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学生の企画力・プレゼン力に企業の担当者も驚く。マーケティング企画コンテスト「マスナビチャレンジ2019」開催

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大学や専門学校に通う学生らが企業のマーケティング課題に挑む企画コンテスト「マスナビチャレンジ2019」の決勝大会が、2019年12月15日に東京都内で開かれた。主催は広告・Web・マスコミ業界をめざす学生のための就職支援サービス「マスナビ」を運営するマスメディアン。予選を勝ち抜いた10チーム、31人の学生がそれぞれ10分間のプレゼンテーションを行い、審査を経てその場でグランプリほか各賞が選ばれた。

決勝大会には10チーム、31人が参加した。前列中央はグランプリに選ばれたチーム「記憶王と家来たち」の3人

企業のマーケティング課題に学生が取り組む

マスナビチャレンジは、大学低学年時からのマーケティングへの興味喚起を目的としている。今回の課題は、「マイクロマーケット(大学、オフィス、病院などの市場)での飲料の新規事業」(課題提供:キリンビバレッジ/自動販売機)、「大学生専門学生がキリンレモンを手に取るきっかけとなるアイデア」(課題提供:キリンビバレッジ/キリンレモン)の2つ。審査はキリンビバレッジのマーケティング担当者のほか、コピーライターやブランディング支援会社のプランナーなどが務めた。

決勝大会での10チームによるプレゼン審査を経て頂点に立ったのは、一橋大学の学生によるチーム「記憶王と家来たち」(平田直也さん、藤本哲平さん、内山智義さん)。病院をマイクロマーケットとして着目し、遠方で入院する高齢の親へのお見舞いの代わりに、病院に設置した自販機を通じて飲料とメッセージ動画を届けるというアイデアだ。

病院マーケットに着目した企画にグランプリ

グランプリ:チーム「記憶王と家来たち」(課題:キリンビバレッジ/自動販売機)

遠く離れた土地で入院する親になかなかお見舞いに行けないというインサイトを発掘し、自販機を通じて飲み物とメッセージを贈ることでコミュニケーションの機会を提供しようという企画。病院を通じて新しい飲料ビジネスの開拓を提案した

課題ごとに選ばれる「協賛企業賞」は、キリンビバレッジ(自動販売機)がチーム「お邪魔だドレミ」(黒川遥香さん、児玉緋萌さん、菅野彩友さん、佐々木瑠菜さん、鳩原香苗さん)、キリンビバレッジ(キリンレモン)がチーム「Wednesday」(秋山朋世さん、川上美玖さん、齋籐真奈美さん)がそれぞれ受賞した。「審査員特別賞」は、チーム「腹筋6LDKかいっ!」(石渡章文さん、井上輝さん、水野淳さん)が選ばれた。

今回は131チームから計356人がエントリーした。課題提供企業によるオリエンテーションやマーケティングの基本についてレクチャーする3回のアカデミー開催を経て、11月上旬に課題を締め切り。1次審査を経て10チームに絞られた。学生らはさらに企画をブラッシュアップさせて決勝大会に挑んだ。

「マスナビ」は、マーケティング・クリエイティブに関心をもつ学生が利用する広告・Web・マスコミ専門の就職応援サービス。企業情報の掲載や業界研究セミナーを年間で約300回実施し、業界の就職に役立つ情報やイベントを提供している。

協賛企業賞:チーム「お邪魔だドレミ」
審査員特別賞:チーム「腹筋6LDKかいっ!」
協賛企業賞:チーム「Wednesday」

審査員からの総評は次の通り。

●実川勝己氏(キリンビバレッジ 自動販売機営業本部 イノベーション推進部部長)

実体験から発想したアイディアが多く、企画内容にリアリティがあるばかりでなく、プレゼンの演出も工夫していて、とても楽しく審査させていただきました。大学生のみなさんに期待することは、小さくまとまらないこと。粗削りのアイディアでも、「この企画でこんな関係を実現したい」という、想いを持ち続けることがたいせつ。そして、同じ想いをもつ仲間をたくさんつくることです。

