なぜ、明治はラジオを使うのか? 番組提供の理由と手応えを聞く

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音声コンテンツの特性や、音声メディアならではの強みを生かしたマーケティング・コミュニケーションの可能性についてTBSラジオと考える連載企画。2回目となる今回は、継続的な商品訴求にラジオを活用する明治 宣伝部の酒見康隆氏をお迎えし、これまでの取り組みやラジオのメディアパワーについて伺いました。TBSラジオで一連の企画を担当している後藤一氏も参加いただきました。

第1回:なぜ、いま音声なのか?視覚と聴覚の差異から最適なコミュニケーションを考える
第3回:音声メディアこそが広告主の期待に応える―TBSラジオ・三村社長に聞く

酒見康隆氏(明治 宣伝部)

テレビスポットCM中心のメディアプランに限界を感じていた

酒見康隆氏(明治 宣伝部)

—明治は長年親しまれているCMソングも多く、CMや音の力を効果的に使われていますね。今回は、メディアプランのなかにラジオをどう組み込んでいるかをテーマにお伺いします。

酒見:まずはじめに、私、単純にラジオが大好きなんですよ。学生のころからずっと聞いています。いまはJUNK(TBSラジオ)がお気に入りです。TBSラジオの企画だから言ってるわけじゃないですよ(笑)。

明治の宣伝部は、商品カテゴリーやブランドによってグループや担当が分かれていて、私は「チョコレート効果」「ミルクチョコレート」などの菓子ブランドを担当しています。メディアの専任担当がいるのはテレビのみ。それ以外はラジオも新聞も雑誌もWebも、すべて自分で買い付けます。その都度、目的に応じてメディアプランを設計しますので、ラジオを活用するのは、明治の宣伝戦略や私の好みということではありません。

酒見氏が担当する「チョコレート効果」

私が宣伝部に異動したのは2014年のことですが、担当当初はテレビスポットCMを中心にメディアプランを組んでいました。Webの比重はいまと比べればずっと少なかった時期で、ラジオはほとんど使ってなかったのでは。ところが、3年が過ぎた2017年ごろから、コミュニケーション手法に限界を感じるようになったんです。

テレビスポットCMは(ラジオも)、こちらが好きなときに、つまり商品を売りたいタイミングを選んで打つケースが多いです。新製品などブランド名やパッケージ認知を取りたいときには最も適していると思います。一方で、私が担当するブランドはロングセラーブランドがほとんどです。受け手の目線に立ったとき、テレビスポットCMが本当に正しいのか。仮に同じ予算であれば、ファンになりうる人たち(継続購入していただける人たち)がいる場所に、中長期的に継続してメッセージを出していった方が最適(商品を思い出してくれて、購入したいと思ってくれる)ではないかと考え、提供番組の活用や、継続的な発話を促せるTwitterの活用(情報のつくり方が重要だと考えています)に力を入れていました。

そんな目的を持ち続けて広告宣伝活動を実施しているなか、2019年からチョコレート効果ブランドを担当し、当該ブランドもテレビCMだけではリーチできないお客さまとの接点を探していました。そんな時、ラジオが候補に浮かびました。番組ごとにファンがいて、ファンが能動的に接触する媒体ですから。

そこで出会ったのがTBSラジオの後藤さんです。「チョコレート効果」のプロモーションプランを検討していたタイミングに、「生島ヒロシのおはよう一直線」(平日朝5:30~6:20)の提案をいただきました。

後藤:番組内で、生島さんとゲストが健康についてトークする「明治チョコレートpresents生島ヒロシの『健康ライフ』」というコーナーを2019年8月からスタートしましたね。

酒見:「チョコレート効果」のターゲットは他のチョコレートブランドと比べ年齢層が高く、番組のリスナー層と重なっています。「健康を考える」がテーマの商品ですが、生島さんもよく知ってくださっていて、ご本人の言葉でゲストやリスナーとの会話のネタに取り入れたりしていただいて、ありがたいですね。1回の放送あたり、150万人を超える方々に触れることができるのも魅力の一つです。

ラジオの力を実感し、特番を続々提供

—コーナーを提供したことの効果はいかがでしたか。

酒見:すぐに目覚ましい成果があったわけではありません。また、当初からある程度の継続を前提に社内の同意を得てスタートしていました。1年ほど続けてから実施した消費者調査で、チョコレート効果ブランドをどこで知ったかという質問に「ラジオ」という回答が上がってきたことに手応えを感じて、目的が合致するブランドへと活用を徐々に広げています。

私が担当するブランドは、先ほどお話しした通りロングセラーで継続的に購入してもらいたいものが多く、テレビCMでは、スポットよりもタイムで定期的に伝えていく方が向いています。視聴者やリスナーはその番組を見に(聞きに)来るので、広告に接触してもスポットと比較して受け取る姿勢ができていると思います。

