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2019年ワースト不祥事、1位は「ゆうちょ・かんぽの不適切販売」に — 月刊『広報会議』調べ

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ランキング結果など、特集を掲載している『広報会議』2020年1月号はこちらから

宣伝会議が発行する月刊『広報会議』は11月、2019年に発覚した企業・団体・個人の不祥事に関し、全国1000人の男女(20~60代)を対象に、「最もイメージダウンした出来事」についてアンケート調査を実施した。

2019年1月~10月に発覚した不祥事12事例(※)のうち、著しくイメージダウンした出来事を上位3例まで選択してもらったところ、1位は「かんぽ生命・ゆうちょ銀行で不適切販売が発覚」(48.7%)となった。

以下、「レオパレス21の建築基準法違反発覚」(38.5%、2位)、「吉本興業で相次ぐタレントの不祥事と事務所の対応」(37.3%、3位)と続いた。

(※)調査対象とした12事例は、編集部が危機管理の専門家の監修のもと選定。回答者は任意で3事例を選択した。

2018年はスポーツ、大学に関連する不祥事が目立ったが、2019年は大手企業の不正に関するニュースが相次ぎ、組織風土やコンプライアンスが問われる事態となっている。電子マネーやAIデータ、ネット上の口コミなどテクノロジーに起因する問題も目立った。知名度のあるタレントと所属事務所の問題も多く報道された。

10位までのランキング結果と、回答者が選択した理由については以下のとおり。

1位:かんぽ生命・ゆうちょ銀行で不適切販売が発覚(48.7%)

・高齢者の「郵便局は間違いない」という安心感を大きく裏切った(62歳・女性・和歌山県)
・成績のためにお客様をだますというコンプライアンスのない企業体質(53歳・男性・岡山県)
・中立な第三者による調査が速やかに行われず、調査も不十分(36歳・男性・兵庫県)
・上層部の関与が深くあったと思うが、6月の会見で見せた他人事のような話に憮然としている(67歳・女性・東京都)

2位:レオパレス21の建築基準法違反(38.5%)

・立て続けに不祥事が発覚したこと、詳細の説明が曖昧であったこと(23歳・女性・大阪府)
・賃貸物件を借りるのに不安になる(57歳・女性・兵庫県)
・トップダウンだったはずなのに知らない振りをした幹部の対応(46歳・女性・長崎県)
・騒音があるとは聞いていたが、安いから仕方ないかと思っていた。本当に手抜きだったとは(45歳・女性・山口県)

3位:吉本興業で相次ぐタレントの不祥事と事務所の対応(37.3%)

・不祥事発覚から吉本興業の説明までの時間が長すぎた(60歳・女性・神奈川県)
・タレントの会見が良くなかったと思う。内部で話し合えばいい内容だと思った(30歳・女性・北海道)
・長時間に及んだにもかかわらず、あまりにも歯切れの悪い会見だったから(55歳・女性・埼玉県)
・お互いの証言が異なっていて、会見もすぐに行われなかった(20歳・女性・熊本県)

4位:関西電力の幹部らが高浜町の元助役から金品受領(29.7%)

・あまりに高額な金品受領で、ただただ信じられなかった(26歳・女性・香川県)
・金品を受け取ったことが、通常の儀礼の範囲内であると思っていた感覚を疑う(43歳・男性・大阪府)
・結局、お金の出所は、電力料金からと思うと許せない(47歳・男性・北海道)
・経営陣が一貫して責任を否定し続け、辞任も遅すぎた(36歳・男性・兵庫県)

5位:セブン・ペイがセキュリティ問題で撤退発表(21.3%)

・2段階認証についてちゃんと説明できてなかったから(25歳・女性・岡山県)
・システム屋なら考えられないことをよくやっていたな、と驚いた(45歳・男性・北海道)
・そもそも一番大事なセキュリティの問題をないがしろにしていて、不勉強(60歳・女性・神奈川県)

6位:日産・ゴーン逮捕と西川廣人CEO解任(19.9%)

・再建に期待していたのに裏切られた(59歳・男性・東京都)
・大企業のトップが不正していたので信頼感がない(38歳・女性・三重県)
・現場の人たちは必死で頑張っているだろうに、経営陣は最悪だと思う(59歳・女性・山形県)

7位:食べログなどの口コミ評価問題、公取委が実態調査(6.2%)

・口コミ評価を金銭でコントロールできるなんて、信頼性に欠ける(34歳・女性・神奈川県)
・信用できるのか?と前から思っていたので、やっぱりなという感じ(51歳・女性・岐阜県)
・口コミサイトなのに口コミ評価が信頼できなくなった(46歳・男性・埼玉県)

8位:リクナビが「内定辞退予測」企業に販売(4.4%)

・就活生を人ではなくデータとして扱っており、誠意がまったく感じられず悪質(31歳・男性・埼玉県)
・若い人の将来を利益になることに転嫁して儲けようとするのは、人間として信じられない(60歳・男性・神奈川県)
・「できるから」といってやってはいけない行為(49歳・男性・三重県)

9位:「宅ふぁいる便」大規模な個人情報漏えいでサービス停止(3.8%)

・自分でも利用していたので、インパクトがあった(58歳・男性・新潟県)
・急にサービスが停止して送ったものがどうなっているのか不安(47歳・女性・愛知県)

10位:カネカ、元従業員妻がTwitterでパタハラ告発(2.1%)

・CMのイメージが良かったので驚いた。その後の発表なども、そっけない感じで冷たいなぁという印象(33歳・女性・東京都)
・育休後の不当な配置転換は本当にひどいと思うし、自分がそうなったら絶対に嫌だと思った(28歳・男性・和歌山県)

<調査概要>
広報会議編集部「2019年に発覚した企業・個人の不祥事」に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ/対象:全国、20~69歳の男女/期間:2019年11月7日~8日/有効回答数:1000/調査機関:クロス・マーケティング

当該号の目次はこちら

【巻頭特集】
企業不祥事の傾向と今、実践すべき対策
危機管理広報 2020

2019年の問題(1)
吉本興業で相次いだタレントの不祥事
広報の失敗が知らしめた「初期対応」の重要性
影山貴彦(同志社女子大学 学芸学部メディア創造学科 教授)

2019年の問題(2)
日産・ゴーン逮捕と西川CEO解任
「企業統治不全」というダメージ
日産再生へ社員は何をすべきか
井上久男(経済ジャーナリスト)

2019年の問題(3)
「内定辞退予測」企業に販売
リクナビ騒動以後の未来地図
「人手不足倒産」時代の採用広報
石渡嶺司(大学ジャーナリスト)

専門家が監修
クライシス発生時の対応チェックシート 最新版
佐々木政幸(アズソリューションズ 代表取締役社長)