「マーケターのチャレンジが、顧客の共感を生む」をテーマに、最前線で活躍する実務家が登壇し、議論を繰り広げた。また本フォーラムでは、企業のマーケティング活動を支援するパートナー企業によるプレゼンテーションも実施。本記事では、その一部講演についてレポートする。
アプリを活用したプロモーションで、ロイヤルカスタマーを育てる
累計300社以上の企業公式アプリを手掛けているヤプリ。同社のマーケティングスペシャリストである島袋氏が「2020を見据えたアプリ活用」と題する講演を行った。
現在、日本ではスマートフォン利用が60~70代でも当たり前になっていることから、プロモーション分野で特にアプリが大きく活用できると島袋氏は話す。「スマホアプリは、以前はゲームなど暇つぶしの要素が高かったが、現在では生活者とブランドをつなぐ大きな役割を果たしている」。2割のファンが8割の売上をつくるというパレートの法則からも、いかに継続利用してくれる熱狂的なファンをつくるかが重要となっているのだ。
ヤプリが手がけるロイヤルカスタマーとつながるためのアプリ事例として、味の素のアミノバイタルアプリが挙げられた。「ユーザーのライフスタイルに沿ってコンテンツを選べるほか、プッシュ配信もスタイルに沿って通知できます。このアプリがきっかけとなって継続購買を促進できたという事例です」と島袋氏。
また、お土産として有名な明太子メーカーふくやのアプリでは、明太子以外の商品の告知や催事情報のほか、同メーカーの商品を採用している飲食店を巡る企画などを通して、ファンづくりにつなげている。
「アプリは誰でも簡単に運用できて、月額費用のなかでバージョンアップも行うことができます。アプリを通して顧客との深いコミュニケーションを実現してください」。ヤプリでは、アプリのダウンロード施策から運用まで、カスタマーサクセスへと導くサポートもしっかりと行っていると島袋氏は話した。
お問い合わせ
株式会社ヤプリ
https://yapp.li/
医師が評価を行うプロモーション手法で健康訴求商品の差別化を実現
「マーケティング担当者必見!健康訴求に医師の推奨を」と題して、エムスリーのマーケティングプロデューサー 津田宗利氏が講演。
消費者の健康意識の高まりを受けて、健康訴求の商品が急増している。しかし、その中でどのように差別化をはかるかという課題が生まれている、津田氏は話す。こうした課題の解決につながるのが、同社が展開している「多数の医師が評価を行うプロモーション手法」だ。
「私たちが展開しているAskDoctors評価サービスは、100~1000人の医師に該当商品を4段階で評価してもらうことで、調査結果をプロモーションに活用できます」と津田氏。健康訴求の商品において他社と差別化する場合、本来なら機能訴求が一番効果的だが、広告上制限が大きい。表現可能なものでも特保など他社も訴求しているキーワードでは差別化が容易ではないケースも。そのような状況下にて、「AskDoctors評価サービス」は他社との差別化を可能にし、採用した87%の企業が、売上が伸びたと実感しているという。
津田氏は「エムスリーでは、AskDoctors以外にも、各クリニックでのサンプリングやパンフレットの配布、待合いスペースのディスプレイでの動画広告の掲載も可能」と話す。医師による商品信頼度の向上、付加価値による適正価格の向上、競合商品との差別化を生む医師と連携したプロモーション手法が、高齢化が進む市場のマーケティングに一石を投じている。
お問い合わせ
エムスリー株式会社「AskDoctors総研」
https://askdoctorslab.jp/
外国人の体験価値を向上させる、Webサイト・アプリの多言語化システム
訪日外国人が3,000万人、在留外国人が270万人を超えるなど、国内における外国人市場が成長しており、国際化需要を取り込むためには多言語対応が必須となっている。15,000以上のWebサイト・アプリの多言語化を支援してきたWOVNの副社長である上森久之氏は、「外国人の体験価値向上における課題とポイント」について講演を行った。
「日本は世界トップ5の移民大国であることはあまり知られていません。なかでも中国が多く、韓国やベトナム、ブラジル、フィリピンなど、英語圏以外の人が多く在留しています。その状況において多言語対応は欠かせないポイントです」と上森氏。インバウンド消費額と同じく、在留外国人の消費額も約5兆円と言われており、その人たちが快適に情報を得るためには多言語化が必須となる。
WOVNのプロダクトは、既存のサイトに後付けする形で導入ができ、開発コストや運用稼働を削減できる。また、グロッサリー(用語集)を使用した機械翻訳も行うことができ、ライブエディットでデザインを見ながら修正することもできる。「日本の労働人口が減少していくなかで、今後さらなる在留外国人の増加が想定されます。外国人の多言語体験をより最適化していくことが重要で、コーディングすることなく多言語対応を実現できることは大きな可能性を秘めています」と上森氏。
オリンピック・パラリンピックが開催され、多言語対応が必須となるであろう2020年、Webサイト・アプリの多言語化を実現するWOVNはさらに注目だ。
お問い合わせ
Wovn Technologies 株式会社
https://wovn.io/ja/
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