2021年ワースト不祥事1位は「名古屋市長、金メダルを噛み批判が殺到」—月刊『広報会議』調べ

宣伝会議が発行する月刊『広報会議』は11月、2021年に発覚した企業・団体・個人の不祥事に関し全国1000人の男女(20~60代)を対象に、「最もイメージダウンした出来事」についてアンケート調査を実施した。

2021年1月~10月に発覚した不祥事の中で編集部が選定した14事例から、著しくイメージダウンした出来事を上位3例まで選択してもらったところ、1位は「名古屋市長、金メダルを噛み批判が殺到」(31.0%、1位)となった。

以下、「森喜朗氏の女性蔑視発言」(22.8%、2位)、「NAMIMONOGATARI2021、マスクなしの開催で批判殺到」(22.3%、3位)と続いた。

5位までのランキング結果と、回答者が当該不祥事を選んだ理由については以下の通り。

1位:名古屋市長、金メダルを噛み批判が殺到(31.0%)

・悪いとは思っていないけど「一応、謝る」という感じが見え見えだった(38歳女性)
・コロナのこともあるが、衛生的に人のメダルを噛むのはどうかと思う(20歳男性)
・デリカシーの欠如は言うまでもないが、その後の対応もひどかった(44歳男性)
・非常識だと本人が理解していないのが、会見や態度から滲み出ていた。あれは叩かれて当然。(38歳女性)

2位:森喜朗氏の女性蔑視発言(22.8%)

・すぐにでも謝罪することは必要だった(35歳女性)
・言葉だけの反省で、本質的に理解していない(59歳男性)
・グローバルな視点が足りない(48歳男性)
・オリパラに関し日本の代表である人物が恥ずかしい発言をしたので、国内外への印象が悪くなった(30歳女性)

3位:NAMIMONOGATARI2021、マスクなしの開催で批判殺到(22.3%)

・公開された主催者の謝罪文が言い訳ばかりだった(27歳男性)
・開催者が、何の説明や謝罪もせず逃げてしまった事が一番まずい(36歳男性)
・主催者の会見を行わない対応が不誠実だと思った(43歳男性)
・運営が終始言い訳にはしっている印象だった(29歳女性)

4位:緊急事態宣言下に議員が深夜にクラブ通い(18.5%)

・初めの発言と事実が異なる点がいけない(39歳女性)
・信用を失う様な発言、行動だった(28歳女性)
・緊急事態宣言下で皆自粛しているのに言い訳しているところ(64歳女性)
・嘘をついてそれがばれた後に辞職したのは評価できる(36歳男性)

5位:みずほ銀行、システム障害で一時ATMが使用できず(16.7%)

・金融機関への信頼低下(59歳男性)
・同じミスの繰り返し(31歳女性)
・ご迷惑をおかけしました、で毎回いつも終わる(52歳女性)
・大した処分をしなかった、みずほ銀行を使うのはやめようと思った(29歳男性)
 

2021年の傾向として、コロナによる生活者の価値観の変化が結果に色濃く出た点が挙げられる。例えば1位となった名古屋市の河村たかし市長がソフトボール日本代表の後藤希友選手の金メダルを勝手に噛んだ出来事。他人のものを噛むこと自体への不快感ほか、コロナを契機に高まった衛生意識が、批判をさらに強めた。

その他、2位の森喜朗元東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長の辞任劇は、海外メディアが大きく報道。ジェンダー観の早急なアップデートが求められていることを示した出来事だ。

今回のアンケートからはこうした価値観の変化が見て取れる。

広報会議2022年1月号本誌では、5位~11位までのランキング結果と、結果を踏まえて危機管理の専門家やジャーナリストらが広報対応の重要性について分析している。

<調査概要>
広報会議編集部「2021年に発覚した企業・個人の不祥事」に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ/対象:全国、20~69歳の男女/期間:2021年11月9~10日/有効回答数:1000/調査機関:ネオマーケティング

本調査は、『広報会議』2022年1月号(発売中)に掲載の特集「『不祥事ランキング』発表 2021のリスク傾向」の中で実施したもの。調査は生活者の価値観の変化を顕在化し、危機管理広報に活かすことを目的に、2014年から毎年行っている。

