【カンヌ受賞作品詳細】クリエイティブ・エフェクティブネス部門

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2011年に設置され、ブランドの価値向上や商品の販売への貢献度を評価する「クリエイティブ・エフェクティブネス部門」。

昨年の受賞作品、およびショートリスト入賞作品(部門は問わない)の中から、数値的に優れた成果を挙げた作品が選ばれる同賞のグランプリに輝いたのは、オーストリア ヴァージニア州の鉄道会社「V/LINE」による、若者の里帰りを促すキャンペーン「GUILT TRIPS」だった。

ショートリストには12作品が選出され、日本からの入賞・受賞はなかった。

<グランプリ>

V/LINE「GUILT TRIPS」

(McCANN MELBOURNE/オーストラリア)

オーストラリアの地方都市が抱える悩み、それは若者が地元を去り、戻ってこなくなってしまうことだ。

その課題を解決するためにオーストラリア ヴィクトリア州の鉄道会社 V/LINEが発売したのがWebチケット「GUILT TRIPS」。田舎の両親や友人から、都市部に出て行った若者にこのチケットを贈ってもらい、帰省を促そうというものだが、このチケット、ただのチケットではない。チケットと共に、相手が罪悪感を感じるようなメッセージを贈ることができる。

キャンペーン名にもあるように、「帰省できていない」という若者たちの罪悪感を利用した施策だ。

オンライン動画やローカルメディア、「Guilt Trip」ハンドブックで効果的に罪悪感を感じさせるための方法をレクチャーしたほか、
「ジョアンさんのところの息子は、昨日帰ってきたって。なんていい息子なんだろう」
「気を悪くしないでね、私たちはただ家族写真を撮ろうとしてるだけ。あなたはいないんだけどね」
といった、罪悪感を喚起するようなメッセージを載せた広告も展開した。

キャンペーンの結果、オフピーク時のチケット売上は目標の5%増を大きく上回る12%増を達成。

また全体では、目標に対し167%の400万ドルの増益を実現したほか、帰省向けチケットに関するコールセンターへの問い合わせも、目標としていた10%増を上回る28%増となった。

さらに、V/LINEの従業員に対しては「自分たちはただ電車を運転しているだけではなく、家族のもとに愛する我が子を送り届ける手伝いをしているのだ」という意識を醸成することにも成功したという。

手がけたのはマッキャン メルボルン。同社は昨年、メルボルン鉄道のキャンペーン「Dumb Ways to Die」で5つのグランプリを獲得した。

≫次ページ 「ほか受賞作品」に続く

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