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「人物より商品、静止画より動画」。エーザイがLINE広告で重視した他社との差別化ポイントとは

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エーザイは商品の新規定期購入者を増やす目的で「LINE広告」を活用し、静止画のクリエイティブをアレンジした動画広告施策で着実な成果を残してきた。新規獲得から売り上げ増加につなげているLINE広告の活用ポイントについて、同社の佐藤氏と広告運用を担当するワンスターの若菜氏に話を聞いた。

エーザイ
コンシューマーhhc事業部 トラスト本部 ライフタイムパートナー部 マネージャー
佐藤 友昭氏(写真右)
 
ワンスター
第一メディア本部 第二トレーディングデスク局 局長
若菜 良平氏(写真左)

新規定期購入者の増加を目的に、LINE広告を活用

——LINE広告で出稿した対象商品について教えてください。

佐藤:医薬品の製造販売を手がけるエーザイでは、2010年よりダイレクト通販事業を開始し、生活習慣領域と美容領域を中心に製品開発を行っています。LINE広告では、生活習慣領域の製品「ヘルケア」と美容領域の製品「美 チョコラ」の訴求を行っています。

「ヘルケア」は、エーザイ初の特定保健用食品となる血圧対策サプリメントです。年齢層が比較的高めの男女がターゲットですが、女性層の獲得に課題がありました。

一方、「美 チョコラ」は、加齢とともに失われる美容成分などを配合した美容サプリメントで、女性をメインターゲットとしています。購入者の多くが若年層をターゲットとした製品「チョコラBB」の購入経験があるため、「チョコラBB」を愛用いただいていたユーザーが加齢とともに「美 チョコラ」で美容ケアを行うというカスタマージャーニーを描いています。

——「ヘルケア」と「美 チョコラ」の広告をLINE広告に出稿した理由を教えてください。

佐藤:どちらもマス広告を中心に認知を獲得してきたものの、2015年頃より広告の効果が徐々に鈍化してきた印象がありました。そのため、広く届けるマス広告から、狙ったターゲットに届けられるWebメディアへの広告出稿を強化してきました。昨今は特に、ユーザーの生活に浸透しているSNS広告の出稿量が増えています。

中でも、LINEは8,400万人(2020年6月末時点)もの利用者数を抱え、コミュニケーションアプリとして生活に浸透しています。エーザイではユーザーと実際に対面し、顧客理解を深めることを重視して定期的にファンミーティングを開催していますが、そうした場でヒアリングをすると、LINEやLINEのファミリーサービスの活用率の高さが明らかになりました。そこで、ターゲットとなるユーザーへのリーチ力に期待し、「ヘルケア」「美 チョコラ」の新規定期購入者を増やすことを目的にLINE広告の活用を決めました。

エーザイ コンシューマーhhc事業部 トラスト本部 ライフタイムパートナー部 マネージャー
佐藤 友昭氏

効果の出た静止画クリエイティブを動画にアレンジ!低コストで反響に直結

——具体的なLINE広告の活用法について教えてください。

若菜:LINE広告の活用としては、静止画、カルーセル、動画など多岐にわたるフォーマットを用いたクリエイティブと充実した広告配信機能を組み合わせ、「どの組み合わせが最も効果的か」を探りながら繰り返しPDCAを回して運用してきました。

 
クリエイティブについては、当社のクリエイティブディレクターがエーザイさま専属で制作を担当し、コピーや背景の色まで細かくA/Bテストを行って効果検証しています。さらに、配信後はクリック率などの数値だけでなく、遷移先のユーザー行動や反応を細かく分析してクリエイティブレポートを作成して次の施策につなげています。

配信機能の活用については、主に広告配信をした際に取得したデータを用いた「類似配信機能」と、年齢・性別・地域、興味・関心などでセグメントできる「LINEデモグラフィックデータ配信機能」を併用しています。

