エデルマン・ジャパンは21日、今年で21年目となるグローバルな信頼度調査「2021 エデルマン・トラストバロメーター」の日本の調査結果を発表した。調査は2020年10月19日から11月18日にかけて世界 28カ国、約33,000 人を対象に実施され、有効回答数が不十分な1カ国を除く27カ国によるデータを集計した。
今年の調査結果からは、コロナ禍前に実施された昨年の調査結果で上昇傾向にあった、日本人の政府、企業、メディア、NGO/NPOに対する信頼度が、全体として低下。信頼度指標「トラスト・インデックス」(国民の自国の政府、企業、メディア、NGO/NPOに対する信頼度の平均値)は、昨年より2ポイント低下し、40ポイントとなった。
同社は本調査について、「企業が信頼を獲得する最大の機会は、実証された正確な情報のみがシェアされ伝わるように情報の質を監視することにあるという結果になっている」と分析。また、「日本人回答者の41%、27カ国平均では53%が、メディアに対する信頼度が急落し、情報の破綻が起きている今、企業がその情報の空白を埋めるべきだと期待している」としている。
海外における日本政府に対する信頼度は、「中立」レベル
日本人の自国の政府に対する信頼度は37%で、前年比で6ポイント低下。2020年5月に発表した「2020 エデルマン・トラストバロメーター 中間レポート(5月版):信頼とCOVID-19パンデミック」(調査対象11カ国、調査実施期間:2020年4月15日~4月23日)では、新型コロナウイルスによるパンデミックの状況下において、各国で自国政府に対する信頼度の記録的な上昇を見せる中、日本は唯一信頼度が低下している(-5ポイント、38%)。
一方、今回初めて他国の政府に対する信頼度を調査したところ、海外からの日本政府に対する信頼度は27カ国平均で56%となり、カナダ64%、ドイツ61%、オーストラリア60%に次いで高い信頼度を記録する結果となったという。国別には、日本政府に対する信頼度が6割を超えているのは27カ国中12カ国。最も高いのがインドの85%、最も低いのが韓国の16%となった。
情報源に対する信頼度が急落 「情報衛生」状態が悪い傾向
日本人の検索エンジンに対する信頼度は前年比で12ポイント低下して40%となり、トラディショナルメディアに対する信頼度は9ポイント低下して32%と過去最低を記録。ソーシャルメディアに対する信頼度は9ポイント低下して23%、オウンドメディアにおいては14ポイント低下して21%となり、2018年以来となる信頼度が最も低い情報源となった。
また、今回初めて「情報衛生」の状態についても調査を行った。4つの基準を設けて測定し、1)ニュースを積極的に収集しているか、2)エコーチェンバー現象を避け、自分とは異なる考え方を取り入れているか、3)情報の真偽を確かめているか、4)不確かな情報を拡散していないか、を調査したところ、この4つのうち3つを実施しており、情報衛生の状態が「良い」とされた日本人回答者は19%にとどまり、27カ国平均の26%を下回った。
一方で、4つのうち1つしか実施していない、もしくは何も実施していない、情報衛生の状態が「悪い」とされた日本人は56%で、27カ国平均の39%を大幅に上回ったという。
ジャパン・ブランドに対する信頼度の低下
日本人が最も信頼しているのはジャパン・ブランドであることに変わりはないものの、日本人の日本企業に対する信頼度は14ポイント下落し、調査史上最低の50%に。国別では、日本企業に対する信頼度が27カ国中24カ国において低下している。
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