文藝春秋の新たなアプローチについて、メディア事業局長の小濱千丈氏に話を聞いた。
活字で世界観をつくる 文藝春秋ならではのDX展開
当社が強みを発揮する文藝の領域は、紙のイメージが強いかもしれませんが、実は『文藝春秋』では、業界に先駆けて早くから書籍の電子化に取り組んできました。現在力を入れているのは、企業セミナーなどのイベントのオンライン化、そして各雑誌のWebコンテンツの拡充です。
2019年11月、『文藝春秋』の記事とオリジナルコンテンツをサブスクリプションで購読できる『文藝春秋digital』をnoteのプラットフォームを活用して開設。単にコンテンツの配信先が増えたというだけではなくて、noteが擁する従来は接点のなかったクリエイターや若い読者へのリーチが可能に。クリエイターに本誌で執筆してもらうなど、新しい動きをつくりました。
そして12月10日、さらに連携を深めるために資本業務提携を行うことを発表。クリエイターの人材育成やコミュニティの創出、新規事業に向けての意見交換など、新たな協業をすすめていくというものです。双方ともに活字をメインとしたメディアということで、コンテンツの親和性は非常に高かった。今後コンテスト等ツールの共同開発、ユーザーデータの活用など、広告におけるDXの推進を目指します。
こうした作家をはじめとするクリエイターの方々との関係性は、広告主企業に対する新しい企画提案につながっています。例えば2020年11月、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」の運行7周年を記念して、井上荒野さんら7人の人気作家による「ななつ星」をテーマにした小説集を刊行。列車内ではフォトブック付きの特装版を販売しました。
雑誌の企画で作家の方にエッセイを執筆していただく機会は多いのですが、こうして小説の形まで仕上げるようなタイアップは作家と担当編集がこれまで積み重ねてきた関係性が重要ですし、時間もかかります。ただこういったコンテンツを様々なチャネルで展開できるのは、当社ならではの取り組みです。
先日はペットフード会社等に協賛いただき、“犬との幸せな生活”をテーマにしたオンラインイベントも開催。『少年と犬』で直木賞を受賞した馳星周さんに登場いただきました。
雑誌の価値は、展開の規模が自由に選べることにあると考えています。広告主の希望に合わせて、記事1本からイベントの展開、他メディアとのコラボまで、スケールを自在に拡張できるのがメリットです。
企業と足並みをそろえて発信していくなかで、一番大切なのは信頼性、そして読者にも企業にも、コンテンツや発信方法を面白がってもらえる機会をお届けすること。そうしたコンテンツの企画は広告部門だけでなく、社内のリソースを最大限活用していくことが求められます。読者にとって価値あることであれば、広告の企画でも文藝春秋の総力を結集して実現へ向かいます。2021年は、オンライン施策やEC展開など、種まきしたものを大きく育てていく年にしていきたいと考えています。
文藝春秋
執行役員
メディア事業局長
小濱 千丈 氏
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