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2021年の売上60億円突破 不二家「カントリーマアムチョコまみれ」

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不二家のロングセラーブランド「カントリーマアム」から誕生した「カントリーマアムチョコまみれ」は2020年4月に全国発売を開始。ビスケットカテゴリーの年間売上上位にランクインするなど好調だ。
人気連載「ヒットの仕掛人に聞く」では、いま話題の “ヒット商品” の 仕掛け人が開発の背景やプロモーション戦略を明かします。

※本記事は、2022年3月1日発売の『販促会議』2022年4月号 の転載記事です。

DATA

商品名:カントリーマアムチョコまみれ
希望小売価格:48g/140円、
127g/324円(税込)
主な販路:全国のコンビニエンスストア、
スーパーマーケットなど
 

今月の仕掛人たち

不二家
菓子事業本部 営業本部
商品企画部 ビスケット課
課長
板橋和範氏

不二家
菓子事業本部 営業本部
商品企画部 ビスケット課
大江幸司氏

 

テストマーケティングから全国へ

──開発のきっかけを教えてください。

板橋:「カントリーマアム」は2019年に発売35周年を迎えました。当社ではブランド周年時の企画として新商品を発売しており、2018年の「ホームパイ」発売50周年では「ホームパイのみみ」を発売しています。「ホームパイ」と同様に「カントリーマアム」ブランドのこれまでを振り返り、現在の課題も検証しました。発売から長い時間が経つブランドはファンも多い反面、購買層の加齢が進んでいます。そこで若年層にも食べてもらえるような商品を目指して商品企画をはじめました。

「カントリーマアム」は“外はサックリ、中はしっとり” とした食感のクッキー生地とチョコチップの組み合わせが支持されています。これをあらためて追求し、若者に支持されるものにしようと考えました。開発当時、世の中では濃厚な味や何かに振り切っていることがトレンドになっていました。そこで、ココアを練り込んだ生地に、チョコチップを限界量まで入れ、更に全体をミルクチョコでコーティングしたトリプルチョコの商品を企画しました。ただ、従来のカントリーマアムのサイズだと、数口で満足してしまうのではないかという意見もあり、あえて「カントリーマアムミニ」サイズと組み合わせることで、バランスを調整しました。

若年層をターゲットにココアを練り込んだ生地に限界量のチョコチップを加え、ミルクチョコでコーティングしたまさに“チョコにまみれた” 商品。

2019年11月にセブン-イレブン限定で販売するテストマーケティングを実施したところ、店頭のサイドメッシュ什器を使った全面陳列のインパクトも後押しし、通例の販売スピードの倍以上の速さで完売し、想像を超える大きな反響がありました。これは全国販売に広げるべきだと判断し2020年4月に48gの商品を販売開始しました。さらに、9月には127gのミドルパックの発売も開始。昨年は売上が約60億円を達成し、ビスケットカテゴリーの年間売上で上位にランクインしています。


パッケージに見つける喜びを

──ヒットには何かきっかけがあったのでしょうか。

板橋:予算の都合もあり、私たちから積極的な施策を行うことが難しかったのが実情です。ただ、有名な将棋棋士の方がおいしいと言ったという話がニュースになったり、人気女性アイドルの方がラジオで紹介したりと著名人による口コミで拡散していきました。特に人気アイドルの方はインフルエンサーとして、紹介したものが売れるという現象があるそうです。その方が話したということがマイクロインフルエンサーに広まり、そこからさらに拡散されていったと思われます。

──「まみれさん」のキャラクターも特徴的です。

板橋:当社には幅広い世代から愛される「ペコちゃん」というキャラクターがいるので、これまでは別のキャラクターを立てることに消極的でした。ただ、「ホームパイのみみ」のプロモーション施策で「イパムーホ」というゆるいキャラクターを作り、若年層に受け入れられたこともあり今回の「まみれさん」が誕生しました。
キャラクター設定はどちらかというと後付けで、商品の軸を出すためのキャラクターでした。こちらから世界観を押し付ける意識はなく、手に取ったお客さまが「何ともいえない表情」「ゆるかわ」などSNSでコメントしてくださるので、そこも生かしながらストーリーにできればと考えています。

──パッケージや個包装もユニークです。

大江:個包装タイプのミドルパックでは、包装のデザインにバリエーションができるので、お客さまが発見して楽しめる要素を加えようと考えました。SNSでは常に新しいことが求められているので、少しずつ変えていくと、マイナーチェンジに気づいた人が投稿をしてくださいます。今のパッケージには「感謝」の文字が入っていますが、2021年9月で1周年だったのでその気持ちとして加えました。常に何かしらの仕掛けは行っていますが、特にアピールはしていません。その方が気づいたときの喜びもあるのではないかと思っています。

著名人が食べたことが話題となり自然発生的に情報が拡散。フォロワー数1万人以下のマイクロインフルエンサーが多く反応し、そこからさらに幅広い層への認知を得た。

―本記事の続きは、3月1日発売の『販促会議』2022年4月号で読むことができます。
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