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2018年ワースト不祥事ランキング、1位は「日大アメフット問題」に — 月刊『広報会議』調べ

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月刊『広報会議』(株式会社宣伝会議発売、社会情報大学院大学出版部発行)は11月、2018年に発覚した企業・団体・個人の不祥事に関し、全国1000人の男女(20~60代)を対象に、「最もイメージダウンした出来事」についてアンケート調査を実施した。

2018年1月~10月に発覚した不祥事18事例(※)のうち、著しくイメージダウンした出来事を上位3例まで選択してもらったところ、1位は「日大アメフット部悪質タックル問題」(58.1%)に。

以下、「『はれのひ』成人式の日に突然の営業中止」(48.2%、2位)、「レスリング・伊調馨選手、栄和人氏をパワハラ告発」(22.6%、3位)、「文科省・東京医科大学の裏口入学と相次ぎ発覚した入試不正」(18.5%、4位)と続いた。
※調査対象とした18事例は、編集部が危機管理の専門家の監修のもと選定。

2018年は、2017年下半期に引き続いて「データ改ざん問題」が相次ぎ、「組織風土」や「コンプライアンス」が問われました。特に、その流れがスポーツ界にも波及したのが特徴です。日大アメフット問題やレスリングのパワハラ問題など、スポーツチームに古くからある組織構造や慣習に起因する不祥事が続き、世間からの厳しい目が向けられました。(参考➀へ)

10位までのランキング結果と、回答者が選択した理由については以下のとおり。

1位:日大アメフット部 悪質タックル問題(58.1%)

・大学の印象が悪くなり、新入生に不安感を与えた(27歳・男性)
・大学側が生徒を守ろうとしていなかった(21歳・女性)
・記者会見時の日大側広報担当の対応のまずさで決定的になった(42歳・男性)
・学生さんの誠実さを踏みにじっていて連日の報道は見ていて辛かった(38歳・女性)

2位:「はれのひ」成人式の日に突然の営業中止(48.2%)

・自分も今年が成人式なだけあってとても被害者に同情してしまった(21歳・男性)
・一生に一度の大切な日の当日になって全く連絡がつかないという悪質さ(30歳・男性)
・着物レンタル業界のイメージが一気に悪化。当日レンタルは、不安になる(29歳・女性)
・今どきのインターネットでの申し込みは危険がいっぱいで、やっぱり地元のしっかりした業者にしないといけないと思った(64歳・女性)

3位:レスリング・伊調馨選手、栄和人氏をパワハラ告発(22.6%)

・加害者と被害者の意見の食い違いに呆れた(21歳・男性)
・大学の女学長がふてぶてしく否定していた(34歳・男性)
・一連のスポーツ関連のパワハラ問題の端緒となった事件。権力を持った人間の醜さを強く感じた(62歳・男性)
・コーチや監督を長年やって、選手がオリンピックでメダルを取ると、権力者になってしまうんだなと思った(42歳・女性)

4位:文科省・東京医科大学の裏口入学と相次ぎ発覚した入試不正(18.5%)

・不正によって入学できた学生、入学が阻まれた学生の数の多さに、人の人生を権力者が簡単に書き換えてしまう怖さを感じた(42歳・男性)
・不正が発覚した後、被害者が全員納得できるような措置を取ったように思えない(22歳・女性)
・女性差別も甚だしい。ただでさえ女性は雇用の場で差別されてしまうことがあるのに、医師になるために勉強に励んでいる女子学生に失礼(33歳・女性)

5位:スルガ銀行がシェアハウスに不正融資発覚(17.5%)

・こんなブラックな企業は許せない(64歳・女性)
・オーナーが記者会見に出てこない(29歳・男性)
・客の口座の数字の画像データをいじったと報じられて驚き(27歳・女性)
・銀行不信になる大きな事件。融資関係は疑ってかからないといけないと思った(60歳・女性)

