【1】エージェンシー・オブ・ザ・イヤー ゴールド
競合コンペに「NO!」広告界内外に呼びかける
Zulu Alpha Kilo
従業員150人以下の独立系エージェンシーと、彼らが手がけた広告・キャンペーンを対象に表彰が行われる、アドエイジ誌の「Small Agency Awards」。優れたエージェンシーに贈られる「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」のゴールドに選出されたのは、カナダのトロントに本拠地を置くクリエイティブエージェンシー Zulu Alpha Kiloだ。米国以外の企業がトップに選ばれるのは初めてのことだという。
2008年にクリエイティブディレクターのザック・ムローによって設立された同社。従業員(フルタイム)は85人で全員がクリエイティブグループに所属しており、主なクライアントには、アウディ・カナダやベル・カナダなどが名を連ねる。
近年の同社の仕事で特に注目を集めたのが、2015年11月に公開した動画「Spec | #saynotospec(スペックワークに「NO」を!)」だ。いわゆる“スペックワーク(タダ働きの可能性が濃厚な仕事。広告やデザイン業界における競合コンペを指して使われることが多い)”を批判する内容で、Zulu Alpha Kiloのポリシーを示した動画と言ってもいいだろう。
主人公の男性が、建築家や料理人、バリスタ、パーソナルトレーナーといったさまざまな分野のプロフェッショナルを訪ね、「お金はないんだけど…」と“タダ働き”を要求するものの、ことごとく玉砕。加えて、顧客の獲得の仕方など、プロフェッショナルたちの仕事観にも触れる内容となっている。
「新しい仕事を獲得するために、(骨折り損になる可能性のある)競合コンペが果たして最善のプロセスなのか?」と問題提起し、「エージェンシーとクライアントをマッチングするには、他にもっと良い方法があるはずだ」と広告界に向けて呼びかけた。
同社は、コカ・コーラ社のアカウントを獲得した6年ほど前から、スペックワークを一切行わなくなったことで知られている(※コカ・コーラ社との契約は2014年に解消している)。
これに業界内外の多くのプロフェッショナルが反応、SNS上でハッシュタグ「#SayNoToSpec」を付けた投稿をして、賛同を示している。動画は、YouTubeとFacebook上で、合わせて再生回数300万回を突破している。
【2】エージェンシー・オブ・ザ・イヤー シルバー
メンバーにはロボティクスなど理系の専門家も!
Deeplocal
自らを「イノベーションスタジオ」と称するDeeplocalの活動は「広告」の範疇を超えており、いくつものブランドのマーケティングや商品開発に携わっている。従業員は35人。デザイン、クリエイティブ、ロボティクス、エンジニアリング、ストラテジー、マーケティングなど多岐にわたる領域の専門人材で構成される。
2015年9月にNetfliixと共同で、快適な環境で映画やドラマを観るための装置「The Netflix Switch」(ボタンを押すだけで、Netflixを起動し、デリバリーサービスを注文し、部屋の照明を落とし、スマートフォンの電源をオフにできる優れものだが、販売はしていない)を設計した。
新着CM
-
クリエイティブ
BOVAグランプリに「Let’s ギューリッシュ」 短尺・縦型増加で...
-
クリエイティブ
世の中を変えようと挑戦する起業家をヒーローに――2023ACC賞審査委員長が語る
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
AD
マーケティング
全社でCXを推進する三井住友海上火災保険 ヴァリューズと共に顧客理解を実現
-
クリエイティブ
「これでいいのか?」これからの広告(東畑幸多)コピー年鑑2023より
-
コラム
語り出すと止まらない!櫻坂46の魅力(遠山大輔)【後編】
-
販売促進
ファンタジー好きに訴求するグミ カンロ、空想の果実をイメージした新商品
-
AD
特集
OOHと生活者の交差点を考える
-
販売促進
横須賀市、メタバースで観光誘致 AIアバターの実証も開始