「40のいいこと!?」が100に到達! ニュースを発信し続けた、ファミリーマート40周年プロジェクトの舞台裏

2021年9月に創立40周年を迎えたコンビニエンスストアチェーンのファミリーマートは、同年3月より40周年イヤーを盛り上げるべく、「40のいいこと!?」にチャレンジ。新商品「クリスピーチキン」の発売を皮切りに、1年間を通じた取り組みは、結果的に100の“いいこと”の発信につながった。特にソーシャルとPR施策が奏功し、1年を通じて露出量が増え、それは売上、客数にも貢献。

プロジェクトをリードしたのが、2020年10月にファミリーマートのCMOに就任した足立光氏。さらにプロジェクトを全体統括した電通をはじめ、7つのエージェンシーも参加をし、年間通じて100にも上る施策を実現。ファミリーマートの40周年プロジェクトはどのように進行していったのか。その舞台裏に迫る。

※記事内に登場するキャンペーンはいずれも、現在は終了しています。

(写真左から)
ファミリーマートCMO 足立光氏
電通 PRソリューション局 コミュニケーションプランナー/PRプランナー 加藤倫子氏
電通 第20ビジネスプロデュース局 統合マーケティング・プロデュース2部長 本田祐哉氏

なぜ、企業の周年プロジェクトは自己満足で終わるのか?

――2021年3月からスタートしたファミリーマートの周年プロジェクト「40のいいこと!?」の企画はいつ頃からスタートしたのですか。

足立:40周年プロジェクトは2020年秋ごろから企画がスタート。ちょうど僕がファミリーマートに入社したタイミングだったので最初から関わることができました。

僕もこれまで、いくつもの会社で周年プロジェクトは見てきましたが、失敗に終わっているものが多かった印象でした。そもそも周年ってお客さまには関係のないことです。だから、結局は企業の自己満足で終わってしまうものが多いのだと思います。そこで、ファミリーマートが全社で周年プロジェクトを行うのであれば、自己満足で終わることなく、商品や店舗サービスなど、お客さまにさらに驚き、喜んでいただくための挑戦を発信していこうというと考えました。

特にファミリーマートは特長が十分に理解されていないことに課題があると感じていたので、40周年という機会を活かした発信で、その特長がよく伝わるようにと考えました。そこで、発信していくニュースの方向性として「もっと美味しく」「たのしいおトク」「『あなた』のうれしい」「食の安全・安心、地球にもやさしい」「わくわく働けるお店」の5つを設定し、このいずれかに当てはまるニュースを年間通じて発信していきました。

社内ではマーケティング部だけでなく、広報部や商品部なども入り、さらにエージェンシーの人たちにも入ってもらって、毎週「40のいいこと!?」会議をしながら、施策を決めて実行していきました。
電通さんに入ってもらったのが2020年末。このプロジェクトには電通さんをはじめ、博報堂さんやGOさんなど他のエージェンシーの方たちに入ってもらっています。その全体監修を電通さんにお願いしました。

7つのエージェンシーが参加し、年間で100の施策を形にする

加藤:ファミリーマートさんと電通とで毎週1回以上、「40のいいこと!?」会議を開催し、そこにはファミリーマートさんのマーケティングの方・広報の方など様々な部署の方が参加していました。「いいこと!?」のネタはファミリーマートさんから出てきたものもありますし、私たちから提案させていただいたものもあります。他のエージェンシーさんが担当したものもあります。結果的に2022年2月の周年プロジェクト終了時点で「40のいいこと!?」は100個に到達しています。

足立:メーカーであれば新商品の発売は半年に1度、外食でも3カ月に1度程度で、それほどニュースがあるわけではないです。それが、ファミリーマートのようなコンビニエンスストアの場合、週に3~4つくらいはニュースがあります。小売業界は発信できるニュースの多い特殊な業界だと思います。

40周年だから企画したニュースもあれば、周年に関係なく出てくるニュースも多くありました。そうした多様なファミリーマートからのニュースが「40のいいこと!?」として発信するのにふさわしいかを議論して、入れるなら先の5つのカテゴリーのどれに当てはまるかを決めていくのが週に1回の会議で実施していたことです。
さらに、そのニュースをどんなクリエイティブでどんなメディアを使って発信すると、一番お客さまに伝わるか、までを徹底的に議論し、「何を伝えるか?」と「どう伝えるか?」をチームで一緒に決めながら進んでいきました。

「どう伝えるか?」の部分では広告を使うこともあれば、ソーシャルやPR、店舗内のポスターやボードといったものもあります。多様なニュースでPOPや広告をつくることを考えると、複数のエージェンシーさんにサポートしていただく必要があったのです。GOさん以外は、以前から付き合いのあったエージェンシーさんたちで、電通さんにそれを監修してもらう立場で関わってもらいました。

加藤:当初、「40のいいこと!?」という周年プロジェクトを提案させていただいたとき、私は文字通り40個のいいことをプロデュースするつもりだったんですね。それがプロジェクトの初期の段階で「別に40個に限らなくて、いいんじゃないの?」と足立さんに言われ、その瞬間に戦慄が走ったことを覚えています…。

足立:40周年だから「40のいいこと!?」をしているという枠組みが重要なのであって、話題にしてくださるお客様もメディアの方も、「これは40のいいこと!?の何番目なのか?」は気にしませんよね。すべてのニュースが40周年プロジェクトという枠組みの中で発信されることで、話題の底上げが図れると考えていました。

加藤:「40のいいこと!?」の開始月である3月は印象的な月でした。1つ目のニュースは、3月の新商品の「クリスピーチキン」の発売でした。CM、キービジュアル、ソーシャル、PRも加えたいわゆる統合キャンペーンで、これを私たち電通が担当させていただきました。

それと同月に、もうひとつの「いいこと!?」として「ファミマのボトルキープ」という企画も実施しました。これは、回数券を使ったまとめ買いのサービスなのですが、足立さんからサービスのアイデアをいただき、もっとキャッチーにできないかと相談を受けて「ボトルキープ」というネーミングを提案しました。「それもエージェンシーがやるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、魅力的な言い方・伝え方を考えるのは、エージェンシーの得意領域だったりします。

足立:いずれも、どうしたら話題を大きくできるかという観点でアイデアを膨らませていきました。そのアイデアを大きくする部分で、電通さんに手伝ってもらったところも多くありました。

「ボトルキープ」の企画については、コンビニエンスストアで一番多くの方が購入するのがペットボトル入りのドリンク。だから、ドリンクでオトクな提案をすることはコンビニエンスストアにとってとても大きな意味があるんです。
ただ、アイデアとしてはコーヒーの回数券がペットボトルに拡大しただけ…とも言えます。それを「ボトルキープ」というシズル感と新しさ(違和感)のあるネーミングにすることで、一気に話題にしていただけるようになりました。

ファミマのボトルキープサービス


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