決勝に進出した10組のチームは、どれも想いが詰まった企画ばかりで、感動しました。みなさんも、他のチームのプレゼンを聞いて、感じる部分が多くあったと思います。是非、この経験を忘れずに。またお会いできる機会を楽しみにしています。ありがとうございました。

●岡部慎一郎氏(キリンビバレッジ 自動販売機営業本部 イノベーション推進部 担当部長)

決勝大会に残らなかったチームも含めて、とても面白く質が高い内容が多く驚きました。また、まさに消費者としての大学生の皆さんが「飲料・自動販売機」をどのように捉えているかを知る機会が得られ、新規ビジネスを模索している我々としても大変貴重な機会でした。決勝大会では、みなさんチームワークが良く伝え方に工夫しながら楽しみながら取り組む姿勢は素晴らしいと思いました。

社会人になっても、企画を考えプレゼンする機会は多いと思います。そのときも、自分ひとりで頑張るのでなく仲間を見つけ助け合い、楽しみながら取り組むことが大切だと思います。この経験を忘れずチャレンジを続けてください。

●中尾真理氏(キリンビバレッジ 自動販売機営業本部 イノベーション推進部)

今回は2回目の参加でしたが、今年も皆さんのレベルには非常に驚かされました。世の中にどのようなインサイトがあるか仮説を持ちチームで議論できるのはとても貴重だと思うので、ぜひこの経験と思い出を大切にしてほしいです。また、全体的にレベルが高かったからこそ、なぜ選ばれなかったのかを悩むこともあるかと思いますが、ぜひ自分たちのチームいいところも振り返って自信をもって次に活かしてきてください。

●伊原綾乃氏(キリンビバレッジ マーケティング本部マーケティング部 ブランド担当ブランドマネージャー)

今回初めて参加させていただきましたが、学生の方々が発表される内容のレベルの高さに驚きました。特に今回、テーマ対象を大学生・専門学校生に設定させていただいたため、参加者の皆さん自身が共感できるインサイトを軸に具体に落とし込みをされ、全体として説得力とストーリー性のある内容にまとめられていたと思います。私自身も、世代の異なる皆さんの新しい視点や斬新なアイディアに触れることで初心を思い出し、良い刺激をいただきました。

懇親会ではご自身の将来に対して多く質問をいただきましたが、多くの可能性を秘めている皆さんにとって、マスナビチャレンジは素晴らしい経験になったに違いありません。今後いろいろなことにチャレンジし、失敗も成功も含め、たくさんの経験を積んでいってください。それが皆さんの希望される未来の糧になります。

●阿部広太郎氏(電通 コンテンツビジネス・デザイン・センター コピーライター/プロデューサー)

ひとつお願いがあります。プレゼンをしたこの日をゴールにしてほしくないのです。それぞれのチームがしてくれたプレゼン、どれも思いが伝わってきました。「これはおもしろい!」とあなたが思ったアイデアを、プレゼンした内容と違ってもいいし、どんなかたちになってもいいので、実現してほしいのです。
それこそが、企画の仕事であり、ここがスタート。かたちにするが本当の勝ちです。時間はかかるかもしれません。でも、いつかその時に報告してもらえたら嬉しいです。

●笹田陽勇氏(ブラビス・インターナショナル 取締役ディレクター)

マスナビチャレンジに対する学生の皆さんの熱意が高まっているのを感じています。それにともない、アイデアの質も年々高まっています。学んできたマーケティング考察力をフルに活かして、学生のインサイトを見つけ、ソリューションを考えるだけでなく、実際に課題を出された企業の方々にプレゼンテーションができる機会は本当に貴重です。

また、プレゼンテーションの後に質疑応答もあり、企業視点のリアルな実現性や、気づかなかった視点をもらえる経験は、かけがえのないものだと思います。この貴重な経験を将来に活かしていただきたいと思います。