「共創」による価値づくりで、価格競争・同質化を抜け出すには?  ~楽天EXPO2015レポート(前編)

share

7月31日、東京にて開催された「楽天EXPO2015」。Eコマース経営に関するさまざまなフォーラムやワークショップが開催されるなか、仲山進也氏(楽天大学学長)による「共創価値をつくり出す」ためのプログラムが盛況となった。氏の新著である『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか』に基づく講演のレポートを、2回に渡ってお送りする。1回目は「考え方編」。「クラウドファンディングで負けなしの猫カフェ」と「アフリカに学校を建てたスイーツ店」の事例から、共創の極意を探っていく。

売れているモノはすぐ真似されて、価格競争の消耗戦になる

仲山進也氏(楽天大学学長)

楽天市場に出店しているある社長さんのFacebookを見ていたらこんな言葉がありました。「低レベルのコピー屋がネットのランキングで暴れていておもしろくない」。つまり、自店のオリジナル商品と似ている劣化版の商品を、自店よりも安く売っているお店があって、そこが自分よりもランキング上位にいて腹が立っている、という話です。オリジナルの商品を育てていって人気になっても、すぐに模倣されて他店が模倣品を売り出してしまう。そして結局はどっちが安いかの価格競争に陥ってしまう、ということが至るところで起こっています。

この模倣競争や価格競争のスパイラルを抜け出すためにはどうしたらいいのかについて、最初に会計士の田中靖浩さんの新刊を紹介させてください。田中さんは著書の中で「値下げ地獄、つまりレッドオーシャンに陥りやすい『DOG』がある」といいます。このDOGというのはDigital(デジタル)、Online(オンライン)、Global(グローバル)の頭文字です。この3つにあてはまる会社は、みな青息吐息でやっていると。そのレッドDOGと対になるのが、ブルーオーシャンで楽しそうに仕事をしている「CAT」。CATの内容は本に譲りますが、このレッドDOGとブルーCATは私の考える「競争体質と共創体質」という話と符号する内容です。

さて、今日のテーマは、「『選ばれる理由』や『独自の価値』とは何か?」です。その切り口として最近話題になっている「価値の共創」というキーワードがあります。強みが異なる会社とのコラボレーションで独自の価値を生み出す、というのは福音のように聞こえますが、これをうまくできている会社は意外と多くないようです。そこで、なぜうまくいかないのかを考えていきます。

次ページ 「あるイベントスタッフ募集の、非常識な報酬はいくらだったか?」へ続く


新刊『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか
13のコラボ事例に学ぶ「共創価値のつくり方」 』発売中!

Amazon詳細はこちら

Follow Us