手軽に始められるからこそ「世界観」をつくることが最も重要

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ECは、誰でも簡単に始められる環境が整いつつあるが、その手軽さゆえに、埋もれやすい。では、他のECと差別化し、埋もれないECになるためにはどうすればよいのか。

事業ビジョンは定まっているか?

─成功するECの共通点はなんでしょうか?

様々なECが立ち上がる中で、埋もれず成功するために最も重要なのは、事業ビジョンやミッションの策定などのECのコアとなる部分です。どのような目的でECを行うのか、どのような価値を顧客に提供していくのか、という根本的な部分が、最も重要になります。

特に、化粧品や健康食品などリピートが前提となる商品カテゴリに関しては、ここをしっかり定めて、ブランドの「世界観」をつくるべきなのです。その世界観に、顧客は価値を感じて、ファンになり、リピートが生まれていきます。

ECは誰でも手軽に始められるからこそ、事業ビジョンなどを考えず、ただの販売チャネルとして立ち上げると、多くのECの中に埋もれてしまい、まったく売れないという状況に陥ります。

商品は事業ビジョンを実現するもの

本来であれば、最初に事業ビジョンなどの事業戦略を策定してから、商品の企画~開発をすべきで、商品は事業ビジョンを実現するアウトプットにすぎません。この商品を売りたいから、ECを立ち上げるというのは、顧客視点のないプロダクトアウトのみの考えと同じです。

また、世界観がない状態で、売上をあげたいからと広告・販促などの小手先の施策だけを強化しても、一時的なものにしかなりません。世界観が定まっていれば、理想とする顧客像も明確になり、広告戦略だけではなく、ウェブデザイン、梱包方法、リピートさせるためのコミュニケーションのとり方なども、世界観に沿って一貫性を持たせた展開が可能になります。

「手段の目的化」のように、日々進化するテクノロジーやトレンドワードに踊らされないようにすることも大切です。

世界観を伝えるための情報発信も必要に

─進化を続けるEC業界で注目すべき点はありますか?

情報発信の必要性はますます高まっていると感じます。さきほどの話ともつながりますが、世界観をつくっただけでは、顧客に伝わらないため、それらを届け続けることが必要です。

化粧品メーカーであれば、毎日インスタライブやYouTubeを活用して、情報を届けています。EC同様に、誰でも情報発信できる環境は整っているので、積極的に情報を発信して、消費者に知ってもらう。そういったファンを生むための取り組みは欠かせません。

しかし、情報発信といっても、インフルエンサーを利用して自社製品をアピールするようないわゆるインフルエンサーマーケティングは考え直すべき時でもあると思います。消費者側は、インフルエンサーが対価を得て広告しているということを、十分に理解しており、すぐに見抜きます。そのため、安易にインフルエンサーを起用し情報発信をしてもらおうというのは、ブランドにマイナスなイメージを与えることにもつながるので、避けるべきでしょう。

クリームチームマーケティング
代表 兼 CEO
EC・通販コンサルタント
山口尚大氏

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