見られます)、ターゲットが絞られていないケースが多々見られます。ターゲットは、明確化することはもちろん、絞れば絞るほど制作物の内容が鮮明になり制作側の思いが伝わるようになります。

非常に成功した雑誌の編集長は、想定読者をひとりに絞り、その人の仕事、生活、趣味嗜好、行動パターンを鮮明化して企画を考えたと言っています。企業制作物をそこまで鮮明化する必要はないかも知れませんが、それでもこの考え方は有効です。

次ページ 「デザイナーや制作スタッフに何を伝えるか」に続く(2/3)

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