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「電気自動車をつくるだけでは、環境社会は実現しない」。GMSが目指す、正しい評価がされる仕組みづくり

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※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。1月9日(土)の放送は、Global Mobility Service(以下、GMS)代表取締役 社長執行役員 / CEOの中島徳至(なかしま・とくし)さんが登場しました。

 

課題解決こそスタートアップの役割

GMSでは、真面目に働く意志のある貧困層・低所得の人たちに向け、IoT(Internet of Things / モノのインターネット)を活用した、自動車ローンを組めるサービスを提供しています。さらには、支払いが滞ると自動車が作動しなくなる遠隔起動制御デバイス「MCCS」を独自開発。日本をはじめ、フィリピンやカンボジア、インドネシアなどASEAN各国でグローバル展開しています。

新興国では、携帯電話料金や電気・ガス・水道といったライフラインの料金は「(利用料の)入金が滞ると止まるプリペイド方式が主流です。しかし、自動車ローンは入金が遅れても使えていたので、支払いに対する意欲がすごく低くて後回しにされていた」と課題を説明。そこで、デジタル技術を駆使したGMSのサービスを導入したところ、未払い率が軽減したと言います。

中島さんは、「世界には、クルマを買いたいと思っていても買えない人がおよそ17億人もいるんです。一方で、大手自動車メーカーが1年間で新車を販売している台数は約1億台です。そのため、かなり多くの人が、クルマを欲しくても買えていない」と現状を語ります。

また、新興国では自動車やバイクによる騒音や排ガスの問題が顕著になるなか、「『なぜ(環境にやさしい)新しいクルマを推奨しないんだ?』と思われるかもしれません。でも、その裏側には(多くの人が)ローンやリースが使えないという現状があった」と指摘。「このような課題を解決していくことが、私たちのようなスタートアップの役割」と胸を張ります。

地球環境の改善のために…

中島さんは、27歳のときに株式会社ゼロスポーツを起業。1998年から開始した電気自動車の開発が実を結び、2003年に国土交通大臣から型式認定を得て、日本で17番目の自動車メーカーとなりました。

当時、多くの大手自動車メーカーがハイブリッド車に注力するなか、中島さんは「石油の枯渇問題と環境問題」を解決するべく電気自動車に着目します。「電気自動車ベンチャーの雄」として知られる米国の電気自動車メーカー・テスラに匹敵する技術力を誇っていたゼロスポーツは、1,030台という大型受注を獲得。納車に向けて尽力していたものの、「そのオーダーが途中で頓挫してしまった。かなりの資金投資をしていたので、事業継続ができなくなり事業譲渡せざるを得なかった」と回顧します。

その後、中島さんはフィリピンで電気自動車ベンチャーのBEET Philippine inc.を創業しました。同社が誇る電気自動車にたくさんのニーズがあったそうですが、「ローンの審査を通過するのが10%くらいで、90%の人が通過しないという現実を知った」と話します。

「電気自動車を開発して世の中に提供することが、地球環境の改善につながる。そうすることで、ものすごくサスティナブル(持続可能)な世の中をつくり上げられると確信を持ってやってきた。だけども、“電気自動車を製造するだけでは課題が解決しない”ということをフィリピンで学んだ」と自身のキャリアを振り返ります。

真面目に働く人が正しく評価される仕組みづくり

そんな気づきをきっかけに、「いくら先進国が素晴らしいクルマをつくったところで、“購入できる環境”や“ローンやリースを使える環境”を整えてあげないと意味がない。南半球の大半の国では、70~90%の人がローンの審査を通過しない。(先進国などの)一部の国で、環境にやさしい最先端のクルマが市場に投入されるのも、確かに素晴らしいこと。だけど、南半球での課題も解決しないと本当の意味での環境社会を実現できないと強く思った」と声を大にします。

続けて「真面目に働く人が、正しく評価される仕組みをつくることが我々のビジョン。“幸せな生活がしたい”や“豊かになりたい”という願望をかなえようと、多くの人が一生懸命に頑張っていらっしゃる。

僕たちは、その頑張りを可視化や価値化し、データとして金融機関にお戻しする。それによって、金融機関が新たなローン商品を提供し、(多くの人たちが)“幸せの前借り”を得られるような仕組みをつくっていきたい。みなさんに幸せや豊かさを実感してもらえるようなサービスを提供することが、GMSの願いです」と思いを語ります。

中島さんとのトークで、富の偏りや分断を痛感した様子のハヤカワさんは「例えば、勉強できる機会がなかったり、努力できるような環境でなかったり。それが結果的にリターンとして戻ってきづらいような状況にある人は、すごく多いと私もイメージしている。GMSでは、そういった部分(を改善するため)の第1歩、取っかかりをつくっていくことを目指されているんですね」と感じ入っていました。

【この記事の放送回をpodcastで聴く】


<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm


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