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アドエイジ誌が称賛した、スモールエージェンシーのビッグアイデア

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国際広告賞の“受賞レース”では大手エージェンシーネットワークの広告・キャンペーンに目が向きがちだ。しかし、広告をビジネス上の成果につなげ、クライアントからの信頼を集めているのは、大手広告会社ばかりではない。米アドエイジ誌が発表した「Small Agency Awards 2016」の結果から、中小規模のエージェンシーが手がけた秀逸な広告事例に注目する。

【1】エージェンシー・オブ・ザ・イヤー ゴールド
競合コンペに「NO!」広告界内外に呼びかける
Zulu Alpha Kilo

従業員150人以下の独立系エージェンシーと、彼らが手がけた広告・キャンペーンを対象に表彰が行われる、アドエイジ誌の「Small Agency Awards」。優れたエージェンシーに贈られる「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」のゴールドに選出されたのは、カナダのトロントに本拠地を置くクリエイティブエージェンシー Zulu Alpha Kiloだ。米国以外の企業がトップに選ばれるのは初めてのことだという。

2008年にクリエイティブディレクターのザック・ムローによって設立された同社。従業員(フルタイム)は85人で全員がクリエイティブグループに所属しており、主なクライアントには、アウディ・カナダやベル・カナダなどが名を連ねる。

近年の同社の仕事で特に注目を集めたのが、2015年11月に公開した動画「Spec | #saynotospec(スペックワークに「NO」を!)」だ。いわゆる“スペックワーク(タダ働きの可能性が濃厚な仕事。広告やデザイン業界における競合コンペを指して使われることが多い)”を批判する内容で、Zulu Alpha Kiloのポリシーを示した動画と言ってもいいだろう。

主人公の男性が、建築家や料理人、バリスタ、パーソナルトレーナーといったさまざまな分野のプロフェッショナルを訪ね、「お金はないんだけど…」と“タダ働き”を要求するものの、ことごとく玉砕。加えて、顧客の獲得の仕方など、プロフェッショナルたちの仕事観にも触れる内容となっている。

「新しい仕事を獲得するために、(骨折り損になる可能性のある)競合コンペが果たして最善のプロセスなのか?」と問題提起し、「エージェンシーとクライアントをマッチングするには、他にもっと良い方法があるはずだ」と広告界に向けて呼びかけた。

同社は、コカ・コーラ社のアカウントを獲得した6年ほど前から、スペックワークを一切行わなくなったことで知られている(※コカ・コーラ社との契約は2014年に解消している)。

これに業界内外の多くのプロフェッショナルが反応、SNS上でハッシュタグ「#SayNoToSpec」を付けた投稿をして、賛同を示している。動画は、YouTubeとFacebook上で、合わせて再生回数300万回を突破している。

【2】エージェンシー・オブ・ザ・イヤー シルバー
メンバーにはロボティクスなど理系の専門家も!
Deeplocal

DeeplocalがNetflixと共同で発表した「The Netflix Switch」。

自らを「イノベーションスタジオ」と称するDeeplocalの活動は「広告」の範疇を超えており、いくつものブランドのマーケティングや商品開発に携わっている。従業員は35人。デザイン、クリエイティブ、ロボティクス、エンジニアリング、ストラテジー、マーケティングなど多岐にわたる領域の専門人材で構成される。

2015年9月にNetfliixと共同で、快適な環境で映画やドラマを観るための装置「The Netflix Switch」(ボタンを押すだけで、Netflixを起動し、デリバリーサービスを注文し、部屋の照明を落とし、スマートフォンの電源をオフにできる優れものだが、販売はしていない)を設計した。

次ページ 「【3】キャンペーン・オブ・ザ・イヤー デジタル部門 ゴールド」へ続く

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