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定量的な側面だけでなく定性的な部分に着目し価値を再定義すべき時

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2022年に創業100年を迎えるオリコム。交通広告のパイオニアでありながら、総合広告会社として4マスメディアからデジタルまで提案する同社。今日の環境におけるOOHの価値をどう捉えているのだろうか。
月刊『宣伝会議』6月号(5月1日発売)では、「街という文脈を捉えるから、世界観が伝わる!ブランディングメディアとしてのOOHの可能性」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

五感に訴求し、気持ちを独占 ブランドを深く伝えるメディア

まず前提として、当社は社員の多くがOOH、特に交通広告について深い知見を有している会社ではありますが、クライアントに対してOOHありきの提案をしているわけではありません。クライアントの課題に対し、メディアニュートラルな視点でプランニングし、その中でOOHが有効である場合には活用します。

その上でOOHの価値のひとつと言えるのが、生活者の「五感」に訴求できるメディアであることです。テレビやラジオなどは視覚、聴覚には訴求できますが、「立体造形」などのように触覚にまで訴求可能なのがOOHの価値と考えます。例えば、駅をジャックすれば、その駅に訪れた人たちの気持ちを独占することができ、ブランドを深く訴求することができます。

またOOHによるプロモーションは話題になりやすく、拡散力もあります。そのため、デジタルメディア戦略と組み合わせることで、OOHを起点としたプロモーションも可能になります。広告主企業としてもOOHの写真がSNSでシェアされるなど、生活者の反応がわかりやすいため、話題になっているという実感が得られやすいかもしれません。

シチュエーションをとらえたOOHの展開が重要に

コロナによって生活が大きく変わりましたが、当社の広告メッセージにもあるように、“人が移動すること”自体はなくなりませんので、OOHのメディアとしての価値が失われるようなことはないと考えます。

ただし、実際にテレワークなどオンラインで完結することが多くなった時代には「移動する多くの人々にリーチできるメディア」というOOHの側面だけをとらえることはやめなければなりません。リーチ数という“量”的な側面だけではなく、態度変容やブランドリフトなど、今まで定性的だった部分に焦点を当て、OOHの価値を再定義していく必要があると考えています。

テクノロジーの活用によって、その定性的な部分も可視化でき始めているので、通行量が多いから、話題になるからという理由で出稿するのではなく、OOHならではの場所や時間を活かした“深く刺さるコミュニケーション”が今後は重要になってくるでしょう。

シチュエーションを踏まえストーリーをつくる

もちろんOOHと一概に言っても、屋外ビジョン、紙メディアを中心とした交通広告、デジタルサイネージなど、さまざまな種類がありますので、それぞれのOOHに接触する生活者のシチュエーションを分析した上で、どのようなストーリーをつくり、どのようなコミュニケーションやクリエイティブであれば生活者の心に深く刺さるのか、我々広告会社側も突き詰めて考えていく必要があります。

オリコム
メディアソリューション局 局長
岡本 光郎 氏

 

月刊『宣伝会議』6月号(5月1日発売)

第58回「宣伝会議賞」ファイナルレポート!
特集
広告プランニングの新・潮流
「新・メディアの教科書」
▽注目の記事を一部ご紹介!
〇有識者が考える現代「メディア考」
グーテンベルクオーケストラ 菅付雅信
朝日新聞社 伊藤あかり
中央大学 松野良一
NTT 研究所 木下真吾

〇コロナ禍における 米メディア業界に起きた変化
パンデミック下で分かれた明暗
津山恵子
〇デジタル化が進む時代、宣伝部門の組織と人材
花王 立山昭洋
ネスレ日本 野澤英隆

特集
ブランディングメディアとしてのOOHの可能性
〇“場所”に存在する、文脈やイメージを活用
ブランディングメディアとしての可能性
電通 若林宏保
〇私が考える「OOH」の可能性
東急エージェンシー、オリコム、PORTO、メトロアドエージェンシー、LIVE BOARD
〇Metro Ad Creative Award 2020 結果発表