ワンスター 第一メディア本部 第二トレーディングデスク局 局長
若菜 良平氏

佐藤:最初はなかなか運用方法が安定しませんでしたが、試行錯誤するうちに効果的なLINE広告の活用法やクリエイティブの“勝ちパターン”が見えてきました。

たとえば、「美 チョコラ」の場合、LINE広告の導入当初はユーザーの悩みに寄り添うような訴求であったり、ターゲットとなる年齢層の女性の写真やイラストを使ったクリエイティブを用いていました。しかし、他の美容商材の広告との類似性が高く、差別化が難しいことに気付きました。その後、商品パッケージをしっかり見せて、他の商品との違いや特長を端的に説明するクリエイティブに切り替えたところ、以前よりも効果につながりやすいことがわかりました。

LINE広告導入当初のクリエイティブ(左)と、改善した商品パッケージをしっかり見せ、商品の特長を表現したクリエイティブ(右)

「ヘルケア」については、血圧の上がる主な要因が男女で異なるという事情もあり、女性ならではの悩みをダイレクトに訴求して健康志向の高いユーザーに響くようなコピーで表現することで、効果が高く出る傾向が見えてきました。ユーザーにより共感してもらうクリエイティブを制作するために、担当のクリエイティブディレクターの方にも当社のファンミーティングに参加してもらうなど、リアルな声や購入ストーリーをクリエイティブに反映しやすくなるような工夫もしています。

健康志向の高いユーザーに響くようなコピーで訴求した「ヘルケア」のクリエイティブ

若菜:クリエイティブはこれまで主に静止画を配信していましたが、最近ではLINE広告の動画広告メニューが充実したこともあり、動画も積極的に活用しています。活用当初は予算をかけて新しく動画を制作するのでなく、まずは静止画で反応が良かったクリエイティブを基に動画にアレンジしたところ、特にバーティカルサイズのクリエイティブを用いた動画広告で大きな反応がありました。

 
佐藤:バーティカルサイズの動画広告は、LINEのタイムライン限定で掲載されることもあり、より自然な形で溶け込んでユーザーの目に留まりやすかったのではないかと思います。さらに、動画で訴求することにより、静止画よりも内容が理解しやすく、「買ってみたい」と思ってもらうことができたのではないでしょうか。

「美 チョコラ」で効果のよかった静止画をバーティカルサイズの動画広告へアレンジして訴求した

動画広告の活用で、新規定期購入者と売り上げが増加

——LINE広告を活用した効果を教えてください。

若菜:バーティカルサイズの動画広告の活用を進めた結果、「美 チョコラ」については目標としていたCPAを達成し、月間の新規定期購入者が2倍以上に伸長しました。さらに、動画広告による売り上げが広告配信前と比較して5倍以上に伸びるなど、大幅に増加しました。

「ヘルケア」については、女性ユーザーへの配信を強化し、狙っていた女性ユーザー層の獲得に成功しています。類似配信機能からデモグラフィックデータ配信機能まで網羅的に活用して広告を配信したところ、最も配信効果が高かった月は、新規定期購入者が前月比で1,200件以上増加し、獲得率が女性ユーザーへの配信前と比較して22倍に拡大しました。

佐藤:これまで新規定期購入者数がなかなか伸ばせなかった50代未満の女性を中心に獲得できたのは、嬉しい結果でした。テストを繰り返しながら効果の出るクリエイティブを追求してきたことで、成果につなげることができたのではないかと思います。

若菜:効果検証において、短期間で結果を判断しすぎない、というのも成果につながったポイントかもしれません。

LINE広告の場合、母数となるユーザー数が多い分、効果が良かったときの反響は大きく出ます。そのため、たとえ反応が悪くても目先の数値だけにとらわれて判断してしまうと、本当に狙っていた効果を見極められず、機会損失にもつながりかねません。デイリーで判断するのではなく、1週間くらいの時間をかけて数値の傾向を見ながら効果検証を進めていくことで、成果に結び付けられたのではないかと思います。

佐藤:今後は、通販専用のLINE公式アカウントの開設やLINE公式アカウントの運用で得られたデータをLINE広告の配信に利用する「クロスターゲティング」にも挑戦していきたいと考えています。また、LINE広告で得られた新規顧客と、LINE公式アカウントを通じてつながり続けることで、CRM基盤としての活用にも、大いに期待しています。

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