ファミリーマートは1月18日、3月1日付で代表取締役社長に就任する細見研介氏(伊藤忠商事 執行役員 第8カンパニープレジデント)の就任前記者会見を開いた。細見氏は「コロナ禍でライフスタイルが急激に変化する中、持続的な成長に向けた1歩を確実に踏み出す」と抱負を述べた。現代表取締役社長の澤田貴司氏は、代表権のある副会長に就く。
今年創業40周年を迎えるファミリーマート。2020年には新型コロナウイルスによる時代の変化に対応するため、伊藤忠商事がTOBと株式併合によって実質的に完全子会社化。11月にファミリーマートの株式を上場廃止としている。
細見氏はこうした状況下での喫緊の課題は「コロナ禍をどうやって切り抜けていくか」と説明。その切り札として「Eコマース」と「デジタル化」を挙げた。2020年9月に発足した、小売事業者の購買データを活用したデジタル広告配信事業および広告代理店業を展開する「データ・ワン」をはじめとして、いくつかのプロジェクトを通じて早急に対応していきたいとする。
また、同社は今年、サークルKサンクスから転換した約5000店と結んでいた5年間のフランチャイズ契約が満期を迎えるなど、加盟店離れを防ぐ施策も求められている。細見氏はこの点について「店舗はいまだに人件費の高止まりなど厳しい環境がある。省人化や店舗を活用した新しいサービスの構築で乗り越えていきたい」とした。
これまでの40年間を「急拡大の歴史だった」と振り返る細見氏。今後は、コロナ禍という困難に立ち向かうために、コーポレートビジョンである「あなたと、コンビに、ファミリーマート」を軸に、「稼ぐ」「削る」「防ぐ」の3点に尽力するという。また、同社の原点である「商品開発・利便性・親しまれるお店」に立ち返った経営に努める、とも話した。
細見氏は「お客さまと地域から愛されるファミリーマートを構築していきますので、ご支援をよろしくお願いします」と締めくくった。
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