記憶に残る広告を提供できているか?時代に合わせた生活者との接点を模索する

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2020年、共同広告配信プラットフォーム「コンテンツメディアコンソーシアム」を設立したBI.Garage。同社が考えるデジタル広告の課題とは何か。消費財メーカーでDMPを活用した分析や広告業務などに携わってきた、同社取締役COO 小林篤史氏に話を聞いた。

広告に対する不信感を拭い去り、「個」から「体験」軸への転換を

2021年3月3日、米Googleが「インターネット利用者の閲覧履歴を追跡する技術の使用制限を強化する」と発表しました。世界的に第三者によるクッキーデータの活用は制限されていく方向にあります。

今後、リターゲティング広告を含めたデジタル広告のターゲティング配信はどうなっていくのか。SNS上では、そもそもターゲティングされた広告の配信に対して、嫌悪するような生活者の声が以前から見られました。Google、そしてAppleもデータ利活用の制限を表明するなか、広告の配信についての一般ユーザーの関心も高まっているように感じます。

またアフィリエイターが書類送検されるなど、アフィリエイト広告への規制が強まっていますし、ステルスマーケティング疑惑でのSNS炎上は毎週のように起きています。そうした、消費者のデジタル広告全体への不信感が高まっていること。これが、デジタル広告業界最大の課題。そこに、私たちは価値あるコンテンツを提供していかなければなりません。

広告の効果を高めるためワントゥワンのリーチを目指すが故、「個人」を軸にしすぎたことで、商品や行動を押し付けるような広告が増え、嫌な気持ちにさせてしまった。デジタルの世界では、結果が数値として可視化されます。そうした背景から、最大限の効果を追い求めて、行きすぎた手法に走ってしまうこともある。“やりすぎた”ところを業界全体で一度反省して、「体験」を軸にした広告を提供する必要があると考えます。

また、人々の記憶に残るような広告体験を提供できているか、という点も課題に感じます。皆さんは、ここ1週間以内に見たデジタル広告で、良いと感じたものを挙げられるでしょうか。そもそも、覚えているものはいくつあるでしょう。

これがテレビCMであれば、友人や家族との間で話題にのぼることもあるかもしれません。しかし自分の子どもをみていても、普段接している動画のコンテンツといえば放送局のつくるテレビ番組ではなくYouTubeが中心。だとすれば、デジタル広告でもかつてのテレビのように印象に残る広告体験が必要なのではないでしょうか。

昨今、生活者はデジタルとリアルの世界を複雑に行き来しながら情報に触れ、多種多様な広告に触れている状況にあります。そうしたなかで、どの広告媒体、広告商品に関しても、同じ効果を期待する…例えば全ての実施する広告商品において、共通のKPIを設定することは果たして正しいのだろうかと考えます。それぞれ特性が異なるので、それらを使い分けて全体のコミュニケーションを検討し、それに合わせて複数の広告商品を含めたフォーメーションを組み、全体で費用対効果を評価すべきではないでしょうか。

BI.Garage
取締役COO
小林篤史氏

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