購買意欲がわいた瞬間をすくいとる、注文までの最短距離

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「その衝動にポチッとネット予約。」このキャッチフレーズは、ヘアサロンなどの検索・予約ができる「ホットペッパービューティー」がキャンペーンで打ち出したもの。「髪を切りたい」「ネイルしたい」そう思い立ったら、予約ボタンをポチッ。来店直前の予約も可能だという。

衝動から注文までの距離。これは販促担当者が、今一度見直しておきたいポイントだ。スキマ時間にネット注文し、即日自宅に届けてもらうような環境に、消費者が慣れつつあるからだ。購買意欲がわいたときに、素早く注文や決済ができるならば、「今すぐ買えるし最安値でなくてもいいか」「注文が楽ならまたここ買おう」という心理も働きやすい。

今年米アマゾンは、「ダッシュボタン」という小さなデバイスを開発し話題を呼んだ。ボタンが一つ付いており、トイレットペーパーや洗剤など定期的に補充が必要な特定の日用品を、ボタンを押すことで簡単に注文できる。キッチンや冷蔵庫などに設置することを想定しており、なくなりかけているのに気づいた瞬間、注文を終わらせてしまう。衝動から注文までの距離を極限まで縮め「比較検討」のプロセスを省いている。

またAmazon.co.jpでは11月、商 品 を1時間以内に届ける会員向けサービスを開始した。「今すぐ欲しい」の衝動をかなえるこのサービスは、1回あたり2500円以上の注文なら商品1個からでも利用できる。対象エリアは都内の一部からで、順次広げていく予定だという。

「衝動」から「注文」の距離を縮めるのは、決してデジタル領域ばかりではない。古くからある「御用聞き」も手法の一つだ。「そろそろ醤油が切れそう…」といったタイミングで、注文を取りに来てくれれば、「ちょうどよかった、買い足しておこう」と購買につながる。15年4月、ローソンと佐川急便を傘下に持つSGホールディングスが宅配サービスで業務提携したが、宅配と御用聞きでの商品・サービス販売を掛け合わせていくこの領域は、これからどんな進化を遂げていくか注目したい。

買い逃しを減らすサイトやアプリを見ていて、気に入った商品があれば、自宅に配送だけでなく、店頭での取り置きが選べる。そんなサービスを提供する流れも出てきた。「この商品が気になる!」という購買意欲をすくいとりながらも、「実物を確認し試してから購入したい」という消費者の気持ちに寄り添ったサービスだ。ショップスタッフのブログから、配送や取り置きの動線をつくるなど、店舗発の魅力的なコンテンツと、便利な注文・受取方法を結びつけているケースもある。

忙しい消費者は「またの機会に買おう」と思っていたとしても、また来店してくれるとは限らない。「欲しい」と思った瞬間を逃さない工夫が売れ行きを左右する。

『販促会議』2016年1月号では、2015年のプロモーションを振り返り、販促アイデアに役立つエッセンスを抽出。キーワードとともに紹介している。


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