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インタラクティブってなんだ?

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この記事は、「インタラクティブクリエイティブマスターコース」【5月28日(水)開講決定】の開講に合わせ、掲載します。

富永 幸宏(エイド・ディーシーシー 代表取締役CEO エクゼクティブプロデュサー)

実はエイド・ディーシーシー(AID-DCC Inc.)の会社名には、“インタラクティブ”という語が入っている。もとは“Agency for Interactive Direction – Digital Communication Company” と書き、それぞれの頭文字を取って“AID-DCC Inc.”とした。今ではこの隠された意味を社員でもほとんど知る者がない、とてもマイナーな当社のトリビアだ。僕は会社を設立した15年前からすでに「インタラクティブ・ディレクション」を主業とした会社づくりを目指していたというわけだ。

ご存知かもしれないがI.C.E(Interactive Communication Experts)にも同様に、”インタラクティブ”の語が入っている。

そんな事も踏まえて、インタラクティブという言葉を今一度考察しながら、今後の可能性について考えてみた。
 
まずインタラクティブの意味について、説明するまでもないだろうが一応、辞書を引くと「相互に作用する」とか「対話」と出てくる。

僕たちの仕事的にいうと、一方的なメッセージを伝えるだけではなく、ユーザーと相互にやり取りしながらコミュニケーションをとる方法をインタラクティブという。

今では当たり前のように使っているが、僕が会社を作った当時はインタラクティブという言葉はあったものの、広告なんて全くインタラクティブではなかったし、まだまだ一方通行で押し付け的だった。それを大きく変えたのがデジタルだ。情報を発信する時点でユーザーにアクションを起こさせることができる、このレスポンスを具体的な購買へとつないで行く、こうしたインタラクティブ広告が容易になったのはデジタルならではである。

デジタルテクノロジーが進化すれば、インタラクティブ広告にできることも広がるし、深度も深くなる。日進月歩で技術が進歩し、それらをうまく組み合わせる事で新しいインタラクティブのかたちが始まり、進化していく。組み合わせ次第で新しいものが生まれるのはまるで音楽のようだ。しかも組み合わせのバリエーションにさらに新しい技術が加わるのだから、可能性が広がる余地はまだまだある、いや無限とも言える。

またインタラクティブ広告を考えるにあたり、テクノロジーにストラテジーを加えたデジタルマーケティングはとても重要な要素となる。単に、ユーザーと相互にやり取りしながらコミュニケーションをとるだけではなく、タッチポイントを整理して適切なタイミングで効果的にインタラクティブを発生させる事が大切だ。ストラテジックな考え方とテクノロジーの相乗効果で、インタラクティブ広告はもっと面白くなる。

しかし、テクノロジーやテクニックを駆使しているだけではコミュニケーションは完結しないと僕は思う。あくまでも、それらは手段であるべきだ。

「伝える」、「届ける」、「動かす」、目的は様々でも、いつの時代もつまるところはリアルコミュニケーションが一番人の心を動かす。それは、コミュニケーションが人と人との間のことで、そもそも人間はデジタルではないからだ。それを忘れてしまっては、どこか足りないものになってしまうだろう。

着地点をリアルコミュニケーションに置き、人の心に響くインタラクティブを探求していきたい。


富永 幸宏
エイド・ディーシーシー 代表取締役CEO エクゼクティブプロデュサー

京都出身。アパレル系専門商社時代にマーケティング、ブランディングの基礎を学ぶ。退社後の2000年、メディアとしてのウェブの可能性に着目、これに特化したプロダクション、エイド・ディーシーシーを創業。2012年、国内の主要ウェブプロダクション9社と協同して業界団体「I.C.E」を設立、初代代表理事に任命される。当団体では自社のみならず業界全体の地位向上と人材育成を目指す。目下シンガポール、ベトナムに新たな拠点を置き、AID-DCCとしてジャパン・クリエイティブをもってより大きくより多様なアジア地域市場に挑戦しようとしている。


【インタラクティブクリエイティブマスターコース】特別連載
第1回 「宮崎駿監督の引退会見にみる、心を動かすコミュニケーションの変化とは」
 ――澤邊 芳明(ワン・トゥー・テン・デザイン社長)
第2回 「インタラクティブなクリエイティブの企画の出し方のヒント」
 ――木下 謙一(ラナエクストラクティブ 代表取締役CEO/クリエイティブディレクター)
第3回 「Co−Creative = 協調型プロジェクトのすすめ」
 ――阿部 淳也一(ワンパク代表取締役 クリエイティブディレクター)
第4回 「音楽から考える、理想のクリエイティブ・チーム」
 ――村田 健一(ソニックジャム 代表取締役 チーフプロデューサー)
第5回 「インタラクティブクリエイティブにおける裏の最新技術」
 ――遠崎 寿義(ザ・ストリッパーズ 代表取締役社長/クリエイティブ・ディレクター)
第6回 「朝起きてまず、することは?ーテクノロジーが生活の一部となった消費者にいかに情報を届けるか」
 ――築地 Roy 良氏(BIRDMAN 代表)
第7回 「クリエイター総マーケター時代に生きる僕らのマーケティング」
 ――小池 博史(イメージソース 代表取締役)
第8回 「クライアントから言われるまま、受け身の姿勢で制作していませんか?」
 ――北村 健(株式会社ベースメントファクトリープロダクション 代表取締役/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)
第9回 「インタラクティブってなんだ?」
 ――富永 幸宏(エイド・ディーシーシー 代表取締役CEO エクゼクティブプロデュサー)こちらの記事です

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