「すぐマネしたい」がカギ 江崎グリコ「PROJECT: シェアハピ」

イメージだけでは足りない もっと「人が動く」広告を

江崎グリコは2015年、主力ブランド「ポッキー」発売50年を迎え、主要5品を大幅にリニューアルした。購入率を高めるべく、同年9月から始めたキャンペーンが「PROJECT:シェアハピ」だ。

商品認知度ほぼ100%の「ポッキー」にとっての課題は、いかに手に取ってもらうか、その回数を増やすか、ということにある。「PROJECT:シェアハピ」も、この課題を解決するために実施した。

話題の火付け役は、キャンペーンのために結成されたユニット「THE Sharehappi」。ダンスボーカルグループ「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE(JSB)」から小林直己さん、登坂広臣さん、岩田剛典さんの3人を起用した。JSBは昨年の全国ツアーで観客動員数120万人を達成した、若年層を中心に不動の人気を誇るグループだ。

企画の要は、彼らがテレビCMやネット動画で披露する「シェアハピダンス」。両手の2本指を立てて胸の前で腕をクロスするポーズ、「シェアハピポーズ」から繰り出される印象的な振り付けだ。これを消費者にもマネしてもらおうというのだ。CMは15年9月1日からオンエア。最新CMは1月12日に放送開始した「シェアハピ・恋愛」編。

「広告を見た後にすぐマネしたくなる、やってみたくなる表現」と、江崎グリコ広告部の玉井博久氏は話す。「シェアハピポーズは、ポッキーの持ち方や、人への勧め方を具体的に、ユニークな見え方で伝えるためのもの。ポーズのマネから、実際に食べるという行為につなげたい」。

実際、「シェアハピダンス」の振り付けを紹介するネット動画は754万回超、CM「シェアハピダンス」編は374万回超と大きく露出した。

人気音楽グループ「三代目 J SoulBrothers from EXILE TRIBE」の3人を起用し、オリジナルユニット「THE Sharehappi」を結成。「まずポーズがあり、それに見合ったタレントを起用した。ダンスは当初考えていなかったが、ダンスにすればより表現が強くなるし、浸透を速められるという狙いもあって、彼らにお願いすることになった」(江崎グリコ 玉井博久氏)

「シェアハピダンス」の普及度を示す現象はもうひとつある。「The Sharehappi」が歌うCMソングが、音楽ダウンロードサービス「iTunes」で20日間連続1位の大ヒットを記録したのだ。CMや動画を見たファンなどから問い合わせが殺到し、発売となった。実際のライブでもCMソングが披露されると、5万人の観客が共に踊る光景が見られたという。

「人が動く広告、本当にそれで人が動くのか? 商品を買いたくなるか? という視点を最も大事にしている」と玉井氏は話す。

「極端な話、今回の広告には斬新さはない。歌に踊りに、とオーソドックスな手法と言われるかもしれないが、我々は『良い広告』をつくる競争をしているわけではない」

「昔はイメージでも買われたかもしれないが、現代は『いらないものは、いらない』という時代。そういうマインドの消費者が、1回触れてみたい、手に取ってみたいと思われる施策に、今後も力を注ぎたい」

江崎グリコの16年3月期第3四半期まで(15年4月1日~12月31日)の累計実績(連結)では、「ポッキーグループ」は前年同期比を上回るけん引役に。16年通期では「ポッキー」を含む国内チョコレートカテゴリーは、前年比7.9%増の売上高390億円を見込む。

2016年1月12日~2月14日にかけては、会話アプリ「LINE」を活用した施策を実施。主要コンビニでポッキーを購入したレシートを撮影して「ポッキー公式アカウント」に送ると、ポッキーのロゴを好きな文言に改名できるという企画だ。さらに抽選で、改名したポッキーの実物をプレゼントするキャンペーンも実施。「早くも1月末時点で成果が出た」(江崎グリコ 玉井氏)


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