過去の調査結果も以下に整理した。参考にしてほしい。

2020年 ワースト不祥事1位は河井両議員参院選買収疑いで逮捕
1位:河井克行、案里両議員を逮捕 参院選買収疑いで(29.5%)/2位:「ドコモ口座」からの不正引き出し問題(24.9%) /3位:『テラスハウス』出演 木村花さんの死 放送倫理を審議(23.5%)/4位:黒川弘務東京高検検事長(当時)が記者と賭け麻雀、発覚(22.5%)/5位:ゆうちょ銀で相次ぐ不正送金(ドコモ口座、SBI証券、mijicaなどを巡り)(22.3%)/6位:持続化給付金、電通への再委託問題(12.4%)/7位:アース ミュージック&エコロジー(ストライプインターナショナル)元社長がセクハラ疑惑で辞任(6.5%)/8位:東京証券取引所 システムトラブルで宮原社長(当時)らが会見(4.6%)/9位:沖縄タイムス コロナ給付金不正受給問題(4.4%)/10位:コロワイドによる一連の大戸屋HD買収劇(3.5%)

2019年 組織風土やコンプライアンスが問われた大手企業による不祥事問題
1位:かんぽ生命・ゆうちょ銀行で不適切販売が発覚(48.7%)/2位:レオパレス21の建築基準法違反(38.5%)/3位:吉本興業で相次ぐタレントの不祥事と事務所の対応(37.3%)/4位:関西電力の幹部らが高浜町の元助役から金品受領(29.7%)/5位:セブン・ペイがセキュリティ問題で撤退発表(21.3%)/6位:日産・ゴーン逮捕と西川廣人CEO解任(19.9%)/7位:食べログなどの口コミ評価問題、公取委が実態調査(6.2%)/8位:リクナビが「内定辞退予測」企業に販売(4.4%)/9位:「宅ふぁいる便」大規模な個人情報漏えいでサービス停止(3.8%)/10位:カネカ、元従業員妻がTwitterでパタハラ告発(2.1%)

2018年 日大タックル問題など、相次いだスポーツ界の不祥事
1位:日大アメフット部 悪質タックル問題(58.1%)/2位:「はれのひ」成人式の日に突然の営業中止(48.2%)/3位:レスリング・伊調馨選手、栄和人氏をパワハラ告発(22.6%)/4位:文科省・東京医科大学の裏口入学と相次ぎ発覚した入試不正(18.5%)/5位:スルガ銀行がシェアハウスに不正融資発覚(17.5%)/6位:日本ボクシング連盟、内部告発と助成金の流用問題(16.8%)/7位:SUBARU・日産・スズキなど自動車メーカーの品質不正(15.0%)/8位:体操界におけるパワハラ告発問題(11.2%)/9位:中央省庁や自治体の障害者雇用水増し問題(11.1%)/10位:財務省・福田事務次官セクハラで辞任(10.4%)

2017年 豊田真由子氏の暴言、神戸製鋼・日産・東芝など大手の不祥事も
1位:豊田真由子氏が元秘書に暴言「このハゲー!」(51.8%)/2位:神戸製鋼のデータ改ざん問題(40.2%)/3位:日産自動車の無資格検査発覚(37.0%)/4位:元SPEED・今井絵理子議員の不倫騒動(31.9%)/5位:旅行業者「てるみくらぶ」倒産(26.9%)/6位:東芝で相次いだ決算発表延期(24.3%)/7位:惣菜店「でりしゃす」 O157感染問題(17.1%)/8位:ヤマト運輸値上げと残業代未払い(11.6%)/9位: SUBARUの無資格検査発覚(9.4%)/10位:タカタの民事再生法申請(7.2%)

2016年 舛添要一・ベッキー・電通問題が上位に
1位:舛添要一・前東京都知事の政治資金問題(39.1%)/2位:ベッキー&ゲスの極み乙女。川谷の不倫騒動(37.7%)/3位:電通の新入社員・過労死問題(31.2%)/4位:三菱自動車・燃費偽装問題(28.1%)/5位:東京都・豊洲新市場の欠陥問題(24.9%)/6位:高畑裕太・強姦致傷で逮捕(23.8%)/7位:慶應義塾大学の女子学生集団暴行事件(20.5%)/8位:SMAP解散騒動(15.5%)/9位:東大生が強制わいせつ容疑で逮捕(13.6%)/10位:はごろもフーズ・異物混入問題(9.9%)

