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ニューノーマル時代のマーケティングは顕在顧客を刈り取る狩猟型から農耕型へ — ファン育成まで見据えた顧客開拓戦略(前編)

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狩猟から農耕へ ニューノーマル時代のマーケティング

そもそも市場が変化をしている中、消費マインドの変化を無視し、従来型の延長のようなオンライン広告に振ったとしても、企業の目の前には、すでに顧客が去ってしまった、さながら焼き畑のような状況が広がり続けるだけです。そこで今こそ、他社も参入している市場に入り、いかにして顕在化した需要を効率的に刈り取るか、という焼き畑農業から自ら畑を耕し、作物を栽培する農耕型へと切り替えるべき時。自社の顧客は自社で育てるという認識と明確な戦略を持ち、中長期で取り組みを進めていく設計図が必要です。

それを推し進めるために、まず行うべきは割引やクーポンの乱発より、いかにすれば自社商品・サービスが「必要なもの」と認知してもらえるのか、その戦略の再考です。

改めて重要視されるブランディング

その戦略の第一歩として、今こそブランディングを考えるべきです。ここでいうブランディングとは、見た目を綺麗にしようとか、ロゴを作り直そうとか、そういったことではありません。世界の環境変数が急速に変わる今だからこそ、自分たちが何者か、どんな価値をどうやって提供するのか、そして顧客はどんな人たちなのかをしっかりと定義し固定することで、この世界の荒波を乗り越えよう、ということです。

大切なのは企業を取り巻くステークホルダー間で自分たちは何者かの定義を揃えること。それぞれの認識の差異などを見比べつつ、意識を統一していきましょう。そうすれば、少しずつ自分たちが何者かが明確になってくるはずです。

<ブランドの整理のために考えるべき3つの項目>

1.誰に共感してもらいたいのか
2.ブランド・テスタメント(プロミス・約束)
3.独自の価値の抽出

これらが明確になってくれば、環境変数が変動しても、自分たちの打ち手は自ずと決まってくるはずです。

新規顧客とのタッチポイントの構築へ

自らの定義付けをしっかりと行った後は、いよいよ将来的な自社顧客を育成する農耕スタイルのマーケティングの開始です。そこで新規顧客とのタッチポイントの構築を考えますが、新しい生活様式では、オフラインで発生する「密」な状態は避けるべきもの、とされるため新しい見方で考えていかなければなりません。

そもそもコロナ前までは、「新規顧客とのタッチポイント」は、リアルの場、つまり人が多く集まる場所、行列ができている場所、盛り上がっている場所でしたが、いま同じようなタッチポイントはつくりづらい…。では、どうすべきなのでしょうか?

この答を導き出す上で、参考になるのが今回のコロナ禍でプラスに働いた環境変数があります。それは、消費者の心理が「オムニチャネル、OMO」化した、ということです。

強制的にオンライン比重が高い生活を行った結果、多くの人はオンライン、オフラインをフラットに横断するようになりました。それを前提に考えたときに、導き出す答えはひとつ。

「密はオンライン、パーソナライズはオフライン」

とすることです。それは、なぜでしょうか?(後半に続く)。

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河野貴伸氏
フラクタ 代表取締役
Shopify 日本公式エバンジェリスト
Zokei 社外CTO
ジャパンEコマースコンサルタント協会講師
元 土屋鞄製造所 デジタル戦略担当取締役(~2020/3/31)

1982年生まれ。東京の下町生まれ、下町育ち。2000年からフリーランスのCGデザイナー、作曲家、webデザイナーとして活動。美容室やアパレルを専門にWebデザイン・ロゴ・パンフレットなどの制作を手がける。「日本のブランド価値の総量を増やす」をミッションに、ブランドビジネス全体への支援活動及びコマース業界全体の発展とShopifyの普及をメインに全国でセミナー及び執筆活動中。