黒澤晃 Akira Kurosawa。
横浜生まれ。東京大学国史学科卒業。1978年、広告会社・博報堂に入社。コピーライター、コピーディレクターを経て、クリエイティブディレクターになり、数々のブランディング広告を実施。日経広告賞など、受賞多数。2003年から、クリエイティブマネージメントを手がけ、博報堂クリエイターの採用・発掘・育成を行う。2013年退社。黒澤事務所を設立。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。
どうやったらコピーライターになれますか?
答えは、名刺を持てば、今日からでもなれる、です。コピーライターに、資格はいりません。デザイナーのように美大などでの専門教育もいりません。資金もほぼいりません。こんなに誰でもなれる商売は滅多にないのです。でも、まぁ、そう簡単な話でもなさそうだとはお気づきのことと思います。
誰でもなれるが、めったになれないのは、なぜ?
コピーライターの主戦場は、広告コミュニケーションが多いのですが、その世界では、主人公は、商品やサービス、そして企業そのものです。広告制作者は、企業(クライアント)から依頼されて仕事をするわけです。そこには広告費というコストが企業側には発生します。広告費は、何十何百何千万、時には何億という金額がかかることもあります。
この金額に見合った仕事をする。それが、コピーライターふくめた広告制作者の使命になります。一回失敗した制作者やチームが、その企業から二度と依頼されないこともあるんですよ。100万お金をかけて50万くらいの効果しかあがらなければ、依頼したほうも落胆してしまいます。
つまり、「職業:コピーライター」は、投入された広告コストに見合った「結果」を具体的に見せないといけないのです。しかも、武器は「言葉」だけ。これは、なかなか厳しい世界です。経験や修行がいる世界でもあります。
発注主である企業は、理由もなく、コピーライターにコピーを発注することはありません。成功例を多く持っている、ある領域の専門度が高い、レベルの高い制作会社や組織に属している・・・など、「理由」が必要になります。「理由なき戦い」を、依頼企業がすることは100%ないのです。
私がいかにしてコピーライターになったか、も話しておきます。
私は、だいぶ昔に博報堂に入社しました。研修中に博報堂の広告作品をたくさん見せられましたが、制作職、とりわけコピーライターって魅力的だなぁ、と感じました。その頃は、まだコピーライターという職業は、市民権を得ていなくって、「コピーライターって、コピーをとる人?」とネタでなく、本当に思われていたものです(本当です)。そう、文案家と日本語で呼ばれてもいました。
コピーライターの魅力は、グラフィック広告のなかで、大きな文字でどんと言葉が置かれていて、それが広告全体の印象やインパクトをかなり左右していることでした。社会や消費者(まだ生活者という言葉はありませんでした)への「メッセージ」として映ったんですね。
コピーライター志望は多くて、新入社員の70%くらいが目指していました。研修中に各種テストがあって、数名に絞り込んでゆくんです。もう何度も何度も、アイデアを出したり、コピーを書いたり、発熱するくらい考えたり。早く決めてくれ!と心のなかで思ったり。
やっと、コピーライターをやれ、と言われ、職種名が入った名刺をもらった時、うれしかった記憶があります。コピーライターへの道は、博報堂内でも想像以上に狭き門でした。それは、ずっと変わることはないでしょう。
『これから、絶対、コピーライター』
博報堂で、長年にわたりクリエイティブ人材の、採用・発掘・育成に努めた著者が、門外不出であったコピーライターになるための方法を初公開。「コピーライターになる人は、特別な才能や、資格を持っている人?」。そんな多くの誤解を解きつつ、コピーライターのイキイキとした実像を明らかにします。コピーのツボを、例題を解きながら教えてくれる「ツボ伝ツイート」も。就職者、転職者、必読のコピーライター入門、決定版。
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