スウェーデンのITベンチャーVirtusize(バーチャサイズ)は4月9日、日本国内のファッションECサイトへの新型コロナウィルスの影響に関する調査を公開。大手ファッションEC事業者の300万件を超える購買データを分析した結果、2020年1月3日~3月23日の売り上げが前年同期より約20%増加していることが分かった。
国内のファッションEC市場は過去5年間、年間成長率10~20%を推移してきた。それを踏まえると、20%増は高水準の成長である。
新型コロナ関連報道との連動は見られず
今年の特徴は、注文回数と購買単価がともに増加したものの、1注文あたりの商品数についてはほとんど影響がないこと。ただ、新型コロナの影響でファッション全体の消費量が低くなっていることを踏まえると、売り上げはより増加した可能性もあると分析している。
さらに、時系列分析では「ダイヤモンド・プリンセス号」の隔離(2月5日)や臨時休校要請(2月27日)など、新型コロナに関するビッグニュースが報じられた時期でも、売り上げが安定していることが見て取れる。ただ、売り上げの成長率が鈍化した可能性もある。同社は成長率への影響は今後数週間で明らかになるだろうと予測している。
購買のピークは午後7時にシフト
ファッションECでの購買は通常、週末に集中する傾向がみられるが、新型コロナの影響により、この傾向がさらに顕著になっている。外出自粛の影響で、週末に自宅で買い物を楽しむ人が増加した可能性があるという。
また、購買のピーク時間は、従来の午後9時よりも早い午後7時ごろにシフトしていることが分かった。外出・外食をする人が減り、早い時間に帰宅する人が増加したことに起因する可能性が高いという。
このような結果から、「週末や、従来よりも早い時間帯に合わせた販売促進施策を調整していく必要がある」と分析している。
同社は、「オンラインとオフラインチャネルでの販売の変化がどの程度続くかを結論付けることは、時期尚早」としながらも、現在、欧米でのオフライン購買への移行が進んでいることから、今後は日本でもEC販売が大きな割合を占めていく、と予測している。
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