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第21回亀倉雄策賞は、色部義昭氏の「Osaka Metro」CI計画に

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日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)による第21回亀倉雄策賞が、2月21日に発表となった。

年鑑『Graphic Design in Japan』応募作品の中から、年齢やキャリアを問わず、最も輝いている作品とその制作者に贈られる亀倉雄策賞。本年度は最終ノミネート22作品の中から、色部義昭氏(日本デザインセンター)の大阪市高速電気軌道・地下鉄のCI計画「Osaka Metro」が選出された。

受賞作品となった「Osaka Metro」のCIは、2018年4月、大阪市営地下鉄の民営化に伴い、新名称と共に使われるようになった。Metroの “M” の中にOsakaの “O” を内包する、立体的で動きのあるロゴタイプ。また、列車内や駅構内のスクリーンでは、地下鉄の動きに呼応するかのような挙動を見せるモーションロゴが展開されている。

「このCI計画は、対象が国際的な大都市を支えるインフラであることから、初めて訪れる人にも明快に機能する目印であることが求められた。一方で、一つの目印が街中に展開される量について想像し、都市の風景を形成する環境デザインの要件とも捉えることにした。角度を変えると大阪の頭文字 “O” になる立体的なロゴ “M” は、“Osaka” の “Metro” というテーマでしか実現し得ない、特殊な造形で応えたいという思いから生まれたアイデアである。

列車内や駅構内のスクリーンに流すためのモーションロゴを作ったのは、公共的なデザインに対して多くの説明が求められる時代にあって、できるだけ言葉を介さずにビジュアルのみでデザインをわかりやすく説いていく試みでもあった。その成果かどうかはっきりはわからないが、知りうる情報の限りにおいて、概ね好意的に受け入れていただけたと思っている。社会との接点を大きく感じ、手応えも感じられたプロジェクトだった」と、色部氏はコメントしている。
 
審査会では、「プライベートな作品、表現が多い中、公共性の高い仕事」、「堂々たるデザインであり、亀倉雄策賞に相応しい」と評された。受賞記念展として、4月4日から東京・クリエイションギャラリーG8にて、10月26日から新潟・新潟県立近代美術館 2Fギャラリーにて、第21回亀倉雄策賞受賞記念 色部義昭展「目印と矢印」が開催される。
 
なお、本年度の年鑑『Graphic Design in Japan』には約2050作品が出品され、厳正な選考の結果、約600作品が入選となった。JAGDA賞およびJAGDA新人賞については、3月上旬に発表予定。授賞式は、6月28日東京で開催される2019年度JAGDA通常総会にて実施される。

受賞作となる地下鉄のCI計画「Osaka Metro」

色部義昭

1974年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。日本デザインセンター取締役。同社内にて色部デザイン研究所を主宰。東京藝術大学非常勤講師。グラフィックデザインをベースに、平面から立体、空間、映像まで幅広くデザインを展開。近年の主な仕事に市原湖畔美術館や国立公園、須賀川市民交流センターtetteのブランディング、天理駅前広場Cofufunのサイン計画、Liquitexやnaturaglacéのパッケージデザインなどがある。

 



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