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企画のタネを育てるために「販促コンペ」審査員が使うツール

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よい企画のアイデアは、観念をいじくり回してたどりつくもの、というよりも、消費者が態度や考え方を少し変えるさま=欲求を実際に見つけることが役に立つ。しかしその瞬間は流れ星のようにすぐ消えてしまう。販促コンペ審査員にアイデアを蓄積し、活用するためのツールを紹介してもらった。

企画を「インプット」と「アウトプット」に分けてみると

博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局 エグゼキューションデザイン部 インタラクティブディレクター
石毛 正義氏

 

インプットツールとして活用しているのは、「Feedly」などです。これで関心領域のWebメディアを手間なく収集した後、参考情報や抽象化して転用できる視点をメモしてクラウドサーバーに保存し、必要な時に検索しています。

アウトプットツールとして最近教えてもらって、おもしろいと思ったのは「AIブレストスパーク」です。ブレーンストーミングを1人で堪能できるツールで、通勤電車の中や待ち時間など、スキマ時間も発想タイムに変えられる。企画に行き詰まった時に脳を刺激してくれる。役に立つツールです。

ちなみに手で書くという行為も創造性を高めると言われていて大事なことなので記しておこうと思います。

戯言からたまーに見つかる、光る原石

マッキャンエリクソン プランニング本部 シニアプランニングディレクター クリエイティブディレクター
津田 裕氏

 

いわゆる「企画が降りてくる」とき。僕の場合、酔っ払って歩く帰り道が多いです。ことばが脈絡なく、どんどん浮かんでくる。やばい、あふれる。そんな時は、急いでiPhoneでメモります。「Evernote」でも、「Mail」でも「メモ」でも構いません。

字が打てないほど酔っているときはどうするか。ボイスメモの登場です。翌日。誤字脱字だらけの文章や、意味わからん酔っ払いの戯言に向き合うことになります。

そんな中に、たまーに光る原石を発見します。これが僕の最新リモートワークスタイル。

パソコンスマホを行ったり来たり

グレイワールドワイド クリエイティブアソシエイト クリエイティブディレクター
小髙 龍磨氏

 

メモアプリの「Evernote」を活用しています。デバイスを共有できるので、移動中に企画やアイデアを思いついたらスマートフォンでメモしておいてパソコンで作業する、もしくはパソコンで気になったニュースやネタの記事を見つけたら、一旦クリップしておいて移動中にスマホで読む、といった使い方をしています。

それ以外にはTo Doリストを作ったり、いざという時に忘れがちな観たい映画や、行きたい飲食店などのウィッシュリストを作ったりもしています。

スマホでは、バカげたアイデアもどんどんメモ

電通 第1統合ソリューション局コミュニケーション・プランナー
來住 貴宏氏

 

iCloudメモ。スマートフォンで、外出中・移動中などの企画出しや、パッと思いついたことをメモします。クラウドでつながっているのでスマホとパソコンと連携できるのが便利です。シンプルなインターフェースも気に入っています。

メモ画面のイメージを添えておきます。このように企画する上でのキーワードを抽出して書いておく。思いついたアイデアは勢いのまま書き出していく。スマホでは、バカげたアイデアもどんどんメモ。パソコンで改めて検証した上で企画書にしていく、という使い方が多い気がします。

アイデアを膨らませたり、ある言葉に対する世の中の反応を知るために、Google画像検索や「Pinterest」、Twitterキーワード検索も活用しています。

メモ」「アイデア」「プロジェクト」で整理

ボランチ 代表クリエイティブディレクター
松重 宏和氏

 

日常的に「アイデアを考える、ストックする」上で、「思いついた時に、すぐ、どこでも使える」ことが一番大切です。

そうしたシーンでは、Apple純正の「メモ」アプリを活用しています。Mac-iPhone-iPadといったデバイス間の連携がスムーズで、かつスキャンや手書きメモなどの機能もあり、使い勝手がいいからです。

使い方としては「メモ」「アイデア」「プロジェクト」など、情報の解像度に応じて格納先を変え、すぐに見返したり、更新しやすいようにラベリングしています。また、「テクニカルな切り口」など、アイデア開発におけるヒントをストックしつつ、常に情報を更新することで、新しいアイデアを常に考えられるようにしています。

手書き派」が使う定番のデジタルツール

TBWA\HAKUHODO ディスラプションラボ シニアクリエイティブディレクター
近山 知史氏

 

アイデア出しも打ち合わせのメモも、A4用紙に(大量の種類の)ペンでびっしり手書きするのが、いまのところ自分にはいちばんしっくり来るやり方です。

なので、デジタルツールは定番なものをいくつか使っているだけです。

たとえば、手書きの後さらに視野を広げるために「Pinterest(ピンタレスト)」でキーワード検索をすることがあります。「時勢に耐えうるか?」という肌感を確認するために「Yahoo!リアルタイム検索」を使うこともあります。

また、ガジェット…と呼んでいいかわかりませんが、優秀なノイズキャンセリング機能を持つBOSEのヘッドホン「Quietcomfort」と、手軽なイヤホン「AirPods」は、もはや手放せなくなりました。

いつ使うかわからない思いつきや発見、あるいは感銘を受けた記事や小説の一節なんかは、「Evernote」にこっそり保存しています。手書きよりもソートしやすく保存しやすく閲覧しやすいからです。

自分1人だけの「グループ」をつくる

矛盾社 代表、クリエイティブディレクター
山本 伸明氏

 

「Viber」という、スマートフォンとパソコンを同期できるLINEのような通話&メッセンジャーアプリを、資料を集めたり、引き出したりするのに活用しています。

やり方はこうです。あらかじめメンバーが自分1人だけのグループを作ります。そこに、ちょっと気になったビジュアルや探し物の資料などのリンクを検索ワードと一緒にどんどんメッセージとして送っていくのです。

打ち合わせ時や提案書作成の際など、資料が必要になった時は検索ワードを入力してすぐに引き出すことができますし、一度に送信できるファイルのサイズも200メガバイトまでなので、街中で撮った長尺の動画も送信可能です。

以前は、参考画像などジャンルごとに細かくフォルダを分けて整理していましたが、「Viber」を使うようになってからは何か見つけたらすぐメッセージして必要な時に引き出しています。

情報を整理する手間が省けたぶん、時間を有効に使えているように思います。