6位:日本ボクシング連盟、内部告発と助成金の流用問題(16.8%)

・多数の人からの証言があるにもかかわらず認めず謝罪もないという人格に問題を感じる(29歳・女性)
・1人の人間を長くトップの位置においていると組織が腐る、という良い例(57歳・男性)
・真相が解明されぬまま会長が辞任した(40歳・男性)

7位:SUBARU・日産・スズキなど自動車メーカーの品質不正(15.0%)

・品質を信じて車を購入する消費者は何を信じればいいのか?(54歳・女性)
・不正発覚後でさえ不正をしているという無神経さが凄い(38歳・男性)
・データの改ざんという消費者には分からない不正をした(41歳・男性)

8位:体操界におけるパワハラ告発問題(11.2%)

・コーチがビンタしている動画が公開されて衝撃(43歳・男性)
・真実がよく分からなかった(55歳・女性)
・この事件で協会側の圧力が公になってしまった。もっと選手を大切にすべきだと思う(37歳・女性)

9位:中央省庁や自治体の障害者雇用水増し問題(11.1%)

・指導する立場の行政が水増しするなんて考えられない。民間にばかり厳しいのではついていけない(44歳・男性)
・障害者をバカにした行為としか取れない。(51歳・男性)
・水増ししている事実をすぐに公表しないで調査中と言って公表を遅らせた対応(57歳・女性)

10位:財務省・福田事務次官セクハラで辞任(10.4%)

・録音テープで自身の声が聞こえているのに「知らない」というふてぶてしい態度に怒りがわく(64歳・女性)
・リアルに気持ち悪い。権力を使ってやりたい放題をしていると感じた(31歳・女性)
・財務省のいい加減な体質が改善しない。責任を取る動きがない(34歳・男性)
・被害者に対するバッシングも含めて、セクハラに対する男性の無理解さが分かったから(27歳・女性)

【参考➀:2018年にスポーツ界で発生した主な不祥事】
1月 カヌー・スプリント男子選手、禁止薬物混入事件
3月 レスリング伊調馨選手が栄和人氏をパワハラ告発
4月 バドミントン実業団元監督、賞金の私的流用が発覚
5月 日大アメフット部の悪質タックル問題
7月 日本ボクシング連盟、内部告発と助成金の流用問題
8月 全日本剣道連盟の金銭授受問題
バスケ日本代表選手の買春問題
体操界におけるパワハラ告発問題

<調査概要>
広報会議編集部「2018年に発覚した企業・個人の不祥事」に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ/対象:全国、20~69歳の男女(平成27年国勢調査による、エリア×性別×年代別の人口動態割付)/期間:2018年11月8日~9日/有効回答数:1000

当該号の目次はこちら

【巻頭特集】
企業・大学・スポーツ界 2018年の問題を総括
危機管理広報 2019

座談会 2018年の不祥事を総ざらい
不正の社内調査や自主公表が増加
危機管理広報は次なるステップへ
社会情報大学院大学
白井邦芳・鶴野充茂・北見幸一

2018年の問題1
スルガ銀行 シェアハウスに不正融資
営業ノルマの横行が引き金に
社風と企業ガバナンスの問題
植村修一(元日本銀行審議役)

2018年の問題2
日本大学アメフット部 悪質タックル問題
相次いだパワハラ告発
大学は「守備」の広報体制を
石渡嶺司(大学ジャーナリスト)

OPINION
不祥事発生時の記者会見で
質疑応答のループを避けるには
松林 薫(ジャーナリスト)

INTERVIEW
元ヤンキース広報・広岡 勲さんに聞く
過熱報道が続くスポーツ界の不祥事
広報は「現場力」と「質」が必要

OPINION
歴史に残る失敗事例から学ぶ
組織の危機管理広報の鉄則

CHECK POINT
2019年「ネット炎上」の備え方
法律だけでなくモラルも守る
炎上発生時は迅速な対応を
山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター講師)