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街のブランド力=過ごしたいと思わせる力が企業や商品ブランドの魅力を増幅させる

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「街づくり」を事業の根幹とする東急グループ。その一員である東急エージェンシーは、「街のブランド力=過ごしたいと思わせる力」と捉えている。その街がOOHにどのような影響を与えるのか、見解を聞いた。
月刊『宣伝会議』6月号(5月1日発売)では、「街という文脈を捉えるから、世界観が伝わる!ブランディングメディアとしてのOOHの可能性」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

「リーセンシーメディア」から「ブランディングメディア」へ

これまで、OOHは「リーセンシーメディア」だと言われてきました。家から店への生活動線を仮定し、移動時や空間にてブランドや商品を再想起させ、便益を伝え、最寄店へ誘引し購買を後押しする、という役割です。つまり「購買直前の刺激」がOOHの主な価値でした。

しかし今、前提が大きく変化してきています。OMOが進み、いつ・どこで商品を買うのか、生活者の選択肢は多様な広がりをみせています。またコロナにより、移動やリアルな出会いはそれ自体が特別感のある出来事として再認識されるようになりました。

この変化を捉え、“購買直前の刺激剤”としてだけでなく“生活時空間でブランドの存在感やパーソナリティを強く深く印象づける装置”として活用することでOOHは真価を発揮します。いままさに「ブランディングメディア」としての価値に着目すべきなのです。

OOHには「街のブランド力をテコに、企業や商品のブランドをブーストする」というポテンシャルがあります。私たちは以前「街のブランド力=ここで過ごしたいと思わせる力」と定義し、その影響要因と構造を分析したことがあり、興味深い結果が得られました。

「渋谷で過ごしたい」を生み出す要因は「非日常感」という体験価値であり、その源泉は「個性的、センスの良いショップが揃う」「エンターテインメント施設が充実」などの施設系の街資産への評価でした。これが「丸の内で過ごしたい」となると、鍵となる体験価値は「自己成長感」で、その源泉は「整然とした大人の雰囲気」という景観系や「歴史的な場所がある」という伝統系の街資産への評価でした。

OOHは街と一体の舞台セットです。生活者へ広告コンテンツがどのように伝わるのかに、舞台セットは大きな影響を与えます。つまり街のブランド力やイメージを上手に活かせば、OOHへ出稿するブランドの魅力をさらに引き立て活性化(ブースト)することが可能になるでしょう。

今後OOHの価値をさらに高めていくためには、何よりもクライアントファーストで効果の見える化が重要だと考えています。改善の道筋としては、他メディアと比較可能な指標の設定→計測手段の確立→運用体制という流れです。

当社では2019年に、東急線主要駅のサイネージでWi-Fiを用いて広告視認推定者数や属性のレポート提供を行う、という実証販売に着手しました。昨年にはコロナ禍で流動が減少する中でGPSデータに基づく流動量をご提示し、その増減に応じて媒体料金を加減算する、というプライシングポリシーも発表しました。

今後もOOHの進化を加速させ、プログラマティックな取引を本格化し、スマホやTVなど他のスクリーンメディアとの統合的なメディアプランニングを実現し、広告主のマーケティング活動の効果を最大化していきます。

東急エージェンシー
取締役 執行役員
高坂 俊之 氏

 

月刊『宣伝会議』6月号(5月1日発売)

第58回「宣伝会議賞」ファイナルレポート!
特集
広告プランニングの新・潮流
「新・メディアの教科書」
▽注目の記事を一部ご紹介!
〇有識者が考える現代「メディア考」
グーテンベルクオーケストラ 菅付雅信
朝日新聞社 伊藤あかり
中央大学 松野良一
NTT 研究所 木下真吾

〇コロナ禍における 米メディア業界に起きた変化
パンデミック下で分かれた明暗
津山恵子
〇デジタル化が進む時代、宣伝部門の組織と人材
花王 立山昭洋
ネスレ日本 野澤英隆

特集
ブランディングメディアとしてのOOHの可能性
〇“場所”に存在する、文脈やイメージを活用
ブランディングメディアとしての可能性
電通 若林宏保
〇私が考える「OOH」の可能性
東急エージェンシー、オリコム、PORTO、メトロアドエージェンシー、LIVE BOARD
〇Metro Ad Creative Award 2020 結果発表