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タクシーの窓がデジタルサイネージに! S.RIDEとニューステクノロジーが開発

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タクシー配車アプリを展開するS.RIDE(ソニーグループ)と、動画マーケティングを手掛けるニューステクノロジーは3月17日、新サービスとしてタクシーの車窓デジタルサイネージサービス「THE TOKYO MOBILITY GALLERY Canvas」を発表した。2021年6月から国内で初めて運用する。

サイドガラスに広告が掲出される様子。窓は、AGCが独自開発したガラス製透明スクリーン「グラシーン」を搭載し、安全性も担保されている。

新サービスは、タクシー後部座席の左側の窓(外側)を広告の掲出スペースとして活用するもの。街中の歩行者などをターゲットにした広告枠だ。まずは、国際自動車と大和自動車交通の協力を得て、都内を走行するJPN TAXI 100台に導入する。2022年末までに1000台に増やす予定だ。

クリエイティブは、後部座席右側の天井に設置したプロジェクターから投影。投影していない時は透明な窓ガラスになる。

ニューステクノロジー代表取締役の三浦純揮氏によると、注目したのはタクシーの「空車時間」。両社は2019年4月からタクシーのDXに向けて協業し、後部座席に設置するデジタルサイネージ事業などを展開してきたが、その中で乗客を乗せていない時間が約49%もあることに気が付いた。この空車時間に車窓をデジタルサイネージとして活用すれば、コロナ禍で逆風が吹くタクシー業界の新たなマネタイズモデルになると考えた。

その他「THE TOKYO MOBILITY GALLERY Canvas」の特徴は以下の通り。

①大きくクリエイティブを掲出できる、日本初の車窓型サイネージである点
②常に目線の高さで放映できるため「高い視認率」を獲得できる点
③タクシーの特性として人通りの多いロケーションに向かうため広告効果が高い点

その広告効果については、都内で1カ月間100台を運行した場合、約600万人に情報が届く計算だ。

三浦氏によると、タクシーの走行GPSデータを活用することで、ロケーションや時間帯に合わせたクリエイティブを掲出することも可能。「近くの飲食店の情報や映画の上映スケジュールを掲出するなど、街中で見ていただく方の役に立つメディアにしたい」と同氏。また、S.RIDE代表取締役社長の西浦賢治氏は「自社のタクシー配車アプリとも連携させることで、広告の新たな可能性を探っていきたい」と展望を述べた。

なお、本サイネージには動画を投影することも技術的に可能だが、現行の道路交通法で認められていないため、今後の課題としている。