—生島さんのようなパーソナリティが直接語りかけるように商品について触れてくれることはラジオならではですね。それ以降の取り組みにはどんなものがありますか。

酒見:2020年2月に横浜で開かれたイベント「RADIO EXPO~TBSラジオ万博2020~」のひとコマ「明治チョコレート効果Presents 石丸幹二&純烈スペシャルライブ」に協賛しました。純烈さんの起用は生島ヒロシさんの番組にゲスト出演されたことがきっかけで、当時の「チョコレート効果」のCMキャラクターである石丸幹二さんとライブをしていただきました。RADIO EXPOはどのブースも番組ファンの方でとても活気があり、改めてラジオの「ファンとつながる力」を感じました。

2020年2月にパシフィコ横浜で開かれた「RADIO EXPO~TBSラジオ万博2020~」。2日間で2万1200人を動員した。

その後、20年8月には、夏のおうち時間にチョコレート効果ドリンクを訴求する特番「明治チョコレート効果presents『純烈のおうち時間』」、20年12月には、受験生やその親をターゲットにチョコレート効果の機能価値である低GIを訴求するため「明治チョコレート効果Presents小島よしおの受験生の為になるラジオ」、今年の1月から2月にかけては、バレンタイン期に向けて2カ月限定の10分番組「明治チョコレート効果&オリゴスマートPresents『純烈とチョコっとヘルシートーク』」のスポンサーになりました。生島さんの番組で年間を通じてメインターゲットにコミュニケーションをしながら、スポット特番でもその都度ターゲットと伝えたいことを選定してコミュニケーションを実施してきました。結果として、TBSラジオさんだらけになりました!

その他ですと、20年10月のハロウィンには特番「明治Presents夏子・カレン・桂里奈のおうちでチョコっとハロウィン大作戦」を放送しました。こちらは、外出制限の中、チョコレートを通じて自宅でもハロウィンを楽しむことができるように、パーソナリティの横澤夏子さん、滝沢カレンさん、丸山桂里奈さんが家に遊びにきたような雰囲気でトークを繰り広げる企画です。同時に収録の様子をTwitterで配信し、ラジオ×動画という仕掛けにも挑戦しました。この取り組みは、20年8月の純烈さんの特番が関東ローカルのため、全国にいるファンの方にも楽しんでいただきたいと思い、Twitterライブを活用したことが背景にあります。

後藤:酒見さんがラジオ好きという前提もありますが、明治さんは単にCMを流すだけではなく、番組やCMを起点に生活者の発話を促し、話題につなげることを強く意識している印象があります。面白いことができないかという相談からコミュニケーションがはじまる。こうした「遊び」にも見えるところから、面白くてリスナーに親しまれるコンテンツが生まれるのではないでしょうか。

リスナーと一緒に番組をつくる

—ネット配信のradikoの普及など、新たなリスナー開拓も進んでいます。音声コンテンツが見直される機運もありますが、今後期待することは。

酒見:「Spotify」をはじめとした音声メディアは、散歩やウォーキング中、在宅ワーク中に聞く機会も増えていて、さらなる可能性を感じています。ラジオはリスナーからのメールにパーソナリティが反応するような双方向性がある。これはラジオならでは。昔でいう「ハガキ職人」のような人もいて、そのやり取りを聞くことも楽しい。リスナーと一緒に番組をつくるイメージがあるのはテレビと違うところですよね。

また、スポンサーとして「こんなことはできませんか」と相談したときに、それをカタチにする柔軟性があることも魅力です。後藤さんが裏で駆け回ってくださっているからですが(笑)。

後藤:頑張ります(笑)。

酒見:これまで、メディアプランの中心にあるのはテレビCMで、それ以外のメディアが補完する、また、ラジオは予算のないときに使うような言われ方が長年されてきました。これからは、お客さまとの接点を考えたときに、深く継続的な訴求をするという明確な目的をもってラジオを使う傾向が強まるのではないでしょうか。もちろん、目的によってテレビスポットのパワーが必要なときもあります。媒体を活用するのは手段ですから、ブランドが誰に何を伝えたいのかを明確にし、その上でそれぞれの媒体特性を踏まえて使い分けていくのがいいと考えています。

明治
宣伝部
酒見康隆氏

1983年6月生まれ。明治大学卒業後、2006年明治製菓入社、四国地方で営業を担当後、明治本社広域営業部CVSGへ配属。2014年より現在の宣伝部の所属となる。担当ブランドは、「チョコレート効果」「ザ・チョコレート」「ミルクチョコレート」「アーモンド・マカダミア」。『また見たいな』と思っていただける広告づくりを心掛けています。

 

TBSラジオ
UXビジネス局 アカウントマネジメント1部 部次長
後藤 一氏

1978年6月生まれ。横浜市出身。日本体育大学卒業後、2002年4月FMラジオ局にて番組制作に携わる。2011年4月、TBSラジオ入社。営業部(現アカウントマネジメント部)所属。2020年7月から現職。

 


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