Zホールディングスは3月7日、ヤフーの広告事業における情報開示を進める。3月には「広告事業における利益相反・自社優遇行為管理方針」の公開、4月には広告主や広告会社が取得する「広告アカウント」の審査基準を公開する。広告配信先から排除するWebサイトやコンテンツなどの基準を示した「広告配信ガイドライン」もわかりやすくする。
「広告アカウント」は、検索広告やディスプレー広告などの「Yahoo!広告」を利用する際に必要となるもので、開設前後に審査がある。現在は、変更時の周知手続きが生じることで、不正手口への対応などを理由とした基準変更が後手となるとして、審査基準を開示してこなかった。
広告アカウント審査基準の開示は、外部委員による検討会からの提言を受けての対応。検討会は提言書で、「広告アカウントの開設申込者に審査観点を示すほか、不正な広告が配信された場合にブランド毀損リスクを負う配信先(=Webサイトなどメディア)や、不正な広告を発端にトラブルの危険にさらされる消費者も、不正広告の防止策としてヤフーの審査が適切に行われているかどうかについて、情報を得る必要がある」とした。
審査基準には、網羅して列挙できない事項を包括的に規定するほか、不正に審査をかいくぐられることを防ぐため、いわゆる「バスケット条項」を一部用いる方針。バスケット条項を適用する代表例も公開する。
「利益相反・自社優遇行為管理方針」では、広告を掲載した企業のデータを、その競合企業のために用いるなど、顧客同士の利益相反や、広告配信先について自社運営メディアを優遇するといった行為を防ぐ管理体制について、開示を進める。
検討会は昨年7月に設置したもので、座長は東京大学公共政策大学院院長の大橋弘氏。研究者のほか、弁護士や消費者団体で構成した。オブザーバーには内閣官房や経産省、総務省も加わった。
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