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読者からのハガキは毎月2000通 アクティブシニア層との深い絆

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シニアは日本における注目の市場であるが、そのインサイトは多様化しており、なかなか攻略の難しい市場でもある。
こうしたなか、シニア世代のインサイトに対する深い理解をもとに、社内のシンクタンクを活用し、出版のみならず商品の企画・販売までサポートしているのがハルメクだ。ハルメクホールディングス 法人営業部長の後藤昭人氏に話を聞いた。

独自調査を活用し 企業のマーケティング活動を支援

私たちは1996年の創業当初から、雑誌『ハルメク』の出版をはじめ、通信販売、イベント運営など50代以上の女性に向けた事業を行ってきました。ますます高齢化が進むなか、シニア世代に商品やサービスを訴求したい企業はここ数年で非常に増えていると感じます。そこで2014年、社内にシンクタンクである「生きかた上手研究所」を立ち上げ、定量・定性調査を毎週のように行ってきました。

研究所での調査は社外の企業に対する提案にも活用。約3000名の読者モニターを抱えているため、事例に対して即座にリサーチをすることが可能です。広告の接触率や精読率を調べることはもちろん、たとえばサンプルを送付して感想を集めたり、商品パッケージやテレビCMに意見を出してもらう、といったことにも対応しています。

『ハルメク』に対して、読者の方は「私のための情報を届けてくれる」と信頼してくださっているので、編集部宛には月に2000通以上の読者ハガキが届きます。心の内や愛犬のこと、身の回りの出来事を書いてくれる。こうした身近な関係は、読者との信頼関係が築けているからこそだと思います。

また、雑誌以外にも読者との関係性を深める接点を増やす取り組みを進めています。たとえば、エッセイ講座や演奏会など年間200を超える自社企画のイベントです。すべてを内製しているので、そのノウハウや得られるインサイトを外部に提供できることも強みです。

オンラインでの読者との接点づくりにも注力しています。例えば2018年開設の『ハルメクWEB』。月に100~150コンテンツを提供し続け、いまでは月間570万PVを達成しました。実はこれまであまりデジタルコンテンツには注力してこなかったのですが、コロナ禍でシニア層のIT化が加速。いまはオンラインセミナーや動画配信も行っていて、今後広告においても動画コンテンツの拡充を図る考えです。

昨今は企業だけでなく、公的機関とのタイアップも増えています。2019年には北海道旭川市の移住促進を目標としたプロモーション活動を行いました。誌面で魅力を発信したほか、旭川市在住の読者180名への調査を元に、イベントや移住体験ツアーのプログラムを設計。実際に移住した3名にインタビューを実施し、その動画は東京都内で行われたイベントで放映しました。

イベントとツアーを合わせて参加者数は70名以上。どんな生活をしている?どうやってコミュニティをつくればいい?調査から得られた疑問や不安を、ひとつずつ解消していく。“地元の良さを知ってほしい”という読者の皆さんの想いもいかされた事例でした。移住というテーマは読者にとって、より大きな人生の決断です。こうしたコラボレーションが実現するのも、読者からの信頼があってのことだと考えています。

ハルメクホールディングス
法人営業部長
後藤 昭人氏