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「人と会う時間の“質”が高まっている」。コロナ禍における“若者の意識の変化”をdot代表・冨田侑希が分析

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※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。12月12日(土)の放送は、dot(ドット)代表の冨田侑希(とみたゆき)さんが登場しました。

起業の原点となった思い

冨田さんは、2017年に大学の自主ゼミを会社化。株式会社dotの代表として「Z世代」と呼ばれる若者たちを率いて、事業を展開しています。

Z世代とは、アメリカのマーケターの間で提唱されている区分のことで、中学生の頃からソーシャルメディア(以下、SNS)に触れ、高校生の頃からスマートフォン(以下、スマホ)を持つ1995年~2009年生まれの“ソーシャルネイティブ”な世代を指します。

ハヤカワさんも冨田さんもギリギリZ世代で、同学年で大学在学中に起業と共通点の多い2人。冨田さんが起業したのは、大学3年生のときに受けた客員教授として招かれた起業家による授業がきっかけだったそう。「そこでは、イノベーションや身のまわりで困っていることを解決するアイデアを形にする、という内容でした。その授業をきっかけにどんどんハマっていった」と言います。

当時、冨田さんは就活の真っ只なかで「インターンシップに参加し、将来どうしようかと悩んでいたのですが、就活にちょっと違和感があったんです。もっと学生視点で楽しいものにできないかと。そして、授業でプロジェクトを組んで活動していくなかで情熱を注ぐようになり“これを形にしたい”という思いが強くなった」

加えて、そのプロジェクトでは「“みんなで学び合える場”という雰囲気が自然発生的に生まれていたので、それがいまのチームdotの始まりです。このチームを続けて、学びを続けたいという思いが(起業の)原点にありました」と思いを語ります。

Z世代の特徴

現在は、高校生~大学生を中心としたZ世代のニーズやアイデアを必要としている企業と一緒に、新たなサービスの企画や企業が抱えている課題を解決していくための場の提供、学生時代から取り組んでいる“就活を変えたい”をテーマとしたプロジェクトの継続など、Z世代ならではの強みを活かしたさまざまなサービスを手がけています。

Z世代の特徴について、冨田さんは「普段、(チームdotで)一緒にいる子たちは私よりも若いんですけど、空気を吸うように当たり前の感覚でSNSのある時代に生まれてきた世代です。そのため、やっぱり上の世代の方たちとは育った環境や時代背景が違いますし、社会に対する価値観にもギャップがある」と説明。

例えば、Z世代では育児や家事は協力し合う、デートでの割り勘も当たり前、という感覚だそうで、「男女の差がそんなにない。あとは、SDGs(エスディージーズ/持続可能な開発目標)のような社会問題に対しても、“やらなきゃ”というよりは、自然体で共感しているという特徴もありますね」と補足します。

そして「“なぜ、そういう感情になるのか?”という根底の部分に、企業のみなさんはすごく興味を持ってくださっている」と実感を語ります。ここでハヤカワさんが「では、なぜZ世代がマーケティングの領域で注目されているのでしょうか?」と問うと、冨田さんは「例えば“新聞離れ”“家電離れ”など、若者の“〇〇離れ”がテーマとして挙げられることが多い。いままで中心で消費を動かしていたモノが、いまの若者には刺さらずに離れてしまっている。そうした危機感を早めに感じているのでは」と回答しました。

現在は、日本社会を動かす中心世代ではないものの、ゆくゆくはZ世代が社会を支える存在となります。それだけに、クライアントのなかには「“Z世代のニーズや価値観を知っておかないとマズい”という感じで、課題を持っていらっしゃる方もいる」と言います。

dotでの活動を通して、多くの企業が若者たちのリアルな声を聞く機会が少なく、「もっとZ世代の声を聞きたい」「彼らの声を会社に活かしたい」といったニーズの大きさに驚いたそう。「そうした声に応えることで、自分たちも“貢献できるんだ”という大きな喜びがあった」と胸を張ります。

コロナ禍で「所有欲」がなくなった

続いては、dotが見据える“未来”について。誰もがSNSで発言できる時代になったことで、冨田さんは「Z世代が求めているニーズを、会社や社会が受け入れやすくなってきている。クライアントと接していても、柔軟に形にしていく動きがありますね」と話し、「オーダーメイドのように、一人ひとりのニーズに合った、生きやすい暮らしや働き方がつくられていくといいな」と期待を込めます。

また、コロナ禍でさまざまなことがオンラインへとシフトしていくなかで、「Z世代からは『人と会う時間やモノを買うときの“質”が高まっている』という声をよく聞きます。人と会うときも、“いかにいい時間にするか”と自己投資に意識が変わってきているように感じる」と冨田さん。

これにハヤカワさんも「これからはモノを持たない人が増えてくるのではないか。いままでは所有することがステータスだったけど、(いまでは)シェアをしたり、借りたり。私自身も新品を購入して所有することへのこだわりがすごく減ってきている。モノの持ち方や使い方が変わっていくのかなと思う」と同意します。

新型コロナの影響で、自宅で過ごす時間が増えたこともあって、冨田さんも「“使っていないモノがたくさんあるな”と気づきがありました。だから“これ以上、モノを増やしたくない”という気持ちが高まっています。まわりからも『今年は消費するのをやめようかな』という声も聞こえてくる。自分のなかのこだわりと違うモノに対しては、そこまで所有欲はないように感じます」と頷きます。

続けて、「洋服などの自己表現、自分のオリジナルを出したいというニーズはある。そのため、自分のなかでこだわっているモノに対しては、シェアではなくて『自分で選んで身に着けたい』という声も聞きます。高級ブランドを持っていることをステータスに感じる、という声はあまり聞かないですね」と話していました。

【この記事の放送回をpodcastで聴く】


<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm


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