メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

「データ」という根拠を基に顧客のニーズを捉えて、活用する

share

ECは実店舗と違い、様々なデータを収集・活用することができる。では、成功しているECはどのようにデータを活用しているのだろうか。

ECは2極化している

─成功するECの共通点はなんでしょうか?

西尾:EC事業を拡大・成功に導くには、データの活用は欠かせないと思います。月商1000万円を超えない規模であれば、少人数で、これまでの経験だけでやっていけるかもしれませんが、1000万円以上の売上を目指すフェーズになれば、扱う商品数や情報、関わる担当者も増え、経験や自社データだけではカバーしきれなくなります。特に変化が非常に激しい昨今は、データ活用は必須といえるでしょう。

平塚:成功しているEC企業を見ると、データを活用し、商品を横に積むか、縦に積むかの2極化していると思います。横に積むというのは、ECの商品が無制限に出品できるという点を活かした取り扱い商品の拡張です。特にコロナ禍では、トレンドが大きく変化したので、その変化に対応し、いろいろなジャンルを分析して、需要の高い市場へ参入する。これが実際に、素早く対応できたECショップは成長しています。また、縦に積むというのは、オリジナル商品の開発・販売です。

いまやECは、多くの事業者がいるため、同じ商品を販売しているだけでは、ただの価格競争になり、薄利多売の状況に陥ります。その中で、自社にしかない価値を提供し、利益率を高めているECサイト・ショップも成功しているといえます。

この2パターンにどちらも共通して最も重要なことが「顧客のニーズを捉え、活用すること」です。例えば、成功しているECショップ・サイトが必ずやっていることは、定期的にアンケートを実施し、顧客の声を基に商品やサイトユーザビリティー等をアップデートし続けています。

ブランド側の介在が重要に

─進化を続けるEC業界で注目すべき点はありますか?

西尾:今、D2Cという言葉だけが流行りのように先行していて、中間コストがなく低い価格で消費者に商品を提供できることがメリットと捉えられている事があります。しかし、D2Cの最大のメリットはブランドと消費者の双方向でのコミュニケーションが可能であることと、消費者のデータを取得し、商品企画や販促企画などで活用できることです。例えば、あるブランドでは、毎日のようにインスタライブを実施して、顧客と直接コミュニケーションをとっており、日々顧客の声を取り入れて、商品・サービスの改善を図っています。

さらには、自分たちのブランドを直接伝える場としても活用しており、自分たちが目指すブランドを顧客に理解してもらうためのブランディングの場にもなっているのです。

このようにライブコマースはひとつの手段ではありますが、重要なのはブランド側の「人」が介在し、消費者とコミュニケーションしていることではないかなと思っています。情報収集がウェブで誰でもできる時代だからこそ、ブランドを伝えるアンバサダーのような存在が必要になってくると考えています。

平塚:昨今は、ECモールでもセールが乱発しているので、顧客もセール慣れしてしまっており、単純な値引きや、キャンペーンなどの販促施策はますます通用しない時代になっています。今後は、先に述べたように、定性・定量データという根拠を基に、自社ECの価値を提供するための戦略を練り、実行することが当たり前になってくるでしょう。

Nint
経営戦略室
西尾宗哲氏

 

Nint
カスタマーサクセス
平塚雄大氏