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佐藤可士和流、クライアントとの「コミュニケーション術」とは?

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ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。3月27日(土)の放送は、前回に引き続き、クリエイティブディレクターの佐藤可士和(さとう・かしわ)さんをゲストに迎え、お届けしました。

(左から)佐藤可士和さん、ハヤカワ五味さん

佐藤可士和が見据える未来

前回の放送では、クライアントとお客さまの間に立って「双方のコミュニケーションを“デザインの力”でつなげていくのが仕事」と語っていた佐藤さん。これまで、ユニクロなどを展開するファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏や楽天の会長兼社長である三木谷浩史氏、日清食品ホールディングス社長・CEOの安藤宏基氏といった名立たる経営者と仕事をしてきました。

自身がクライアントとのコミュニケーションで心がけていることは「経営者の壁打ちの相手をしているようなイメージ」と佐藤さんは話します。社会情勢について会話を交わすなかで、「例えば、サスティナビリティ(持続可能性)に対して、企業そのものとしてなにをしていかなければならないのか。

コロナ禍で働き方も変容していくなかで会社はどういうものになっていくのか、などの話をしていき、徐々にプロジェクトの話に近づいていく。『だから、いまはこういうことをしたほうがいいのでは?』と(アイデアを)提案し、キャッチボールをしている」と言います。

そして、私たちが生きている「地球や社会全体がどこに向かっていくのかを知ることが、一番の近道」と明言。それを知ることが「次にみんながなにを必要としているのか」を議論するためでもあると説明します。

ブランディングするうえでのこだわり

佐藤さんの強みは、さまざまな業種の人たちと関わっていることによるインプットの多さ。ときには、およそ30もの案件を同時に進めることもあるそうで、ファッションやITをはじめ、医療、教育、地域産業などジャンルは多岐にわたります。それらは一見別々なものと捉えがちですが、「みんな社会のなかに存在していて、問題は共通しているんです。全部がつながって見える。いろいろな仕事をすることで、(社会全体が)どこに進んでいるのかが結構わかるんですよね」と話します。

また、クライアントから得るインプット以外に大きかったと話したのは、雑誌の連載での対談企画でした。自分が会いたい人と会う、をコンセプトにさまざまな業種のスペシャリストと対談してきたそうで、「そういう人との対話からは、いろいろなインプットがもらえますよね」と大きくうなずきます。

そんなインプットを、自身が携わってきた多くの企業のブランディングに落とし込んできた佐藤さん。デザインしたロゴをクライアントに納品して終わりではなく、「(ロゴが持つ)ビジュアルのアイデンティティをブレないでどう伝えていくのか。ロゴづくりと一緒に(その後の)運用も考え、“こういう運用をしていきましょう”という仕組みごと渡している」と語ります。

また、ブランディングでは仕組みづくりを重視していて「僕が手取り足取り全部見なくても、自走できるような仕組みづくりをいつも考えている」と、そのこだわりについて言及しました。

空中がメディアになる時代がやってくる

最後は、「未来」について妄想トーク。IT技術を最大限に活用した「スマートハウス」へのニーズも高まる昨今、佐藤さんは「例えば、テレビや照明というプロダクト(製品)がなくなり、家の壁一面がテレビに、壁一面が発光するようになっていくかもしれない。そして、いろいろなことがネットワークとつながっていて、どこからがデジタルでどこからがリアルなのかが曖昧になっていく」と予言します。

また、「デバイス(装置や機器)も進化を遂げ、もっと融合していく。そのため、オンラインかオフラインといったことも、考えずにやっていけばいいのかなと思う」と話します。

そして、佐藤さんが現在注目しているのは「空中がメディアになること」。現に、自身が手がけた日清食品関西工場の入り口の屋根は、上空から見るとカップヌードルの蓋のデザインが施されています。また、青森県八戸市にある多目的エリア「FLAT HACHINOHE(フラット八戸)」のナスカの地上絵を彷彿とさせる巨大ロゴは、施設のシンボルとなっています。

「空中からの視点は、昔は特別なものだったけどドローンの発達によって簡単に手に入るようになった。今後、クルマも空を飛ぶし、それこそ宇宙にも行けるようになると、空中というものがメディアとして大きくなっていくだろうなと考えている」と語ります。

ハヤカワさんは「いままで持っていた視点や境目が変わっていく前提で、私たちに伝えていきたいことを、いかに強度を持ったブランド、デザイン、クリエイティブに落とし込めるか。それが重要だと感じました」と感服していました。

また、2019年4月にスタートした本番組は、この日の放送をもって最終回。計104回にわたる放送をあらためて振り返り、「いろいろな方とお話をすることは、自分の引き出しを増やすことにつながっていくと思います。引き出しを増やすきっかけは、(人と話すだけでなく)本やラジオなどにもあると思いますし、この番組がみなさんにとっての妄想の泉の原点になってくれたらいいな、という思いでやってきました。

私としては大充実の104回でした。TwitterやYouTubeなどもやっているので、またどこかでお会いできたらうれしいです」とリスナーとの再会を願っていました。

【この記事の放送回をpodcastで聴く】


<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter: @mousou_tfm


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