2015年 「傾きマンション」・マクドナルド・東京五輪エンブレムがトップ3に
1位:旭化成建材・三井不動産「傾きマンション」(67.2%)/2位:マクドナルド・異物混入(39.2%)/3位:東京五輪エンブレム問題(35.2%)/4位:フォルクスワーゲン・排ガス不正(33.0%)/5位:東芝・不正会計(27.4%)/6位:日本年金機構 情報流出(23.0%)/7位:大塚家具・お家騒動(21.0%)/8位:読売巨人軍・野球賭博関与(19.4%)/9位:東洋ゴム工業・免震ゴム偽装(15.4%)/10位:タカタ・エアバッグ異常破裂(13.8%)

2014年 小保方氏・野々村元県議・佐村河内氏の3人が上位
1位:理化学研究所・小保方晴子氏の不正論文(67.4%)/2位:野々村竜太郎元県議・政務調査費不正使用(47.6%)/3位:「両耳の聞こえない作曲家」佐村河内守氏がゴーストライター疑惑で謝罪(36.6%)/4位:マクドナルド・使用期限切れの鶏肉使用(35.0%)/5位:ベネッセコーポレーション・個人情報流出(31.8%)/6位:朝日新聞社「吉田調書」、慰安婦関連記事取り消し謝罪(25.6%)/7位:東京都議会議員によるセクハラ野次(12.2%)/8位:「すき家」従業員過重労働問題(12.0%)/9位:アクリフーズ(マルハニチロ子会社)冷凍食品から農薬検出(11.0%)/10位:「たかの友梨」パワハラ騒動(4.8%)
 

広報会議2022年1月号について

 

【特集】自浄作用で健全な企業文化をはぐくむ
リスク管理と風土改革

 
GUIDE
三菱電機、長年の不正の裏に閉鎖的な風土
忖度しない文化の構築に広報は
植村修一(元日本銀行審議役・元大分県立芸術文化短期大学 教授)
 
従業員の本音を引き出し
組織の問題を是正していく“広報視点”
服部泰宏(神戸大学大学院 経営学研究科准教授)
 
【対談】
社外にひらかれた「オフィス」「チーム」が強い組織をつくる
仲山進也(楽天大学学長)×鹿野喜司(コクヨ YOHAK_DESIGN STUDIO)
 
【漫画に学ぶ】
内部不正の呪縛を解く 従業員に判断軸を根付かせる方法
梅崎 修(法政大学キャリアデザイン学部教授)
 
企業内部のUX改善へ 社内で批評文化を醸成しよう
川崎昌平(作家、編集者)
 
【特集2】
「不祥事ランキング」発表
リスク傾向と対策
 
CASE1
みずほ銀行のシステム障害に見る危機管理広報
相次ぐ不祥事には抜本的な改善案を示そう
浅見隆行(弁護士)
 
CASE2
森元会長の辞任に見る無意識の偏見
日本のメディアの意識変化を広報担当者も感じ取ろう
稲澤裕子(昭和女子大学 特命教授 広報担当参事)
 
CASE3
ユニクロ製品の米税関差し止め問題に見る新リスク
SDGsは有言実行で、サプライチェーンにまで目を凝らそう
河合 拓(河合拓コンサルティング代表取締役)
 
記者の行動原理を読む広報術 特別編
ニュースバリューが変わる潮目に伴い過去の“不発弾”のチェックを
松林 薫(ジャーナリスト)
 
OPINION ウィズ・アフターコロナ下での危機管理
テレワークで高まる情報漏えいのリスクにどう対応する
鈴木悠介(弁護士)
 
PICK UP
危機意識の向上は一朝一夕ならず
クリッピングサービスで日々の醸成が鍵
エレクトロニック・ライブラリー(ELNET)
 
GUIDE
企業を守るのも広報の役割
不祥事が起きた、と想定して臨もう
危機管理広報の対応シミュレーション最新版
監修/佐々木政幸(アズソリューションズ 代表取締役)
 
【特集3】
目指す「組織文化」を
浸透させるには
心理的安全性の高い組織文化
トップの弱みを活かしてつくれ
永井千佳(トップ広報プレゼン・コンサルタント)
 
行動指針の可視化がリスクを減らす
社員に提供する「カルチャー」設計のすすめ
唐澤 俊輔(『カルチャーモデル』著者)
 
「内部通報制度」を定着させる3つのステップとは
森原憲司(弁護士)
 
など
 

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