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【対談】東京2020大会のレガシーとは?(長田新子氏×山本啓一朗氏)

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2021年9月に幕を閉じた東京2020大会。多くの議論を経て開催されたのち、たくさんの人を魅了した本大会が遺したレガシーとは、どのようなものであったのか?また、今後企業とスポーツシーン、アスリートはどのような関係を築いていくことができるのか?
レッドブル・ジャパンの元CMOであり、現在は渋谷未来デザインで渋谷という街を通して多くのスポーツシーンをサポートしている長田新子氏と、東京2020大会、ゴールドパートナー企業の1社であるNECの山本啓一朗氏が、東京2020大会を経て、あらためて感じるスポーツの価値について話し合う。

長田新子氏
渋谷未来デザイン
理事・事務局次長
著書『アスリート×ブランド』(宣伝会議)

 

山本啓一朗氏
日本電気(NEC)
IMC本部
コーポレートマーケティングデザイングループ 部長

 

東京2020を振り返って、いま考えること

――あらためて東京2020を振り返って、印象に残っていることを教えてください。

山本:私はNECで東京2020大会に関連するマーケティングを担当してきました。
開催決定までに非常に多くの議論があり、開催決定後もスポンサーの立場として、covid-19の影響で延期が決定された後、世の中から受け入れられるのかといった難しさもある大会でしたが、アスリートの活躍をきっかけにスポーツを通して皆が感動し、素直に応援したくなる、スポーツの力を強く感じられた大会だったのではないかと思います。

また、パラリンピック競技やニュースポーツなどがテレビでもしっかり放映され、多くの人の注目を集めたことも印象に残っていますね。
パラリンピアン自身のストーリーなどもメディアで取り上げられたことで、視聴者にとってもパラスポーツが距離の近い存在になったのではないかと感じています。

長田:おっしゃるように、ゴールドパートナー企業をはじめ 運営にかかわる人にとって
困難も多い大会だったと思います。しかし、大会後にアスリートに話を聞くと、大会を開催し、サポートしてくれた企業への感謝の声がたくさん挙がっています。

ニュースポーツ(今回採用された新しい競技)の選手や関係者からは、「普段はストリートで競技をしていた自分たちが、まさかこんなに大きな大会にかかわれるなんて、思いもしなかった」という声もあり、東京2020大会で新たな可能性が広がった選手、競技も多いように思いますね。

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