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キーワードは「賢い消費」?今なぜ主婦雑誌が創刊されるのか

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主婦向けの新たな月刊誌が相次いで誕生した。主婦と生活社が発行する『CHANTO(チャント)』、学研パブリッシングの『aene(アイーネ)』。どちらも30代前後の主婦層をターゲットとしている。

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雑誌の売れ行き自体が決して好調とは言えない今、なぜ創刊が相次いでいるのか。この背景を読み解くには、変わりつつある主婦の消費のあり方にヒントがあるようだ。主婦の生活社から6月4日に創刊された『CHANTO』は、今年5月、休刊した主婦雑誌『すてきな奥さん』の後続誌として生まれた。

「『すてきな奥さん』というタイトルからも分かるように、1990年の創刊当時は結婚したら女性は家に入るのが一般的だった時代。時間はかかっても賢く節約するための情報が求められていました。しかし、今や共働きが当たり前。今時の主婦のニーズに応えるには、アプローチを変えなければならないと気づきました」と、山岡朝子編集長は解説する。

そこで、『CAHNTO』では、働く主婦をターゲットに、コンセプトをチェンジ。多少お金がかかっても、お助けグッズを賢く活用して、家事に割く時間を短縮するノウハウを紹介している。例えば、創刊号では、段取り上手な主婦を「ダンドリーナ」と命名し、この主婦たちがどのようなテクニックを駆使しているかを紹介している。

また、雑誌をゆっくり読む時間がない忙しい主婦向けに、レイアウトにも一工夫。これまでは「お得感」を出すため、レシピなどをたくさん掲載していたが、本当におすすめのものだけを厳選して掲載するようにしているという。

山岡編集長は「女性の社会進出が進む一方、まだ夫婦の家事分担が欧米並みに進んでいるとは言えません。段取り良く家事をし、浮いた時間を自分の時間にあて、生活を豊かにするお手伝いをするのが目標です」と意気込む。

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また、学研が5月28日に創刊した主婦向けの買い物情報誌『aene』も、女性の消費の変化を背景に誕生した。20代後半から30代前半の主婦をターゲットに設定し、雑誌、ウェブ、実際の店舗を連動させた「体験型複合メディア」をうたい、複数のチャネルから商品の魅力を伝え物販につなげる。誌面では、ランキング形式や実際の使用体験比較で商品の特性を解説。ウェブでは、動画で商品を紹介し誌面を補完するほか、ブログ会員約7000人、一般会員約3万人による口コミも紹介。

また、イオンモール幕張新都心(千葉県)にリアル店舗を常設し、誌面やウェブと連動した商品展示やサンプリング、イベントなどを開催する。岩見奈津代編集長は「家族消費のほとんどを担うママは、家族のバイヤーのような存在。

一方、アラサーはロストジェネレーション世代といわれ、商品選びにシビアで、ただおしゃれなだけではモノを買いません。あふれる情報の中から商品を選ぶため、リアリティのある口コミや体験からモノを判断したいと思っています」と強調する。どちらの雑誌からも単なる「節約志向」ではなく、賢くモノを選んで消費し、生活をより豊かにしたいという、主婦の欲求の変化が垣間見える。

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