日本広告審査機構(JARO)は5月13日、2015年度の広告審査に関する統計をまとめた。総受付件数は8272件(前年度8436件)で、前年度比98.1%だった。「苦情」は6001件(同6234件)、「照会」1667件(同1696件)、「広告以外」604件(同506件)で、「苦情」「照会」は若干減少した。
業種別の苦情件数をみると、前年に引き続き1位ではあるものの、「通信」の苦情件数が大きく減少したことがわかる。これは前年度に複数のスマートフォン用ゲームのテレビCMや携帯電話の広告で苦情が多く寄せられていたものが、2015年度に落ち着いたことによる。
また、増加で特に目立っているのが「相談業務」と「塾・教室・講座」だ。司法書士事務所の広告に対して、過払い金返還請求が時効になるかのように誤認させる表現や広告量が多いことに対する苦情や、ボディメイクジムのテレビCMに対して「痩身の前後を示す表現が大げさ」「電子音がうるさい」との苦情が多数寄せられたことなどによる。
リスティング広告・タレントSNSのスパムコメントに苦情も
JAROでは、広告の適正化に向けて、苦情対象となった広告主にその見解を発信している。見解の発信は「警告」「要望」「提言」の3段階に分かれており、2015年度は警告26件、要望4件、提言0件の計30件であった。なお、前年度は警告22件、要望6件、提言2件の計30件と同数だった。最も重い「警告」26件は近年で最多となっている。
媒体別では2011年度以降「インターネット」の1位が続いている。ネット上の事例としては、医療機関紹介サイトのリスティング広告の事例、女性タレントのSNSにおけるスパムコメントを苦情の発端とする事例、ブログ記事のアフィリエイト広告を発端とする事例などが存在する。
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