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新潮社ならではのナレッジを生かした 読者に期待される、ブランドコラボ企画

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自社の独自性をいかした、「広告」にとどまらない雑誌ブランドの活用法とは?類似誌がなく、特徴あるユニークな雑誌を多数発行している新潮社の戦略について、広告部次長の福家敏昌氏に話を聞いた。

独自性あるコンテンツが 熱量の高いコミュニティをつくる

編集者がつくり出すコンテンツの価値を生かし、広告主企業の方たちにいかにして新たな提案をできるか。

それが常に新潮社の広告部が意識してきたことです。アウトプットの手段はこれまで主流だった誌面から、動画をはじめとするデジタルコンテンツやプロダクト、サービス自体にまで広がっています。こうした手段の広がりを踏まえ、これまで培ってきたコンテンツ企画力にどのように新たな価値を付加できるか。さらに、コンテンツやコミュニティの質をどうやって可視化するか。そこが当社に限らず、雑誌ブランド全体の課題ではないでしょうか。

当社は一般週刊誌の『週刊新潮』をはじめとして幅広いメディアを扱っています。なかでも女子中学生人気No.1雑誌の『ニコラ』、その姉妹誌で小学生をターゲットにした『ニコ☆プチ』、専門誌ながらその領域を超えて幅広いカテゴリーを扱う『エンジン』や『芸術新潮』など、他に類似誌がないユニークな存在の雑誌を多数抱えています。だからこそ、コアな読者から一定の支持が得られる。独自性のあるコンテンツとコミュニティが、当社媒体の特徴だと考えています。

これらのリソースをかけあわせた取り組みのひとつが、『芸術新潮』とWebコミックサイト『くらげバンチ』との連動企画です。創刊70年を迎えた『芸術新潮』は、絵画から建築まで「アート」の切り口で読み解く美術総合誌。『くらげバンチ』は月間2千万PV、ユニークユーザ数も約180万人に達するWebコミックサイトです。ここで2018年から連載している『恋せよキモノ乙女』が、東京国立博物館の特別展「きもの KIMONO」とタイアップし、コラボ漫画の小冊子を製作。さらにその冊子を『芸術新潮』誌面の「きもの」特集にあわせて付録として差し込んだり、展覧会会場でも来場特典として配布するなど、集客施策に活用しました。自社メディア群とそれぞれに関連する独自リソースを組み合わせて、相乗効果を生んだ事例です。

また、先日は文芸誌『小説新潮』と医薬品「キンカン」がコラボしました。芥川賞作家の羽田圭介さんに、虫さされにまつわる小説を執筆いただいて特設サイトで公開。SNSでは「#虫さされ文学」として作品投稿を募り、404件の応募から「羽田賞」と4つの「蚊作」を選出しました。

いわゆる“広告”とは少し違う、私たちが持っているナレッジを提供できた取り組みといえます。

今年は、広告主でもある画廊やギャラリーと『芸術新潮』のコラボも考えていますが、いずれにしても当社だからこそ提供できる価値を広げていきたいと考えています。雑誌広告は、ROIではなかなか測りきれない部分があります。もちろん売上は大事ですが、「新しい取り組みができる環境」をクライアントと一緒につくることができる、そんなメディアでありたいです。

新潮社
広告部 次長
福家 敏昌氏